実施日 : 2012年11月12日 - 12月20日
報告:報道関係者招聘事業「東日本大震災後の日本の復興と原子力安全への取組み」(2012年12月12日~12月20日)
投稿日 : 2013年08月21日
2012年12月15日~17日かけて、日本政府と国際原子力機関(IAEA)の共催による「原子力安全に関する福島閣僚会議」が、福島県郡山市で開催されました(詳細はコチラ)。同会議を取材すべく、世界各国の記者7名(イギリス、インド、インドネシア、タイ、中国、トルコ、南アフリカ)が、外務省の招聘により来日しました。
また、記者一行は、東日本大震災の被災地である福島県、宮城県の各地を訪問し、震災からの復興に向けた日本の歩みを取材するとともに、会津若松市や松島など、被災地の観光地を訪れました。
※本プログラムは、外務省が主催し、FPCJが企画・実施したものです。
************************************
1.原子力安全に関する福島閣僚会議
会議では、福島第一原発の事故から得られた教訓や、原発の安全対策の現状について各国から報告があり、成果文書として共同議長声明が発出されました(会議の詳細はコチラ)。
記者一行は、同会議の模様を取材するとともに、天野之弥IAEA事務局長へのインタビューや、国内メディアに混じって佐藤雄平福島県知事へのぶらさがり取材を行いました。
また、同閣僚会議の参加者を対象とした県内視察ツアーに参加し、福島県農業総合センター及び福島県立医科大学において、食の安全と県民の健康を守る取組みを取材しました。ツアー後には、「被災地産品の安全性に関する福島ワークショップ」に参加し、地元の食材を使った料理やお酒を楽しみながら、福島の食品関係者と懇親を深めました。
(福島県立医科大学) (福島ワークショップ)
2.東日本大震災からの復興に向けた日本の歩み
福島県では、地震、津波、原発事故による3重の被害を受けた南相馬市を訪問し、桜井勝延市長にインタビューを行うとともに、旧警戒区域である小高地区を視察し、現地で活動しているボランティアのメンバーに話を聞きました。また、12月16日が衆議院議員選挙の投票日であったことから、南相馬市の投票所にて有権者にインタビューを行いました。
(桜井南相馬市長(中央)) (小高地区の津波被災地で撮影を行う記者。現在も、津波で流された家が放置されている。)
このほか、福島第一原発から約100キロ離れた会津地方では、風評被害を受けた食品関係者から話を聞きました。
(「大都市圏での売上げは今も回復していない」 (「韓国・中国への輸出はストップしたまま」
と語る会津中央乳業の二瓶社長) と語る末廣酒蔵の新城社長)
宮城県では、被災地の産業の復興とさらなる発展のため、東北で新たな事業展開を進める企業や大学の取組みを取材しました。具体的には、津波で大きな被害を受けた牡蠣養殖業の再生を目指す株式会社和がきの取組みを取材したほか、東北大学とトヨタ東日本(株)などが共同で進める次世代自動車研究・開発プロジェクトを取材しました。
(写真上:「和がき」の取材では、養殖現場を視察した後、三陸産の牡蠣を使った料理を味わった。同社ではフランス式の養殖技術を導入することで世界に通用する牡蠣を生産することを目指している。)
(写真上:「みやぎ復興パーク」にて、次世代自動車の研究・開発プロジェクトを取材する記者ら。東北大学のロボット技術を応用し、障害物を自動で避ける自律式走行車などの開発が行われている。)
3.被災地の観光地と日本文化体験
会津若松市(福島県)及び松島(宮城県)を訪問し、震災の地元観光業への影響を取材するとともに、鶴ヶ城、松島遊覧船、国宝・瑞巌寺といった観光スポットを視察しました。また、会津の東山温泉に宿泊し、温泉や伝統的な日本食を堪能しました。