記者招聘事業(報告)

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実施日 : 2015年10月20日 - 28日

APIC太平洋記者招待計画

投稿日 : 2015年11月24日

IMG_5780一般財団法人国際協力推進協会(APIC)の「太平洋記者招待計画」により、2015年10月20-28日まで、太平洋島嶼国(フィジー、マーシャル諸島、パプアニューギニア、トンガ、ミクロネシア連邦、ハワイ)から6名のジャーナリストが来日しました。太平洋地域の国々が抱える課題――資源エネルギー問題、災害、廃棄物処理、環境破壊、肥満など――の解決に貢献しうる日本の先進的な取り組みを取材するプログラムで、当センターはAPICの委託を受け、企画運営を行いました。

 

計9日間の取材プログラムのうち、東京では、外務省やJICAなどへの取材により日本と太平洋島嶼国との協力関係について理解を深めたほか、公立小学校における食育の取り組み、気象庁による津波・火山監視体制などを視察しました。また、日本の「里山・里海」における自然との共生について専門家から話を聞くとともに、東芝の水素エネルギー専用の研究開発拠点も訪問しました。

 

IMG_0178地方取材では、トヨタ自動車の本社があり環境モデル都市にも選ばれている愛知県豊田市で燃料電池車など環境に優しい未来型の暮らしを体感したほか、沖縄本島と久米島で廃棄物管理やエネルギー問題など「島」ならではの課題に対する優れた取り組みも取材しました。また、京都では寺院等の視察とともに着物での茶道体験も行い、日本の伝統文化への理解を深めました。

 

 

 

 

 

 

全体を通して記者たちが高い関心を示した取材テーマは、以下の2つでした。

 

IMG_0064①  持続可能な社会の実現に貢献する日本の先端的な取り組み

本プログラムに通底するテーマが、「持続可能性」でした。記者たちは、豊田市の「とよたEcoful Town(とよたエコフルタウン)」で目にした燃料電池自動車「MIRAI」や「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」などの最先端の環境技術、地域資源である海洋深層水の複合利用によりエネルギーと食料の完全自給を目指す久米島の取り組み、さらには2020年までに離島・遠隔地におけるエネルギーの地産地消を可能にすることを目指す東芝の水素エネルギー技術などについて、熱心に取材していました。

 

 

 

IMG_0113②  伝統的な日本文化

寺院等の視察と着物での茶道体験を終えた記者からは、「自分の文化に誇りを持ち、それをビジネスや雇用につなげることの大切さを学んだ」、「先端技術を誇る経済大国の日本が伝統文化を守っているのを見て、自国の急速な西洋化や伝統文化の衰退について考えさせられた」などの声が聞かれました。

 

 

 

 

 

 

プログラム終了後、記者からは、「どの取材も太平洋島嶼国が抱える喫緊の課題に密接に関係しており、極めて有意義な取材ツアーだった」、「政府だけでなく、民間セクター、NGOなど様々な分野の有識者への取材や文化体験などを通して、日本の今を取材することができ有益だった」などの声が聞かれました。

 

IMG_0118なお、参加記者は日本滞在中、プログラム・コーディネーターのタケウチ氏が中心となって毎晩ホテルでミーティングを持ち、その日の取材をどんな切り口から記事にするのか全員が発表し合った後、翌朝までに各自が必ず1本記事を執筆しました。その結果、このプログラムをもとに30本以上の記事ができあがっており、以下はその一例です。

 

http://www.mvariety.com/regional-news/81187-time-money-invested-in-alternative-energy-beginning-to-pay-off-in-japan

 

http://www.looppng.com/content/preserving-our-cultural-heritage

 

報道成果については別途ご報告致しますので、ご期待下さい。

 

<参加者>

【フィジー】Mr. Samisoni Pareti (Islands Business(アイランド・ビジネス紙) エディター)

【マーシャル諸島】Mr. Giff Johnson (Marshall Islands Journal(マーシャル・アイランド・ジャーナル紙) エディター)

【パプアニューギニア】Ms. Titi Gabi (LOOP PNG(ニュースサイト「ループ」) 編集長)

【トンガ】Ms. Linny Folau (Matangi Tonga(マタンギ・トンガ紙) フォト・ジャーナリスト)

【ミクロネシア連邦】Mr. Bill Jaynes (Tha Kaselehlie Press(カセレリア・プレス紙) 編集長)

【プログラム・コーディネーター】Mr. Floyd K. Takeuchi

 

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