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多様化する地方自治体のアンテナショップとご当地ゆるキャラブーム(2012年2月17日)

投稿日 : 2012年02月17日

【ウォッチ・ジャパン・なう Vol. 19/FPCJ】

 

2012年2月17日

 

多様化する地方自治体のアンテナショップとご当地ゆるキャラブーム

 

多様化する自治体アンテナショップ

 

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特産品を販売し、観光物産を含む様々な情報を発信する自治体のアンテナショップ。現地に出かけなくても安全な地場産品が購入でき、また飲食施設を設置した店舗では地元食材を使った料理が味わえる等、人気を集めています。アンテナショップの支援を行っている財団法人地域活性化センターによると、アンテナショップは年々増加傾向にあり、23年度は過去最高の53店舗となりました。

 

有楽町の東京交通会館には、日本中の特産品が揃った「むらからまちから館」があり、北海道、秋田、長野、静岡、富山、滋賀、大阪、兵庫、豊岡、和歌山、徳島・香川、博多の12店が入居し、連日多くの人が訪れています。また徳島県や埼玉県のようにコンビニの一角にコーナーが設置されたコンビニ型、徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~や、友好都市である多摩市と長野県富士見町の共同アンテナショップといったコラボ型、北海道や宮崎県のイートイン型、更には山形県内で大人気のイタリアンレストランが出店し注目を集める等、多様化が進んでいます。奈良県「まほろば館」では文化講座やイベント開催に力を入れており、なら学や僧侶による法話会が好評です。また新潟館「ネスパス」では昨年2011年11月、U・Iターン就職に関する相談・情報提供等に加えてハローワーク機能を導入、県内の求人情報を県外提供する全国初の取り組みが始まっています。

 

●写真:彦根市のマスコット「ひこにゃん」(写真提供:彦根市)

 

 

ご当地ゆるキャラブーム

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2007年に登場した彦根市のご当地マスコット「ひこにゃん」の人気沸騰を機に広がった各自治体作成の「ゆるキャラ」(ゆるいキャラクター)も、イベントや名産品PRに不可欠となっています。「ゆるキャラ」の魅力は、完成度の低さやとぼけた味わいからもたらされる脱力感、癒し、ほのぼの感や親近感とも言われ、ゆるキャラの認知度、人気は「ゆるキャラサミット」や「ゆるキャラグランプリ」が開かれるまでに高まっています。昨年11月のグランプリで1位の栄冠に輝いたのは、熊本県のPRキャラクター「くまモン」。グッズの売り上げも好調で、年間売り上げ27億円が見込まれています。

 

●写真:熊本県のPRキャラクター「くまモン」(写真提供:熊本県)

 

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埼玉県では県のマスコット・コバトンを団長とする県内78のキャラクターが、「ゆる玉応援団」として活躍しています。特に埼玉県羽生市は昨年2011年11月、「ゆるキャラの聖地」を目標に全国のゆるキャラの交流と東日本大震災の復興支援を目的とした「ゆるキャラさみっと」を同市で開催し、東日本初のゆるきゃら大集合を実現させました。

 

●写真:埼玉県のマスコット「コバトン」(写真提供:埼玉県)

 

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癒し系の「ゆるキャラ」が多い中「シブキャラ」として異彩を放っているのは、兵庫県豊岡市のマスコットキャラクター「玄武岩の玄さん」。今年1月の大学入試センター試験では、会場となった高校の校門で600名近い受験生を出迎え、「験」担ぎの気合いを入れるハイタッチで激励しました。

 

●写真:兵庫県豊岡市のマスコット 「玄武岩の玄さん」(写真提供:豊岡市)

 

益々盛り上がりを見せるご当地 「ゆるキャラ」ブーム。ゆるキャラやアンテナショップで地域が元気になることで、日本全体の元気にもつながっていくのか。今後の動きが、注目されます。

 

(Copyright 2012 Foreign Press Center/ Japan)

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