プレスツアー(報告)

一覧に戻る

実施日 : 2021年10月25日 - 26日

報告:知られざる「焼酎文化」を世界へ、宮崎プレスツアー

投稿日 : 2021年11月10日

乾杯のお酒は日本酒でもビールでもなく「焼酎」、6年連続で焼酎出荷量日本一の宮崎県。それぞれの地域の気候・風土に即して、芋・米・麦・そばなど多彩な原料で焼酎が造られているのが特徴で、ワインのように焼酎のテロワールを堪能できます。

 

今回のツアーには、フランス、香港、シンガポール、台湾、米国のメディアの記者7名が参加。原料のさつま芋が収穫される秋にしか見られない芋焼酎の仕込みなどを取材し、海外ではまだ知られていない焼酎の魅力に迫りました。

(主催:宮崎県/企画運営:公益財団法人フォーリン・プレスセンター)。

 


 

【1日目】

柳田酒造合名会社(都城市)

120年続く老舗で麦や芋を原料に焼酎を作り続ける「柳田酒造」。5代目の柳田正(やなぎた・ただし)代表から、エンジニアの職を辞して家業を継ぎ、焼酎造りにかける思いや、海外市場向けの商品開発等について聞きました。原料や蒸留方法による焼酎の味の違いを体験(試飲)した後、甘い香りが漂う蔵の内部の視察では、蒸しあがったばかりの原料の芋を試食したほか、仕込んだばかりの芋焼酎の「二次もろみ」がタンク内でポコポコと活発に発酵している様子を見学。記者からは、輸出拡大への取り組みやコロナ禍による影響についてなど、様々な質問が出ました。

 

  

 

 

ミートツーリズム(都城市)

肉用牛、豚、鶏の合計産出額日本一を誇る都城市は、特産品「肉と焼酎」を観光の目玉にして誘客する「ミートツーリズム」推進事業を展開しています。霧島のふもとの旅館「常磐荘」でブランド牛など都城自慢の肉料理を味わった後、都城市みやこんじょPR課から、肉と焼酎のふるさと・都城の魅力や「ミートツーリズム」について説明を受けました。

 

         

 

 

渡邊酒造場(宮崎市田野町)

焼酎づくりは畑から始まるとして、自家栽培のさつま芋を主原料に家族で焼酎を醸し続ける渡邊酒造場4代目の渡邊幸一朗(わたなべ・こういちろう)代表の案内で、蔵の内部や、収穫がピークを迎えたさつま芋畑を見学しました。渡邊代表が「この土地、この環境に依存した焼酎づくりをしている」として、天然の酵母を活かすため原料のさつま芋には少し土がついた状態で仕込むことなどを紹介すると、記者たちは強い印象を受けた様子でした。渡邊代表は、焼酎の廃液を100%リサイクルし畑の肥料などに使う循環型の焼酎造りにも早くから取り組んでいることも紹介。記者からは地球温暖化が「環境に依存した焼酎づくり」に与える影響などについて質問が出ました。

 

  

 

 

2日目】

南郷町目井津港(日南市)

その日に水揚げされた魚が並ぶ魚市場を訪れ、活気ある「競り(せり)」を見学し、記者たちは盛んにカメラのシャッターを切っていました。その後、南郷町商工会顧問の鬼塚俊六(おにつか・しゅんろく)氏から、漁獲量日本一の日南のカツオ一本釣り漁業について、実際の漁具を見ながら説明を受け、一本釣り漁の様子をVR(バーチャルリアリティ)ゴーグルで体験もしました。日南のカツオ一本釣り漁業は、漁獲効率よりもカツオ資源を守ることを優先した、300年の歴史をもつ伝統漁業で、2021年2月には「日本農業遺産」に認定されています。

 

   

 

 

古澤醸造合名会社(日南市)

5代目の古澤昌子(ふるさわ・まさこ)代表の案内で、麹室(こうじむろ)や、大きな土甕が並んだ仕込み蔵など、県内唯一の「土蔵造り」の蔵で続けられている昔ながらの焼酎造りを見学しました。古澤代表は、できる限り機械に頼らず、その年の気候など自然と対話しながら手造りしているのが自社の特長だと説明。その一方で、近年は日南でも夏に35℃を超える真夏日を記録するなど気温が上昇しており、昔ながらのやり方をいつまで続けられるかは分からないとも打ち明け、記者たちは気候変動が与える影響にも関心を寄せていました。最後に、焼酎の熟成度合いによる味の違いを飲み比べるとともに、日南の郷土食との組み合わせ(ペアリング)を体験。古澤代表が全国で数少ない女性杜氏であることに関連した質問もあがりました。

 

  

 

 

井上酒造株式会社(日南市)

蔵の敷地内に湧き出す「宮崎の名水21選」に選定された名水を仕込みに使用している井上酒造。製造課の米良雅博(めら まさひろ)課長の案内で、原料となるさつま芋を1日あたり約8トン加工処理できる醸造所内を見学し、同社が他社に先駆けて開発した「減圧蒸留」の技術や、海外市場への展開などについて説明を受けました。続いて、井上酒造が名水を使って約10年前から取り組んでいるチョウザメの養殖についても取材し、2千匹以上のチョウザメが飼育されている養殖場を見学。チョウザメの生育期間や養殖の方法などについて説明を受けた後に、同社が製造販売する「日南発キャビア」や「キャビアフィッシュの燻製」と焼酎との組み合わせも体験しました。

 

   

 

 

城下町・飫肥視察(日南市)

九州の小京都と呼ばれる飫肥では、歴史ある邸宅を利用した食事処「服部亭」で、美しい日本庭園を眺めながら美味しい郷土料理の昼食を味わいました。その後、日南市観光・スポーツ課の案内で、飫肥を代表する観光スポットである武家屋敷「豫章館」と飫肥城址を視察。さらに、焼酎を飲みながら楽しむ娯楽として飫肥で古くから親しまれ、日南市の無形文化財にも登録されている「四半的(しはんまと)」弓道についても取材。記者たちも体験しましたが、的に当てるのがなかなか難しく、真剣な面持ちで何度もチャレンジしていました。

 

  

 

鵜戸神宮(日南市)

最後の訪問地である鵜戸神宮は、太平洋に面した岬の自然の洞窟の中に、朱塗りの色鮮やかな本殿が鎮座する神社です。権宮司の中武信明(なかたけ・のぶあき)さんの案内で本殿を参拝し、神宮の由来である神話などについて説明を受けました。記者たちは、日南海岸の青い海と断崖絶壁を背景にして朱塗りの門や橋が映える美しい景観を、熱心に撮影していました。

 

  

 

◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)

 

Stars and Stripes(米国/新聞)

11月4日「Visit the mythical birthplace of the father of Japan’s first emperor in Miyazaki prefecture(宮崎県にある初代天皇の父の神秘的な生誕地を訪問)」

11月4日「Eat like a samurai at Obi Hattori-tei in Japan’s Miyazaki prefecture(宮崎県の飫肥 服部亭でサムライのように食事)」

11月26日「Take a tasting tour of Japanese shochu distilleries in Miyazaki prefecture(宮崎県の蔵元で日本の焼酎を味わうツアーに参加)」
11月26日「Taste pole-fished bonito on Kyushu island in Japan’s Miyazak prefecture(宮崎県で九州の1本釣りかつおを味わう)」

聯合早報(シンガポール/新聞)

11月21日「国际特稿:酒庄革新守祖业 日本酒越酿越醇(ワールド特集:酒蔵の革新が家業を守る 日本の酒は醸すほどに美味しくなる)」

 

The Japan Times(日本/新聞)

11月20日「Miyazaki distiller sees the potential in hyper-local, sustainable shōchū(宮崎の蔵元は超地元密着の持続可能な焼酎に可能性を見出す)」

 

福建日報東南網(中国/ネット)

11月3日「探访日本烧酒制造企业——日本九州宫崎县渡边造酒场(日本の焼酎製造企業を訪ねる―九州・宮崎県の渡邊酒造場)」

11月4日「走向海外的日本烧酒——探访日本九州宫崎县柳田酒造(日本の焼酎が海外へ-九州・宮崎県の柳田蒸留所を訪ねる)」

11月5日「女性酿酒师的一片天——探访日本九州宫崎县古泽酿造合名会社(女性杜氏が輝く場所―九州・宮崎県の古澤醸造を訪ねる)」

11月8日「好水酿好酒——探访日本九州宫崎县井上酒造株式会社(良い水が良酒を醸す―九州・宮崎県の井上酒造を訪ねる)」

 

百度視頻(中国/ネット)
11月16日「日本夕阳工业的烧酒,如今完美登上大雅之堂,究竟怎么做到的?(日本の斜陽産業だった焼酎が、今や完璧なまでの大活躍。どうやったのか?)」

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信