実施日 : 2013年09月11日
報告:地球深部探査船「ちきゅう」プレスツアー(2013年09月11日)
投稿日 : 2013年09月24日
FPCJでは、海底下7,000メートルという世界最高の掘削能力を持つ最新鋭の科学掘削船「ちきゅう」への視察ツアーを実施しました。プレスツアーには、中国、台湾、韓国、バングラディッシュ、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、スペイン、アラブ、米、英の12か国/地域から21名の記者が参加しました。(ツアー案内はこちら)
(1) 「ちきゅう」外観撮影・ブリーフィング
ツアーではまず、静岡県の清水港に停泊中の「ちきゅう」の外観を撮影。その後船内にて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の倉本真一氏より、「ちきゅう」の構造やミッション、「ちきゅう」が地震メカニズムの解明のために行っている南海トラフでの掘削調査などについて明を受けました。
(2) 船内施設
つづいて記者団は「ちきゅう」船内を視察。船長に操縦のデモンストレーションをして頂きながら、台風など荒れた天候の中でも船を一定の位置にとどめることのできる「船位保持システム」についてお話を伺いました。また掘削作業が行われるドリルフロアでは、数千メートルの掘削に使われる機材の性質や、南海トラフでの掘削作業の危険性について、記者から多くの質問が挙がりました。その後訪れた研究区画では、東日本大震災を引き起こした境界プレートで採取された実際の地質資料や、ラボで働く研究者の様子を撮影。大型のヘリコプターが発着できるヘリデッキでは、海面から120メートルの高さもある掘削やぐらをどうにかフレームに収めようと、どのメディアも工夫を凝らして撮影に臨みました。
(3)質疑応答
ツアー最後に行われた質疑応答では、南海トラフ地震発生帯掘削計画に期待される地震メカニズムの解明や、地震予知について質問が集中しました。「信頼性のある地震予知の実現は難しいのでは」という記者からの指摘に対し、倉本氏は、現段階では地震予知に必要なデータが不十分としなからも、「今回の発掘作業を通じて、地震のメカニズム可視化するいくつもの新しい発見があることを期待している。将来は天気予報程度の精度で地震予測を行うことを目指す」と述べました。