プレスツアー(報告)

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実施日 : 2016年11月14日 - 15日

報告:高知プレスツアー

投稿日 : 2017年01月26日

2016年11月14日-15日に高知県を訪れ、地震・津波への備え、人口減少への挑戦、ものづくりのイノベーションをテーマしたプレスツアーを実施しました。同プレスツアーには、中国、台湾、香港、ベトナム、スイス、デンマーク、スペイン、アラブ首長国連邦の8カ国・地域から12名の記者が参加しました。

 

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津波避難タワー(大湊小南タワー)

 高知空港に到着した一行は、空港から車で20分の距離にある、津波避難タワー「南国市大湊小南タワー」を訪れました。これは、南海トラフ地震に備えて建設されたもので、記者は、南国市危機管理課係長の野村学氏の案内で3階建てのタワーを視察し、備蓄倉庫の構造、備蓄品や緊急時に簡易トイレや授乳室をつくるための間仕切り板、危険を知らせる半鐘などについて説明を聞きました。「津波避難タワー建設に対する地元住民の反応はどうだったか」かという記者からの質問に対し、野村氏は「避難しやすい場所はどこかを住民自身に話し合って貰って設置場所を決めたため、市内の全14基を早期に建設することができた。住民一人ひとりが高い防災意識を持つことが地震や津波による被害者数を減らすことができる」と、語りました。記者は津波避難タワー建設に係る費用や国や県の補助の有無、津波避難タワーを使った避難訓練の頻度や、14基で南国市民全員を避難させることができるのか、などの質問を挙げました。

 

 

 

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高知県庁

 高知県庁で尾﨑正直知事へのインタビューを行いました。知事は県の防災施策を紹介しながら、甚大な被害が想定されている南海トラフ地震に「備えることで被害を小さく出来る。あきらめずにあらゆる対策を講じていきたい」と語りました。また、知事は台風災害が多い高知の経験を逆手にとり、ノウハウを活かした防災関連産業の振興にも力を入れているとし、県内の優れた防災技術・製品の海外への売り込みについても紹介しました。最後に知事は同県黒潮町で開催予定の「世界津波の日」高校生サミットについて触れ、意気込みを語りました。記者は外国人向けの防災情報の提供や災害時の対応への工夫、高齢者の避難に対する特別な対応、防災関連製品の売り込みでターゲットにしている国や地域などについての質問を上げました。

  知事へのインタビューの後、記者は、危機管理部南海トラフ地震対策課の窪田佳史課長から南海トラフ地震による被害想定と対策についての詳しい説明を聞き、さらに商工労働部工業振興課の栗山典久課長から、県内の防災関連産業への支援として、県が製品を認定し、登録する制度について説明を受けました。また、昼食には高知県認定の黒潮町缶詰も試食しました。

 

 

 

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株式会社 技研製作所

 独自の「杭打ち」技術が各国で採用されている、高知県に本社のある建設機械メーカー、技研製作所を訪れました。総務部総務課の廣瀬大祐課長より、圧入によって地中に杭を打ち込む同社独自のインプラント工法について説明を受けた後、杭打ち機械「サイレントパイラー」や、実際に水の流れを起こして杭の強度をテストする実験設備「津波シミュレーター」、そして杭打ち技術を応用して開発された駐輪施設「エコサイクル」を撮影しました。最後に、北村精男社長へのインタビューを行いました。記者はこれらの技術を開発した北村社長の話を熱心に聞いた後、防災分野で高い技術力を持つ国はどこか、インプラント工法と従来の工法をコスト面で比較するとどちらが優位か、同社の工法は日本以外の国でも活用できるのかといった質問を上げました。

 

 

 

 

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ひだか和紙 有限会社

 厚さ0.02ミリの世界一薄い和紙を開発し、それが美術品や古文書の修復素材として国内外から注目を集めている、ひだか和紙有限会社を訪れました。冒頭、鎮西寛旨社長から0.02ミリの和紙の特性と古文書等の修復方法について説明を受けました。記者は、「西洋や他のアジアの紙よりも和紙が美術品の修復に優れている点はなにか」や「洋紙など違う素材で作られた美術品を和紙で修復しても大丈夫なのか」といった質問が挙がりました。鎮西社長は天然素材100%の和紙は耐用性が高く様々な美術品や古文書の修復に適していることを説明。今後は和紙を扱って文化財修復を行える人材を育成するための技術ワークショップを行い、日本国内外の専門家と協力していきたい、と語りました。その後、鎮西社長の案内で和紙製造の過程と作業の様子を取材しました。

 

 

 

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梼原町役場

 梼原町役場に到着した記者一行は、梼原町の空き家を活用した移住・定住促進施策、自然エネルギー活用、町の特色となっている隈研吾氏の建築物について、各担当者から説明を受けました。記者からは、町が改修した空き家を移住者が10年間利用できる仕組みに関するものなど、移住定住推進施策に関連した質問が多く出ました。その後、隈氏設計の町役場庁舎を撮影しました。

 

 

 

 

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小水力発電 

 自然エネルギーによる町づくりを取材するため、記者は、町の環境モデル都市推進室の十亀勇一郎職員の案内で、小・中学校や町の街灯に電力を供給している小水力発電所を訪問しました。周りの自然景観を保ちながらも6メートルの川の落差を利用した小水力発電所は迫力があり、記者は熱心に撮影したり、TVの現場レポートをしたりしました。

 

 

 

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 ゆすはらペレット工場

 梼原町森林組合の森山真二組合長の案内で木質ペレット製造工場を訪れ、製木材の端や未利用の木材を使って木質固形燃料(ペレット)の製造する過程を取材しました。記者は同工場の年間生産能力や梼原町の自然エネルギー自給率などについて質問をしたり、製造工場の様子を撮影したりしました。

 

 

 

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移住者の方への取材

 梼原町移住定住コーディネーターの片岡幸作氏の案内で、梼原町移住定住促進支援を受けて同町へ移住した、上田創平さん、大村太一郎さん、山口貴史・麻梨子夫妻にインタビューを行いました。大村氏と山口夫妻のインタビューは、それぞれが居住する梼原町提供の移住定住者支援住宅で行い、梼原町へ移住を決めた背景や現在の生活の様子などを聞きました。アウトドア製品の個人メーカー「if you have」を経営している山口夫妻へ、記者から「田舎だと商品の郵送や商品の出店などが、都会に比べて不利なのではないか」質問を投げかけたところ、山口さんは、全国一律の郵送費やインターネット環境が整っているために問題ないと回答。記者は、それぞれの仕事内容や梼原町への移住前後の働き方や生活スタイルの変化、地域になじむまでに問題はあったのかなどの質問を上げ、充実したインタビュー時間となりました。

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