実施日 : 2017年01月20日
報告:横浜市・若葉台団地プレスツアー
投稿日 : 2017年01月30日
人口減少・超高齢化が進む大規模団地である横浜市北西部の旭区にある若葉台団地を訪れ、課題に対応しつつ、若い世代にも住みやすい団地づくりのため、住民、NPO、管理会社、行政が一体となって実施している様々な取り組みを取材しました。
本プレスツアーは横浜市主催、フォーリン・プレスセンター企画協力で実施され、中国、台湾、韓国、アラブ首長国連邦、英国、フランス、デンマーク、米国の8か国/地域から11機関12名の記者が参加しました。
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若葉台団地概略
一日の取材の導入として、横浜市建築局住宅再生課、旭区福祉保健センター、若葉台連合自治会、神奈川県住宅供給公社から、同団地における人口の推移、高齢化の現状、入居開始時の様子、住民の主体的参画によるまちづくり、2025年問題への備えや地域包括ケアシステム構築のための取り組みなどについて説明を受けました。
その後記者は、団地の中心部である商店街や緑豊かな公園が見渡せる地上13階建ての住居棟の屋上へ上がり、敷地の広さに驚きながら団地を撮影しました。
体験入居室
入居を検討している世帯に団地の一室を無料で貸し、住みやすさを実感してもらうために設けられた体験入居室を訪れました。部屋は、若い世帯の利用を想定してリフォームされており、記者は、リフォームが部屋や建物の耐震性に与える影響の有無、団地内の分譲と賃貸住宅の部屋の広さの違い、体験入居室の数などを質問しました。
わかば親と子の広場「そらまめ」
主に0-3歳の子とその親が集い、親同士の情報交換や、子育てアドバイザーへの相談ができる場として商店街の空き店舗にオープンした「そらまめ」を訪れ、利用者である若い母親2名に話を聞きました。記者は、保育園ではなく「そらまめ」を利用するメリット、日本で仕事と子育てを両立させることの難しさ、若葉台団地で子育てをすることの良さなどを質問しました。
コミュニティ・オフィス&ダイニング春
コミュニティ・オフィス&ダイニング春は、子育て世代の母親によるイベント企画などに活用されているスペースにレストランが併設されており、団地に住む女性たちが中心となって、家庭的な料理を提供しています。昼食をとった後、ダイニング春の立ち上げの中心メンバー二人にインタビューをしました。記者からは、メニューの決め方、自宅で一人で食事をとる高齢者をレストランに呼び込むための工夫、長年団地に住む間に見た団地の変化などの質問が出されました。
若葉台地域交流サロン「ひまわり」/訪問看護ステーション居宅介護支援事業所「あさがお」
「ひまわり」は、NPO法人若葉台が運営する高齢者向けの生活支援センター兼コミュニティスペースで、利用者は見守りサービスとして定期的な電話や訪問による安否確認を受けたり、買い物代行を依頼することができます。「あさがお」は団地内にある赤枝病院が運営し、住民に在宅での医療・介護サービスを24時間提供する拠点です。住民の生活や実施されている様々な取り組みに対する住民の見解に高い関心を寄せていた記者が多く、集まった住民10名弱に対し、「ひまわり」を利用する頻度やその良さなどについて質問が出されました。
横浜市若葉台地域ケアプラザ
育児や介護に関する相談窓口や通所介護施設(デイサービス)などを備えた横浜市若葉台地域ケアプラザを訪れ、デイサービス利用者によるレクリエーションや介護予防運動教室を取材しました。記者は、デイサービスや教室の利用・参加に対するキャンセル待ちの高齢者数、高齢者の増加による財源不足への懸念などについて質問をしていました。教室の参加者のほとんどが女性だったことを受け、男性の参加者に対し、同性へ参加の呼びかけの有無と呼びかけに対する反応などを聞いている記者もいました。
NPO法人若葉台スポーツ・文化クラブ
NPO法人若葉台スポーツ・文化クラブは団地のテニスコートや野球場などのスポーツ関連施設を様々な団体がスムーズに利用できるよう調整役を担ったり、運動会、マラソン大会など多数のイベントを企画して住民の交流の場を作っています。体育館を訪れ、卓球を楽しむ高齢者を撮影しました。ここでも記者は、より多くの住民の声を集めようと休憩の合間をぬって若葉台団地に入居を決めた理由、団地の住み心地などを質問していました。
まとめ(質疑応答)
最後に、横浜市、旭区、神奈川県住宅供給公社、NPO法人若葉台の各担当者とのツアー全体に関する質疑応答を行いました。記者からは、団地の活性化に取り組み始めた時期、住民や若い世代の増加目標人数はあるか、高層階に住んでいる人は孤立しやすいか、孤食している住民数、孤独死の件数など様々な質問が出されました。