プレスツアー(報告)

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実施日 : 2011年10月06日 - 07日

報告:山陰プレスツアー(2011年10月6-7日)

投稿日 : 2013年08月24日

 秋晴れのさわやかな天候に恵まれた山陰地方へのプレスツアーには、中国、台湾、バングラデシュ、スペイン、レバノン、UAEのメディアから8名の特派員が参加しました。1日目の島根県では、古事記編纂1300年と出雲大社の「平成の大遷宮」で改めて注目される歴史文化の継承に焦点を当てました。二日目の鳥取県では、国立公園大山の豊かな自然と水資源を生かした地域活性化の動きを探りました。

 

島根県
img4ea610e444192 来年の古事記編纂1300年を機に、島根県では「神々の国しまね」プロジェクトを推進しています。県では人口減少と若者の県外流出が進む中、雇用確保の観点で観光を重要な産業と位置づけ、2010年からの5年間で観光客を500万人増加させる計画です。その中心となる出雲大社を訪問した参加記者は、禰宜の西村健総務部長から神社の由来や60年ぶりとなる「平成の大遷宮」の作業について説明を受けました。西村総務部長は、全てのものへの畏敬の念が薄れ人々が傲慢になった結果として先の原発事故もあるのではないかとし、謙虚であることの大切さを説きました。その後記者は、覆いで囲われた本殿の中へ移動し、大屋根の葺き替え作業を視察しました。現場では、西日本各地から集まった屋根葺き職人を束ねるベテラン職人の西裕之さんから作業について説明を受けました。西さんが竹の釘を数十本口に含み、次から次へと檜の皮を屋根に打ち付けるデモンストレーションは圧巻で、その様子に記者は盛んにシャッターを切っていました。

 

 昼食時には出雲大社の門前町である神門通りを訪問しました。“シャッター通り”となりつつあったこの通りを甦らそうと様々なイベントを企画するなど奮闘する「神門通り甦りの会」の渡部稔さんと多々野光教さんから、商店街の再生にかける思いを聞きました。

 

 

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 雲南市に移動した記者は、島根県で盛んに行われている子ども神楽を取材しました。古民家を移築して神楽舞台として使われている神楽の宿で、地元の海潮中学校の神楽部の生徒13名によるヤマタノオロチ退治を題材とした舞台を鑑賞しました。その後、生徒たちにインタビューした中国の記者は、中国の伝統芸能である京劇よりも若者はジャズやロックに興味があるとし、神楽を継承しようとしている理由やその背景について盛んに質問していました。

 

 

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 島根での取材の締めくくりに、溝口善兵衛知事にインタビューしました。溝口知事は、島根県は最も場所が分からない県として有名であるが、豊かな自然、文化・伝統、地域社会の維持という三つの特徴があるとし、地域の観光資源を活用して豊かな島根を作っていきたいと豊富を語りました。記者からは、外国人観光客の増加傾向、島根県の主要な産業、海外での観光キャンペーンなどについて質問が出ました。

 

 鳥取県

 

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 2013年にエコツーリズムの国際大会の開催を計画している鳥取県。大会の主会場となるのが、今回のツアーで訪問した大山を中心とした県西部です。記者はまず、大山ふもとの伯耆町福岡地区を訪れました。人口180人の過疎の集落で高齢化率は45%。大山の豊かな水を利用した「どぶろく」と「かあちゃんそば」で地域の活性化を図っています。かつて小学校の分校であった場所は、農家食堂とどぶろく醸造場として生まれ変わり、県外からもリピーターが訪れるほど注目を集めています。運営会社である株式会社上代の住田圭成代表取締役は、これまでの取り組みについて説明、後継者の育成が大きな課題であるとし、「生きている我々が、地域に愛着を持つ若者を育てるためがんばりたい」と決意を語りました。記者からは、経営体制や収益状況、客のターゲット、自治体からの助成などについて多くの質問が出ました。

 

 

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NPO大山中海観光推進機構(大山王国)は、同じ文化圏である島根県東部と鳥取県西部の広域エリアを対象に、行政の枠を超えて、自然や歴史・文化などの情報を積極的に発信しています。同機構の石村隆男理事長は、大山のブナ林と水ビジネス、豊かな自然環境と信仰の対象としての大山などについて説明、「日本で一番人口が少ない地域がようやく注目される時代がやってきた」とし、大山の水で人々を元気にする「大山水の力プロジェクト」を推進していきたいと述べました。

 

 

 

 

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ツアーの最後に、大山の大自然を生かしたエコツアーを体験しました。一行は大山寺本堂からブナの森や清流を抜けて圓流院まで散策しました。ブナの森ではブナの高い保水性や枯葉が堆積してできた土壌などについて説明を受けました。また、圓流院は、地元境港市出身の漫画家、水木しげる氏の妖怪画が天井一面にはめ込まれていることで知られており、新たな観光スポットとなっています。その後、記者は自転車で大山中腹を一気に下るダウンヒルサイクリングを体験、山麓の自然を満喫しました。台湾からの参加記者は、日本に何度か来たことのある観光客にもこうしたエコツアーは知られていないとし、新たな観光資源としてアピールできる可能性を指摘していました。

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