実施日 : 2014年09月08日
報告(プレス・ブリーフィング):「内閣改造と秋の臨時国会見通し」(2014年9月8日)
投稿日 : 2014年09月11日
9月3日の内閣改造を受け、FPCJでは、朝日新聞社の星浩・特別編集委員をお招きし、秋の臨時国会を含む今後の国内政治についてお話し頂きました。ブリーフィングには、ブラジル、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、香港、イタリア、韓国、英国、米国のメディアの記者19名を含む計67名が参加し、安倍政権の今後に対する関心の高さが窺えました。
星氏は、今回の自民党役員人事・内閣改造のポイントとして、1)ハト派の谷垣禎一氏、中国との関係が深い二階俊博氏を、それぞれ、党の幹事長、総務会長に起用したこと、2)5名の女性閣僚を登用したこと、3)農業、安保・防衛など困難な政策課題を抱える分野の閣僚に、その分野に精通した政治家を配置したこと、4)改革断行のシンボルとして、塩崎恭久・厚生労働大臣、石破茂・地方創生担当大臣を起用したことの4点を指摘。「まずまずの人選」との評価を示しました。
その上で、星氏は、経済面および外交面での新政権にとっての当面の課題に言及。経済面については、構造改革と財政赤字・少子高齢化の解消が進んでいないとの現状認識を示した上で、特に、1)消費税率の10%への引き上げの判断、2)マクロ経済運営(とりわけ、日本企業の生産性の全体的な引き上げ)が求められると述べました。また、外交に関しては、1)11月のAPEC会合での日中首脳会談の実現、2)ロシアとの関係、3)北朝鮮との関係、4)普天間基地の移設問題、5)集団的自衛権を当面の課題として挙げました。加えて、より長期的には、安倍総理は、2015年4月の統一地方選を経て、同年9月の自民党総裁選での再選を果たし、更なる課題に取り組もうとの考えであろうとの見通しも示しました。
質疑応答では、参加記者から、「塩崎・厚生労働相の下、労働慣行の改革は期待できるか?」、「小渕・経産相の任命は、原発再稼働にソフトなイメージを与えるための戦略か?」、「対中姿勢の軟化とも言える党役員人事が行われたのは何故か?」、「今回の内閣改造による日韓関係への影響は?」などといった幅広い質問が投げかけられました。