プレスツアー(報告)

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実施日 : 2019年05月23日 - 24日

報告:第3回茨城プレスツアー

投稿日 : 2019年06月05日

20196月に茨城県つくば市で開催される「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」の開催を前に、茨城県の魅力を世界に発信するためのプレスツアーが行われました。3回シリーズの最終回となる今回のツアーには、中国、香港、シンガポール、インド、ドイツ、ベトナムのメディアに日本で発行されている英字紙を加え、計10名の記者が参加。日本の科学技術の研究開発の中核を担うつくばで最先端の取り組みを取材しました。

 

◎このプレスツアーの取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。

 

1日目】

 

<株式会社ミライセンス>

バーチャルリアリティー(VR)の普及とともに課題となってきた「見えるのに触れられないもどかしさ」を解消する世界初の「3D触力覚技術」を発明し、実用化に取り組む産総研発のベンチャー企業を取材しました。指先に伝わる特殊な振動によって「脳を錯覚させる」この技術は、小さなデバイスに触れるだけで、何もない空間に、まるで手を引っ張られたり、ベトベト、ザラザラした表面に触れているような感覚が得られるというものです。テレビゲームのコントローラーへの導入や、医療現場での手術シミュレーションなどへの応用が期待されています。実際にデバイスに触れて技術を体験した記者たちは、その「リアルな」感覚に驚き、実用化への展望、再現できる触覚の種類、この分野における技術開発の速度に対する評価などについて次々に質問をしました。

 

 

<株式会社ワープスペース>

筑波大学発のベンチャー「ワープスペース」は、これから本格化していく人類の宇宙における様々な経済活動を安定した通信インフラによって支えようとしています。記者は同社を訪れ、これまで宇宙通信用の基地局が少なかった南半球等に小型の基地局を多く設置する、わずか10センチ四方の小型通信衛星を数多く運用する、といった事業内容について説明を受けました。小型通信衛星の模型や、ワープスペースが入居する建物の屋上に設置された小型基地局の撮影も行いました。記者からは、5Gの超高速通信の時代に小型通信衛星を運用する目的、宇宙空間をめぐる各国の覇権争いや安全保障との関係などについて質問があがりました。

 

 

<国立研究開発法人 物質・材料研究機構>

物質・材料研究機構は、光や磁石などに反応して形や機能を変える素材「スマートポリマー」の医療への応用に取り組んでいます。取材では、高額な抗がん剤を使わなくても患部に貼り付け磁場を当てるだけでがん細胞を死滅させる「抗がんメッシュ」、インフラが整っていない状況でも尿毒素を吸着するスマートポリマーを使い簡単に血液透析治療が受けられる装置など、最先端の研究を取材しました。同研究の第一人者は「世界70億人のうち50億人は12ドル以下で生活をしている。ティッシュペーパーのような紙きれであるポリマー1枚で、誰もが医療を受けられるようにしたい」と語り、記者からは取材後、「人類の未来に希望を持てる技術だ」といった感想が聞かれました。

 

 

 <株式会社LIGHTz

株式会社LIGHTzは、「スペシャリスト」、「レジェンド」と呼ばれるような人たちの思考をAI化することで、その蓄積や継承を可能にするシステムの開発に取り組んでいます。ツアーでは筑波大学の体育館を訪れ、特にそのシステムのスポーツ分野(バレーボール)への応用について取材。データの蓄積により作りあげたAIによって、選手たちがあるプレーをしたときに頭の中で何を考えていたのかを分析できる仕組みや、試合前のシミュレーションへの活用などについて説明を受けました。取材にはこのシステムの開発に協力している筑波大学女子バレーボール部の監督も同席し、記者からは、相手選手の動きなど要素が複雑に絡み合うスポーツの分野におけるAIの実用性や、AIの利用によるチーム成績への影響などについて質問がありました。

 

 

2日目】

 

<PLIMES株式会社>

正しく嚥下が出来ているかどうかをAIで測定する嚥下計測器「GOKURI」を開発したPLIMES株式会社の取材で、GOKURIを導入している高齢者施設(ケアハウス ゼーレ)を訪問しました。PLIMES株式会社から飲み込みの失敗によって引き起こされる誤嚥性肺炎が高齢者の死因の多くを占めている実態や、そうした問題を解決するために開発されたGOKURIの仕組み、今後の事業計画などについて説明を受け、入居者による嚥下測定のデモンストレーションを視察しました。また、施設の理事長からGOKURIの導入経緯や感想、今後の期待などについても聞きました。記者からは、GOKURIの導入による高齢者の健康状態の変化、海外展開に向けた展望や輸出規制との関係など、数多くの質問が挙がりました。

 

 

<すぎのや>

北関東を中心にうどん・そばなどの和食メニューを展開する茨城のレストランチェーン「すぎのや」の店舗を訪れ、同社が昨年から取り扱いを開始した嚥下食を取材しました。すぎのやからは、茨城県言語聴覚士会と共に嚥下食の開発を行った経緯や嚥下食の対象者、調理方法などについて説明があり、「施設に入居する高齢者にとって外食は大きな喜び。食べやすさだけでなく、見た目も工夫している」などといった話が聞かれました。記者は「刺身和食定食」と「和風ハンバーグ定食」を試食しました。

 

 


 

<茨城県知事>

茨城県庁を訪れ、大井川 和彦 茨城県知事に最先端技術の革新をリードする県のビジョンや、G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合への抱負について聞きました。ベンチャー企業が安定して事業展開できる環境づくりについて紹介があったことから、記者はそうした企業が成長するにあたって障壁となっている事、IT企業の役員を務めた経験を持つ知事として解決したいと思っている問題、知事が個人的に注目している科学技術分野などについて質問した他、G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合の開催地として海外の人々に是非見てもらいたい県の魅力などについて質問しました。取材の前には、茨城県が生産量日本一を誇るメロンの提供があり、イバラキングメロンなど旬を迎えた3種のメロンを試食させてもらいました。

 

 

 

<筑波大学デジタルネイチャー研究室>

先進技術を搭載した電動車いすテレウィールチェアを開発した筑波大学デジタルネイチャー研究室を訪問し、開発者の学生に話を聞きました。高齢化を背景に、介護者の負担を軽減しようと人間知能と人工知能を組み合わせて作られたテレウィールチェアのコンセプト、遠隔操作や画像認識による自動停止機能などといったテレウィールチェアの特徴、介護施設でのデモの様子などについて紹介がありました。記者からは、実用化の目途、どのような状況での活用を想定しているか、一度に連携操作可能な車いすの台数、操作する側が配慮しなければならない点、今後解決しなければならない課題などについて質問が挙がりました。

 

 

◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)

 

思考香港(香港/ネット)
6月6日 東京觀察/茨城縣希望與香港、澳門建立通道

   (東京天文台/茨城県は香港とマカオとのチャンネルの確立を望む)

 

The Japan Times(日本/新聞)
6月7日 Japan startup believes its cheap, light 'touchable' 3D tech could transform everything from VR to shopping(日本のスタートアップ、軽くて安い「触れる」3D技術がVRから買い物まで全てを変えると確信)

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