プレスツアー(報告)

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実施日 : 2017年11月13日 - 14日

報告:大分県プレスツアー(2017年11月13日~14日実施)

投稿日 : 2018年03月27日

大分県は近年、IoTや新たな産業分野であるドローンなど革新的技術の活用促進、情報産業を支える人材育成の強化など、西日本一の産業集積を目指しています。さらに、アジアで初めて開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会の試合会場は日本全国で12会場あり、大分は会場の一つに選ばれました。そこで取材テーマを次の3つに絞りプレスツアーを実施しました。本ツアーには、フランス、韓国、中国、香港の4カ国・地域から計6名が参加しました。

 

〇取材テーマ

・ラグビーワールドカップ2019

・大分県独自の第4次産業革命「Oita4.0」 ~西日本一の産業集積を目指す

・別府竹細工 ~高度な技術を集約した伝統工芸品と可能性の探求

 

※本プレスツアーは、大分県が主催、FPCJが企画運営しました。

※ツアー案内はこちら


<実施概要>

【1日目(大分市)】

(1) 広瀬 貞勝 大分県知事インタビュー


 

美しい自然、海や山の恩恵を受けた食、引き継がれる伝統文化、九州第2位の規模を誇る鉱工業生産などの大分の魅力、誘致に成功したラグビーワールドカップ20192018年に大分県で開催される国民文化祭や世界温泉サミットなどのイベントに外国人観光客や若者に来てもらうための工夫、さらに大分の温泉の特長について説明を聞きました。

 

 

 

記者からは、「ラグビーワールドカップを誘致した狙いは」「国民文化祭、ラグビーワールドカップと大きなイベントが続くが、県の予算で賄うには難しい点はないか」「竹工芸や焼き物など伝統工芸を若者に仕事にしてもらうために工夫をしていることは」など多岐にわたる質問が数多くありました。 


 



(2) 大分スポーツ公園総合競技場(大銀ドーム)


 

ラグビーワールドカップ開催まで676日となった日に訪問しました。開催に向けた準備状況、大会を盛り上げるためのイベント、PR計画などについて大分県ワールドカップラグビー推進室の中津留俊典参事から聞きました。また、立命館アジア太平洋大学(APU)の高橋怜奈マネジャーから大分県における女子ラグビーの取り組みについて聞きました。続いてスタジアムへ移動し、ロッカールーム、貴賓席を視察、また観客席やトラックから広いフィールドを視察しました。

 

 

質疑応答では、ラグビーワールドカップの誘致に反対の声はなかったかという記者からの問いに、中津留参事は「2002年に開催されたサッカーワールドカップの成功体験が、ラグビーワールドカップの開催に好意的な下地を作っている」と回答しました。

   

 

 

(3) 大分県産業科学技術センター

 

吉岡誠司センター長より、新たなビジネスの創出を目指す県独自の第4次産業革命「Oita4.0」の実現に向けた県の施策、 「Oita4.0」の策定に至った経緯、国の機関との連携について聞きました。また「Oita4.0」に後押しされて大分で起業したドローン開発国内大手・西日本クロノスの溝部弘之社長から、会社を設立した経緯や行政との係わり、ビジネスの拡大に向けた取り組み、海外との提携などについて聞きました。続いて記者たちはテストフィールドに移動し、溝部社長による新型ドローン「Poweregg」のデモ飛行を視察しました。ドローンが飛ぶ様子は、映像としても映えるものであったため、時間をかけて撮影していました。質疑応答では、吉岡センター長や溝部社長に対し、「ドローンビジネスの市場規模は」「日本のドローン技術は高いか」「中国のドローン産業、技術力の評価は」「ドローンが活用できるビジネス分野は何か」など熱心に質問していました。

 



2日目(臼杵市・別府市)】

(1) 臼杵石仏

 

神田高士文化財研究室長より、大分県は全国一の摩崖仏の数を有し、誰がいつ彫ったか確たる資料は見つかっていないが、1000年の風雪に耐え残り続け国宝に指定されているなどの説明を受けました。また、キリシタンと共存してきた臼杵の文化、歴史、思想についても話があり、記者は歴史的背景や、摩崖仏を彫った理由など熱心に質問していました。

文化財保存活用研究所の山路しのぶ代表より、岩肌は水分を多く含み柔らかいため、コケやシダが生えやすく、放置しておくと傷がついてしまうため、定期的な除去作業が必要で、湿気の少ない秋から冬にかけて岩に害を与えない紫外線をあてて、付着した植物を取り除く作業をしていることを聞きました。臼杵石仏で開発された技術であるという点は記者の関心をひきました。 

 

      

  

 

 

(2) おおいた留学生ビジネスセンター


人口あたりの留学生が日本で12を争う大分県に優秀な留学生が卒業後も留まり、活躍してもらうことで地方創生につなげる目的で設置されたおおいた留学生ビジネスセンターを取材しました。大分県国際政策課の眞名井哲也主幹より、APUの寮のワンフロアに設置されたセンターの設立経緯や、目指す成果についてブリーフィングを受けた後、おおいた留学生ビジネスセンターの永嶋昌子IM室長より、同センターがビジネスを始めたい現役留学生、留学生と一緒に起業したい日本人学生、元留学生、また、留学生との協働によるビジネスに関心のある企業等のマッチングを行い、相談や打合せの場となっている旨の説明を受けました。

 

 

また実際に起業し、マッシュルームスープの商品化に成功したAPUの韓国人留学生のソン・テナムさんをはじめ、中国産のカシミアのマフラーの輸入販売を検討している中国人留学生たちより、起業への道のりや将来の計画などについて聞きました。参加した韓国と中国のプレスは、自国からの留学生にそれぞれ個別にインタビューを行っていました。

 

    

 

 (3)大分県立竹工芸訓練センター



日本で唯一の竹工芸に特化した2年制の職業訓練校を取材しました。寒竹愼一課長補佐より日本全国から集まった20代から40代の学生が材料加工、様々な「編組」技術、染色、デザイン、そして販売の知識などを2年間で身につけることなどを聞きました。続いて教室に移動して、一本の竹から作品の材料をとる「材料取り」や、作品の「編組」を行っている1年生、オリジナル作品の製作に取り組む2年生を取材しました。

 

 

 

記者は、元薬剤師で39歳で入学した学生をはじめ前職がある学生たちに志望した動機、別府での生活、製作中の作品、そして卒業後の希望進路などを質問しました。記者たちは、分業化され高効率が求められる現代工業と違い、材料から最終工程まで一人の職人が一貫して製作する工程を非常に興味深く取材していました。

 

 


 (4)竹楓舎


埼玉県出身の大谷健一代表(一級竹工芸技能士)は、造園業に従事していた時に竹垣を製作した経験から「もっと繊細なものを作りたい」と2003年に大分県竹工芸訓練・支援センター(現・竹工芸訓練センター)の竹工芸科に入校し、竹細工職人の道に入りました。記者はその経歴や、卒業後も別府に留まり作品を製作している点に興味を持ち、別府での暮らしなどについて聞きました。また技を競い合い、教えあい後継者を育ていること、東京や海外の販路などについて聞きました。続いて「材料取り」の実演を見学し、「材料取りをマスターするまでに3年かかる」との説明に大変驚いていました。工房でざるやかごといった大谷氏の作品に触れ、その美しさや繊細な手仕事に感動した様子でした。記者からは、「大分の竹の特長は」「後継者はいるか」「販路は自分で開拓するのか」などの質問が飛び交いました。

 

 

 

 

★本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します★

 

 

SBSソウル放送(韓国/TV)

(1) APUビジネスセンターについて(2017年123日) 

http://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1004513316&plink=THUMB&cooper=SBSNEWSPROGRAM 

(2) 広瀬知事、竹工芸、摩崖仏について(2017年1213日)

http://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1004528186


中国国際放送局(中国/ラジオ)

「日本竹编工艺再受青睐 别府竹艺匠人接力传承」(2017年1125日付)

http://news.cri.cn/20171125/7f542abc-d047-733b-27e5-d210e0c02ad4.html


香港鏡報月刊・日中映像放送機構(香港/雑誌・映像制作)

土豆網   

http://compaign.tudou.com/v/822687996.html?spm=a2hzp.8244740.0.0&from=singlemessage&isappinstalled=0

愛奇芸 

http://m.iqiyi.com/w_19rwkirwwh.html?dummy=&wx_uid2=wxidoG0a9jriFHkhSvyVEGttnm9NTssc

二更影視平台

http://www.ergengtv.com/video/7162.html?from=singlemessage&isappinstalled=0

優酷 

http://m.youku.com/video/id_XMzI5MDc1MTk4NA==.html?spm=a2hzp.8244740.0.0&source=

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