プレスツアー(報告)

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実施日 : 2018年02月21日 - 22日

報告:福島プレスツアー(その2)

投稿日 : 2018年03月19日

2018年2月21-22日、東日本大震災から間もなく7年を迎える福島県へのプレスツアーを実施しました。

本ツアーには、フランス、ベルギー、ドイツ、スイス、英国、台湾、ベトナムのメディアから7人の特派員が参加しました。

※本プレスツアーは、福島県主催、フォーリン・プレスセンターの協力で行われました。
※ツアー案内はこちら
※参加記者による報道はこちら

 

 

◆1日目

 

福島県環境創造センター交流棟(コミュタン福島)

福島県環境創造センター交流棟は、放射線に関する基礎知識や福島の環境の現状を展示や映像を通して来場者に伝える施設。展示のうち、放射線と除染に関する基礎知識、震災直後と現在の放射線量を比較したものを中心に説明を受けた後、福島県全体の復興現況について聞きました。

記者からは、家屋一軒の除染に必要な日数や農産品に対する放射性物質検査の詳細、震災後7年間で検査方法に変化はあったかなどの質問が出されました。

 

 

株式会社福島ガイナックス

福島ガイナックスは、「新世紀エヴァンゲリオン」等の人気作を手掛けてきたアニメ制作会社ガイナックスの関連会社として2015年4月に三春町に設立されました。福島県出身の浅尾芳宣社長の案内でミュージアムの展示を視察後、新たな拠点に福島県を選んだ理由などについて聞き、20-30代の社員へのインタビューを行いました。

若手社員に対しては、福島県内で就職することへの周囲の反応や勤務開始からこれまでの間に起きた地域の変化などを問う質問が出されました。

 

 

仁井田本家

仁井田本家は震災前から農薬や化学肥料を使わずに育てた自然米100%で日本酒を造ってきました。現在では、風評に苦しむ県内の農家と協力して酒米の生産から関わり、県産米を使用した酒造りをしています。社長で杜氏の仁井田穏彦氏に酒造りへのこだわりを聞いた後、酒蔵へ場所を移し、醸造タンクでの仕込みの様子等を撮影しました。

記者からは、風評の払拭のために実施している具体的な取組み、震災後に商売を諦めようと思ったことはあるかといった質問が出されました。

 

 

大熊町

全町避難が続く大熊町を訪れ、町職員から町の現状や復興計画について聞いた後、町役場の元職員6名で構成される「じじい部隊」の案内で町を視察しながら、日々のパトロールの流れについて説明を受けました。また、大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所も訪問しました。

記者からは、避難先から大熊町まで毎日通ってボランティアを続けることへのじじい部隊の想い、メガソーラー発電終了後の土地の活用方法などを聞く質問が挙がりました。

 

 

 

◆2日目

 

株式会社ワンダーファーム

ワンダーファームはトマトを栽培する植物工場やそこで収穫されたトマトを食せるレストラン、トマトの加工品を販売するショップなどからなるトマトのテーマパーク。元木寛社長に開園のきっかけや取引先などについて聞いた後、トマトの栽培工場とショップを取材しました。

記者からは、福島県の農家であることにデメリットを感じることはあるか、TPPに対する見解、今後の事業の展望などを聞く質問が出されました。

 

 

浪江町

浪江町は帰還困難区域を除いて最も最近避難指示解除となった地域の一つ。沿岸部の帰還困難区域を通る国道6号線を北上し、住宅や店舗にバリケードが施されている様子を車窓に見ながら浪江町に入りました。

町職員の案内で、高台にある大平山霊園、津波の被害を受けた沿岸部の請戸地区と同地区の漁港を訪れた後、2016年10月に営業開始した仮設商店街「まち・なみ・まるしぇ」で弁当や家庭料理を提供している「キッチン・グランマ」の渡邊りえこ代表に話を聞きました。

記者からは、請戸地区の住民数の変化、水揚げされた魚介の流通の現状、避難先から通いながらキッチン・グランマを運営する想いなどについて質問が出ました。

 

 

株式会社菊池製作所福島工場

菊池製作所は飯舘村出身の社長が率いる創業40年以上の金型メーカーで、震災で一時避難区域となった飯舘村にある福島工場は、震災後も止まることなく生産を続けてきました。記者は、震災当時の様子の説明を受けた後、同社の原点とも言える足踏みでプレス加工を施す機械を使った作業の様子など工場内を撮影しました。また、震災直後も工場の操業を継続した当時の気持ちや避難先から飯舘村に戻ることへの不安などについて聞きました。

 

 

 

◆参加記者による報道

 

このプレスツアーに基づき、参加記者が各国で報道していますので、その一部を紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)。

 

2018年2月24日 Le Soir(ベルギー・新聞) 「地域復興の「天使たち」の取組」

http://plus.lesoir.be/archive/d-20180223-3KRQJA?referer=%2Farchives%2Frecherche%3Fdatefilter%3Dlastyear%26sort%3Ddate%2520desc%26word%3Dfukushima

 

2018年3月9日 The Guardian(英国・新聞) 「誰も帰らない町:福島のコミュニティは存続のために闘っている」
https://www.theguardian.com/environment/2018/mar/09/fukushima-communities-struggling

 

2018年3月10日 Vienam News Agency (ベトナム ・通信社)3月10日18:00のニュース番組内「災害からの復興」
http://vnews.gov.vn/ban-tin-thoi-su-18h-ngay-10032018-0

 

2018年3月11日 SRF (Swiss National Public Radio and TV)(スイス・テレビ)「福島は評判のために闘っている」
https://www.srf.ch/news/international/akw-katastrophe-fukushima-kaempft-um-seinen-ruf

 

2018年3月11日 三立新聞網(台湾・WEB)「 「救助の丘」到達前に海にのまれた…福島の傷跡は放射線より消し去るのは難しい」 

https://www.setn.com/News.aspx?NewsID=356357

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