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元陸上選手 為末大氏:「社会の問題をスポーツで解決したい」【2】 | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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元陸上選手 為末大氏:「社会の問題をスポーツで解決したい」【2】

投稿日 : 2016年03月04日

スポーツ選手が社会で果たす役割について、その可能性を提案する元陸上世界選手権銅メダリスト・為末大氏。第2回では、パラリンピアン用の競技用義足の開発や、2020年東京オリンピック・パラリンピックについて伺いました。(第1回はこちら

 

パラリンピアンの活躍が社会の意識を変える

 

 

???????????????????????????????FPCJ: 株式会社Xiborg(サイボーグ)を設立し、競技用義足の研究開発をされています。開発にかかわるようになったきっかけや、障害者スポーツとご自身とのかかわりについてお聞かせください。

 

為末大氏: (現在、株式会社Xiborgの代表取締役を務める)遠藤謙というロボット研究者と出会って、意気投合したのがきっかけです。彼は、骨肉腫で足を失くしたバスケットボール部時代の後輩に義足を作ってあげたいという思いで、アメリカのMIT (マサチューセッツ工科大学)に留学していました。

 

僕は、現役時代にトレーニングをしていたアメリカ・サンディエゴのオリンピックセンターで、オリンピアンとパラリンピアンが半々の割合で施設を使っているのをみて、「障害者と健常者の関係がフラットなのは、いいな」と感じました。僕が目指すのは、スポーツが社会にある様々な問題を解決して、「フラットな社会」「寛容な社会」をつくることです。これは、海外に行かなければ見えなかったと思います。

 

この目標に対して、アスリートとしてどんなアプローチがあるかと考えたとき、パラリンピックからヒーローを出すことだと思いました。テレビ番組に多くのパラリンピック選手が取り上げられれば、彼らを目にする機会も増える。それは、社会の意識を変えるのに役立つのではと思います。結局、人間の意識が変わることが、すべての起点ではないかと思ったのです。そんな思いもあって遠藤氏と立ち上げたのがXiborgです。

 

パラリンピックを盛り上げようというだけでは、一過性のブームで終わります。社会の問題をパラリンピックで解決するとか、いかにパラリンピックが社会に価値をもたらすかがわかれば、パラリンピアンはヒーローになるし、認知されると思います。

 

FPCJ: 開発の現状はいかがでしょうか?

 

2016年の4月ごろからリオ五輪のシーズンが始まるので、それまでに義足はレース仕様のものを作りたいと思っています。いい義足は作れるのですけど、はきこなせる選手は世界で数人しかいない。選手の方も、義足とともにパワーアップしないと使いこなせないのです。インパクトという面では、パラリンピアンがオリンピアンに勝つというのは、かなり大きい。社会の人の意識を変えるようなパラリンピックを僕は模索しています。

 

「問題解決型」の五輪を

 

???????????????????????????????FPCJ:これまでに3度、五輪に出場されたご経験から、2020年の東京オリンピック・パラリンピックがどのような大会を目指せばよいか、お考えをお聞かせください。

 

為末大氏: 選手の関心は勝敗なので、開催場所はあまり関係ないですね。オリンピックはどんどん種目が増えて、巨大化し、2008年の北京大会で一つのピークを迎えたと思います。これ以上巨大化すると、実質的に開催できる国が少なくなるのではないかという懸念もあります。

 

どうしても似たり寄ったりする中で、日本が今までとは全く違うオリンピック、パラリンピックを開催するのは、難しいところだと思います。「オリンピック、パラリンピックを使って東京をどう変えるか」ではなく、逆に、「東京が、オリンピック、パラリンピックをどう変えるか」という観点で考えてもいいと思います。

 

FPCJ: 具体的にはどのようなことなのでしょうか?

 

為末大氏:東京で五輪が開催されなかったとしても、結局、取り組まなければならない課題は存在します。その解決に向けてアプローチする「問題解決型」の五輪になればと思います。いずれ解決しなければならなかった高齢化やエネルギーなどの問題が、「五輪開催により解決しました」「持続可能な社会ができました」というのがいい。地味に見えるかもしれないけど、何年か経って「賢かったなあ、日本は」と思われるものがいいですね。そのほか、ベンチャー企業に五輪関連の仕事を発注し、次の産業を育ててほしいですね。コンセプトを絞って、未来志向のオリンピックやパラリンピックに変わっていくことを、いま一番望んでいます。

 

 

 

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為末大氏プロフィール

1978年、広島県生まれ。2001年エドモントン、2005年ヘルシンキの両世界選手権において、400mハードルで銅メダルを獲得し、世界大会のトラック種目で初のメダルを日本にもたらす。オリンピックは、シドニー、アテネ、北京の3大会に出場。2012年に現役を引退した後は、スポーツ、社会、教育、研究開発など、多岐にわたる分野で活躍している。

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