プレスツアー(報告)

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実施日 : 2013年10月29日

報告:千葉県プレスツアー「植木職人、伝統の技で世界市場へ」(2013年10月29日)

投稿日 : 2013年11月01日

千葉県主催、FPCJ企画協力で千葉県匝瑳市でのプレスツアーを実施しました。本プレスツアーには、中国、台湾、フランス、スペイン、ブラジル、米国の6か国/地域から12名の記者が参加しました。

(ツアー案内はこちら

 

(1)千葉県の植木産業に関する概要説明

東京から千葉に向かった記者団は、まず八日市場植木組合事務所に到着。冒頭、太田安規 匝瑳市長および宇野裕 千葉県植木生産組合連合会会長から地元を代表して挨拶がありました。続いて、中野裕三郎 千葉県農林水産部生産販売振興課長より、千葉県の植木産業の現状や県による輸出促進事業などの支援策について説明がありました。さらに、輸出に向けて線虫を効果的に駆除する研究の成果について、加藤正弘千 葉県農林総合研究所センター主席研究員が説明。記者からは、日本の植木文化の発祥など歴史に関する質問や、千葉県が認定している「植木伝統樹芸士」の認定基準、輸出先国別の輸出高、重要な市場である中国との取引が政治の影響を受けているかなど多岐に渡る質問がありました。

 

(2)石橋農園 植木伝統樹芸士 石橋誠

記者団は、植木の価値を高める伝統の職人技を知るための一つ目の取材として、石橋農園を訪問しました。海外の日本庭園愛好家に植木の手入れに招かれたり、オランダの国際園芸博覧会の日本ブースでデモンストレーションを行ったりと、海外で積極的に職人の技術を紹介している石橋誠さんに話を聞きました。石橋氏は、ねじり鉢巻きに半纏、地下足袋という姿で記者団を迎えてくれました。石橋氏は、「本手入れ」と呼ばれる剪定の実演を披露。あいにくの冷たい雨の中でも素手で作業をする様子に、記者から「冬でも素手で作業をするのですか」という質問が挙がり、「親方の教えから、素手の感覚を頼りに木に触れている」との回答がありました。職人の心意気に、記者達もうなりました。

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(3)鵜殿造園 植木伝統樹芸士 鵜殿忠芳 さん

記者団は、職人技を知るための二つ目の取材として、鵜殿造園を訪問し、「ノミ入れ」という造形技術の実演を見学しました。木にノミを入れ、その割れ目から枝を曲げ、形を作っていく高度な技術を目の前で見ることができました。刃物が入っても木が折れることはなく、経験に裏打ちされた感覚で勝負する様子が伺えました。鵜殿さんが造形した植木の多くも輸出されているとのことでした。木を我が子のように大事にし、木と向き合う鵜殿さんの仕事ぶりを、記者達は熱心に撮影していました。

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(4)(有)共種園 社長 江波戸光一さん

記者団は、職人技の取材の後、植木の海外向け出荷量日本一を誇る、共種園 江波戸光一社長を訪問。検疫対策として根を洗浄する様子を間近で視察しました。クレーンで吊り下げられた状態の植木の根に、水が勢いよく噴射される迫力ある光景に記者達も驚きを見せていました。敷地内には盆栽も多く並んでおり、江波戸社長が「これは中国、これは台湾」と説明する様子からは、まさに世界を相手に商売をしている様子が伺えました。

 

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(5)(株)観賞園緑化「日本一のマキの木」/若手担い手

・(株)観賞園緑化 6代目 佐藤芳男さん(37歳)

・石橋農園 6代目 石橋年樹さん(19歳)

記者団は、(株)観賞園緑化を訪れ、千葉県植木銘木100選にも選ばれている樹齢500年を超えるマキの木を視察しました。また、地元の植木産業の若手担い手である佐藤芳男さんと佐藤洋一郎さんにお話を聞きました。海外輸出は好調でありながらも、依然として後継者不足の課題は残る植木産業。その道に敢えて進んだ佐藤芳男さんは「何代も続いてきた家業を自分の代で途切れさせるわけにはいかない」と力強くコメント。「日本の美しい植木をもっと広めたい」と国内・海外両方を相手に商売を広げることへの意欲を語りました。佐藤洋一郎 さんは、かつては植木産業に身を置くことに不安を抱きながらも「家業を継ぐ以外の選択肢は自分には見えなかった。輸出が好調な今、チャンスを生かし、工夫してやっていきたい」と展望を語りました。

 

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(6)打出農園の日本庭園視察

最後に記者団は、植木が効果的に配された打出農園の日本庭園を見学。敷地内に和風と洋風の家屋の両方があるこの農園では、それぞれにどのような植木が合うか、視覚的に比較することができました。

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