実施日 : 2019年10月10日
報告:豊島区プレスツアー
投稿日 : 2019年11月05日
10月10日、「『消滅可能性都市』からの脱却:豊島区の挑戦」をテーマに、プレスツアーを実施しました。本ツアーには、韓国、マカオ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、インド、フランス、ドイツ、英国のメディアから、計13名の記者が参加しました。
※本プレスツアーは、豊島区が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。
※ツアー案内はこちら。
<オリエンテーション、高野之夫区長インタビュー>
ツアーの冒頭に区役所で、豊島区が2014年に「消滅可能性都市」との指摘を受けた背景や、それを受けて区が取り組んできた一連の施策、本ツアーの各視察先について説明を受けました。
またツアー後半には高野之夫区長へのインタビューを行い、高野区長は、豊島区が2014年に「消滅可能性都市」と指摘されたショックをきっかけに女性や子どもにやさしいまちへと大きく変貌してきたこと、国内外から多くの人を呼び込むために文化によるまちづくりも進めていることを紹介しました。記者からは、「女性にやさしいまちづくり」を進める中で直面した課題や今後の目標、区の財政状況などについて多くの質問が挙がりました。
<グローバルキッズ東池袋園>
待機児童対策の一環として区庁舎ビル内に開設された保育所を訪れ、施設の概要について説明を受けた後、同園の園庭代わりになっている「南池袋公園」まで園児の散歩に同行しました。記者からは園長や豊島区保育課の担当者に対して、保育園の新規開設に向けた区の支援の内容や、保育士不足への対策などについて質問が挙がりました。記者たちは、ビルの谷間の公園で子どもたちが元気に走り回る様子を熱心に撮影。ベトナムのテレビ局は公園で遊んでいる親子にインタビューし、豊島区の保活事情について質問していました。
<南池袋公園>
豊島区は女性にやさしいまちづくりの一環として、公園の整備に力を入れています。南池袋公園を訪れ、ホームレスが集まる場所として知られた同公園が今では若い女性や親子連れを含む老若男女が集う場へと変貌した様子を視察し、区の担当者から説明を受けました。区内に暮らす子育て世代の女性2名へのインタビューも行い、記者たちは、豊島区が進める「女性にやさしいまちづくり」が住民にはどう受け取られているか、熱心に質問をしていました。
<IKEBUS(イケバス)>
2019年11月から池袋エリアで運行を開始する電気バス「IKEBUS」に体験乗車し、池袋の新たなシンボルとなる真っ赤なバスの特徴や運行ルートなどについて説明を受けました。
<公共地下道「ウイロード」>
池袋駅の東西を結ぶ地下歩道「ウイロード」は老朽化が進み、暗くて怖い印象があるために女性から敬遠されていました。現在、女性を含めて誰でも安心して通行できる空間に改修するため天井や壁に直接描画を施す作業が行われています。記者たちは、その壁面を明るく色鮮やかに描画している美術作家の植田志保さんの制作現場を訪れ、話を聞きました。
<南長崎公園「アートトイレ」>
豊島区は「女性にやさしいまちづくり」の一環として、区内の公園・公衆トイレを女性の目線で全面改修する「としまパブリックトイレプロジェクト」を進めています。ツアーでは南長崎公園に完成した「アートトイレ」を視察し、区の担当者から説明を受けるとともに、その描画を手掛けたイラストレーターの井上ヤスミチさんから話を聞き、井上さんは、「この町の日常の風景を描いた。女性や子どもが安心して利用できるように、明るい色を選んでデザインした」と述べました。記者たちは、「女性にやさしいまちづくり」のために豊島区がトイレに着目したことに高い関心を示し、区の担当者にその取り組みのきっかけなどについて質問していました。
<シーナと一平>
「シーナと一平」は、豊島区が開催した「リノベーションスクール」がきっかけとなって、築45年の空き家を再生して生まれたカフェ&ゲストハウスです。ツアーでは、2階のゲストハウスがまちの交流人口を増やしコミュニティに活気をもたらしていることや、1階のコミュニティカフェ&キッチンが子育て世代の女性たちの交流や起業を後押しする場になっていることを取材しました。記者たちは、持続可能なまちづくりのために空き家を活用するというアイディアに興味を持ち、リノベーションに要したコスト、ゲストハウスの宿泊客数や売り上げなどについて盛んに質問が挙がりました。
<Hareza(ハレザ)池袋>
豊島区が目指す「国際アート・カルチャー都市構想」のシンボル施設となる「Hareza(ハレザ)池袋」(2020年7月グランドオープン)を訪れました。記者たちは施設の概要について説明を受けた後、2019年11月に先行オープンする「東京建物Brillia HALL」の内部を視察しました。
<椎名町こども食堂>
NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークが運営する「椎名町子ども食堂」を訪れました。記者たちは、天野敬子事務局長からWAKUWAKUが運営する区内4カ所の「子ども食堂」の概要などについて説明を受けるとともに、多くの利用客で賑わう食堂内を視察しました。記者は利用客である子どもや大人にも各自インタビューを行い、取材後には、地域住民の声を直接聞くことができ貴重な機会だったとの感想が寄せられました。
◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)
Financial News(韓国/新聞)
10月16日「[특파원리포트]'소멸 경고장'받은 日도시마구… 인구유입책 5년 절반의 성공([特派員リポート]「消滅警告状」を受けた日本の豊島区・・・人口流入政策5年、半分成功)」
東亜日報(韓国/新聞)
10月17日「‘소멸 경고장’ 받은 日 도시마구, 유아원-공원 승부수로 반전(「消滅警告状」を受けた日本の豊島区、保育園・公園を勝負手に反転)」
世界日報(韓国/新聞)
11月2日「어린이집 늘리고 우범지대 리모델링… 여성들이 돌아왔다(保育園を増やし、犯罪多発地域をリモデリング・・・女性たちが戻ってきた)」
11月2日「“女간부 비율 대폭 늘려 여성 시각으로 구정 펼칠 것” (女性幹部の比率を大幅に増やし、女性の目線で区政を展開していく)」
Tribunnews.com(インドネシア/Web)
10月11日「Wali Kota Toshimaku Jepang Berhasil Mengubah Utang Pemda Jadi Tabungan(日本の豊島区長、地方自治体の債務を貯蓄に変えることに成功)」
10月11日「Kodomo Shokudo Sediakan Makan Gratis untuk Anak-anak Miskin di Jepang(こども食堂が日本の貧しい子供たちに無料で食事を提供)」
10月11日「Bus Umum Murah Berkeliling Ikebukuro Jepang dengan Sopir Cantik(美しい運転手を乗せた低料金の公共バスが日本の池袋を回る)」
10月12日「Pelukis Cantik Jepang Shiho Ueda Kejar Deadline Selesaikan Proyek We Road(美しい日本の画家・上田志穂、We Roadプロジェクト完成の〆切に向けて急ぐ)」
10月12日「85 Toilet Umum Pemda Toshimaku Jepang Didesain Ulang dengan Karya Seni(日本の豊島区の85カ所の公衆トイレがアートワークで再デザインされる)」
The Hindu(インド/新聞)
11月23日「Putting women at the centre of urban planning(女性を都市計画の中心に置く)」