実施日 : 2022年12月08日 - 09日
報告:大分プレスツアー
投稿日 : 2023年01月10日
温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る、日本一の「おんせん県」大分県。本ツアーでは、「湯の花小屋」や「地獄蒸し料理」に象徴される大分県が世界に誇る温泉文化や、カーボンニュートラル実現に向けた地熱資源の活用について取材したほか、ユネスコの食文化創造都市の認定を受けた臼杵市の発酵・醸造文化や、大分発で世界を股にかけて活躍する「DRUM TAO」などの大分の文化の魅力も探りました。
本ツアーには、フランス、ドイツ、米国、ベトナム、中国、韓国、台湾のメディアから10名の記者が参加しました。
※本ツアーは、大分県が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。
※取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。
【1日目】
<明礬温泉(湯の花小屋)>
わら葺き屋根の「湯の花小屋」が立ち並ぶ「みょうばん 湯の里」を訪問。代表取締役の飯倉里美氏の案内で、「湯の花」が製造されている小屋の内部を見学し、三角屋根のわら葺き小屋の特徴や、「湯の花」の製造方法について話を聞きました。記者からは、明礬温泉の歴史やコロナ禍における観光事業の現状、商品の海外輸出の計画などについて質問があり、飯倉氏は、訪日外国人観光客は今後さらに増えることが見込まれることから、コロナ禍を共に乗り越えたスタッフたちと今後も励んでいきたいと、意気込みを語りました。
<地獄蒸し料理(ひょうたん温泉)>
地熱のパワーを利用した温泉地ならではの調理法である「地獄蒸し料理」について知るため、鉄輪を代表する日帰り温泉施設「ひょうたん温泉」を訪れ、田中仁・代表取締役社長から料理の特徴などの説明を受けました。記者からは「地獄蒸し」という調理法の歴史や、風味の特徴などについて質問があり、田中氏は、蒸気に含まれる硫黄などの天然成分が溶け込むことにより食材本来のうまみが際立つと説明。記者は蒸し上がった料理を囲むように撮影した後、地熱のパワーを利用した温泉地・別府ならではの料理を試食しました。
<広瀬勝貞 大分県知事インタビュー>
広瀬勝貞知事から、コロナ後の観光産業の再生や宇宙関連ビジネスの創出、カーボンニュートラルに向けた取組など、ポストコロナを見据えた大分県の主要施策について説明がありました。その後の質疑応答では、記者から2050年カーボンニュートラル実現に向けた地熱などの再生可能エネルギーの可能性について次々に質問があがり、広瀬知事は、ポストコロナの大分県の観光戦略については、観光客も徐々に戻りつつあり、観光産業の回復の見通しは明るいと述べました。
<ラグビーワールドカップ 2019(RWC 2019)日本大会 記念モニュメント>
RWC2019の記憶を継承するため設置された「The Lionman」と名付けられたラグビー像の前で、モニュメントの創設に携わった大分県中部振興局地域創生部の相本健二部長から説明を受けました。記者からは、モニュメント創設の意図や、大分のラグビーの歴史について質問があり、相本氏は、市民に身近にアートを感じてもらいたいとの思いから創設に至ったと説明しました。
<USUKIYAKI研究所>
江戸時代後期に途絶えた「臼杵焼き」を200年ぶりに現代に復活させ、臼杵の町おこしにつなげようと取り組んでいる陶芸工房「USUKIYAKI研究所」を訪れ、宇佐美裕之・代表取締役の案内のもと、複数の職人が作業する工房内を視察しながら事業概要の説明を受けました。記者は、職人たちの作陶の様子を撮影しながら、購買層や、職人の人材確保について質問、宇佐美氏は、現在の同社の職人には移住者が多いとし、今後は地元・臼杵市出身者の活躍にも期待したいと語りました。
<臼杵市・二王座の町歩き>
城下町特有の面影が残る「二王座」地区を、臼杵町並み観光案内ガイドの古谷美和氏とともに散策しました。臼杵城跡を出発し、二王座の目抜き通りである八町大路や、歴史的な古民家や寺院が連なる石畳小道を視察した記者一行は、伝統的な街並みを盛んに写真に収め、臼杵の歴史に想いを馳せました。
<カニ醤油・小手川酒造>
1600年創業で臼杵の醸造文化のルーツである味噌・醤油の蔵元「カニ醤油合資会社」で、可児明子氏から、400年以上続く長寿企業である同社の歴史や、店内に並ぶ様々な商品の特徴などについて聞きました。記者は、趣のある店舗の外観を撮影するほか、名物の味噌ソフトクリームを堪能したり、看板商品を購入するなどしていました。
1855年創業の日本酒と焼酎の蔵元「小手川酒造」では、支配人の峯勝義氏から、昔ながらの焼酎づくりについて説明を受けた後、焼酎を年代ごとに貯蔵する大甕や木樽蒸留器を撮影。記者からは醸造の秘訣などについての質問があり、取材後のこだわりの地酒や焼酎の試飲では、その味わいの深さに感嘆していました。
【2日目】
<野外劇場「TAOの丘」>
「DRUM TAO」の常設劇場である「TAOの丘」を訪れ、煌びやかなステージ衣装が並ぶ中で元DRUM TAOメンバーでTAO文化振興財団の森藤麻記・専務理事から、コロナ禍でのDRUM TAOの活動、ハイクオリティなパフォーマンスのためにメンバーが行う日々のハードなトレーニング、森藤氏の現役時代のエピソードを聞きました。その後、大自然が一望できる標高1,036mの「天空の舞台」で約10分にわたり行われた力強い和太鼓の演奏を間近で見学し、その模様を撮影しました。
<クアパーク長湯>
昼食会場の「クアパーク長湯」の鎌田剛誠支配人から、クアパーク長湯のコンセプトや施設概要について聞いた後、地元の食材をふんだんに使用した昼食を楽しみました。記者からは、地熱資源が豊富な大分県における温泉地と地熱発電の共存などについての質問があがりました。
<九州電力八丁原地熱発電所>
九州電力八丁原地熱発電所を訪れ、併設の展示館で梅野丈二店長から発電所の概要について説明を受けた後、ガイドの案内で発電所内を視察し、記者は予定時間を超えて各設備を熱心に撮影していました。記者からは地熱発電の普及に向けた課題や導入のメリットなどについて質問があり、梅野店長は、事業に対する地元の理解を得るために住民に丁寧な説明を行い、入念な地質の調査を経て着工していることなどを説明しました。
<大林組・地熱発電利用グリーン水素製造プラント>
株式会社大林組が九重町に建設した水素製造プラントでは、地熱発電の電力で水を電気分解して製造したグリーン水素を複数の需要先へ供給するまでの、日本初となる実証実験が行われています。記者たちは、山中に整備されたプラントを訪れ、大林組の長續仁志氏から施設や実証実験の概要、地熱を利用したグリーン水素の可能性について説明を受けました。記者からは、グリーン水素事業の採算性や実用化に関する質問があがりました。
◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)
DPA (ドイツ)
12月10日「地獄の料理-電気もガスも使わない日本料理」
12月10日「和太鼓グループ『DRUM TAO』がドイツに再上陸」
12月19日「福島原発事故があっても、日本は原子力を『最大限』使いたい」
Stars and Stripes Pacific(米国)
12月9日 「動画:冬の光のワンダーランドを求めて、大分市に出かけよう」
12月16日「動画:DRUM TAOが大分の天空でビートを刻む」
2023年1月5日 「動画:300年続く伝統的な茅葺き小屋で治療用焼結剤を製造」
2023年1月12日「動画:美しい城下町とユニークな美食の伝統」
2023年1月23日「動画:大分の名湯に浸かり、ひょうたん温泉やクアパーク長湯で湯けむりを楽しむ」
2023年2月9日 「動画:クリーンエネルギーを送り出す大分県の地熱発電所」
2023年3月9日 「動画:自然や持続可能な文化で知られる温泉の都」
新華通信社(中国)
12月11日「エコノミック・ウォッチ『日本の温泉県、地熱エネルギーに大きな期待』」
台湾TV(台湾)
12月22日「日本最大の温泉街! 九州別府は硫黄の蒸気が充満している」
12月29日「日本は『地熱発電』で10年後に発電量2.5倍を目指す」
ベトナム通信社(ベトナム)
https://bnews.vn/nhat-ban-thu-nghiem-san-xuat-khi-hydro-sach-tu-dia-nhiet/271954.html
(12月15日)
(12月15日)
https://vnews.gov.vn/video/nhat-ban-thu-nghiem-san-xuat-khi-hydro-sach-tu-dia-nhiet-63285.htm
(12月15日)
(2023年1月15日)
(2023年1月15日)
https://vnews.gov.vn/video/du-lich-noi-dia-nhat-ban-hoi-phuc-manh-nho-ho-tro-chinh-phu-66976.htm
(2023年1月16日)
AFP 通信社(フランス)
2023年3月14日「蒸し料理:日本の温泉で料理」