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山本寛斎氏 デザイナー/イベントプロデューサー【3】 | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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山本寛斎氏 デザイナー/イベントプロデューサー【3】

投稿日 : 2015年12月18日

70歳を過ぎても精力的な活躍を続ける山本寛斎氏へのインタビュー。最終回は、日本や日本人の良さ、「観光立国」としての日本などについて伺いました。

 

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~ 季節に敏感で、色に優れた国 ~ 

 

フォーリン・プレスセンター(FPCJ): 日本や日本人の良さについて、どう思いますか。

 

山本寛斎氏: 奈良から京都へ戻る電車で、イスラエルから来たご家族に出会ったことがあるのですが、日本について、こう感想を述べられていました。「季節が4つあり、色がとてもきれいだ」と。日本語では、色の名称が3000も4000もあると言われています。そんなに多くの色の名称がある国は他にないですよね。例えば、群青色とか柿渋色とか、草花や空の色、自然に関連のある名前が色についています。季節に敏感な感覚まで含めて、色に優れた国なのだと思います。精神構造も季節に基づいていて、色について才能がある国民だと思いますね。

 

FPCJ:近年、訪日観光客が急増しています。寛斎さんは、平成15年に政府の観光立国懇談会の委員も務められましたね。

 

山本寛斎氏:当時、毎月のように首相官邸に出入りしていました。官邸に入ったのは初めてでしたが、ネクタイは必須だと考え、「すごく変わったネクタイをしてやろう」と思っていました。通常、ネクタイは表側の幅が広く、裏が細くなるのですが、それを逆にしたり、2本のネクタイを一緒にしたり、ネクタイの上にボタンなどをいろいろ付けたりと、とにかく様々な工夫をしました。ネクタイをしていたら、文句はないだろうと、笑。

 

「観光立国」というネーミングは、実は私が付けました。幕末のことを調べていて「観光丸」という船があることを知ったのですが、観光の語源は、中国の「易経」の一説(「国の光を観る…」)ということで、「観光立国」と名付けさせていただいたのです。

 

京成スカイライナー+寛斎この懇談会の委員を務めたことが、成田-上野間の京成スカイライナーの車両デザインにつながりました(2010年度グッドデザイン賞、2011年度ブルーリボン賞)。わざわざ海外から来られた女性が使うお手洗いがどうあるべきか。赤ちゃんはチャイルド席に花のようにポンとさせるようにすれば、お母さんの手が完全に自由になってメイクやらその他すべてが数分の間にできてしまう…。本格的に「いらっしゃいませ」のメッセージを出すのがスカイライナーということで、とてもいいデザインになったと思います。【写真:山本寛斎氏がデザインし、グッドデザイン賞(2010年度)、ブルーリボン賞(2011年度)を受賞した京成スカイライナー(山本寛斎事務所提供)】

 

 

 FPCJ: 現在のインバウンド観光客への取り組みついては、どう考えていますか。

 

山本寛斎氏: 訪日観光客が増えているのは、大いにウェルカムではないかと思います。最近、洒落ているなと思ったのは、星野リゾートが、キャンプと旅館のコンセプトを合わせた展開をしていることです。私などは、旅館では、着くと食事まで何をしていいか困ってしまうのですよね。星野リゾートの施設では、ハイキングやバーベキューなどアクティブなキャンプ活動する一方、テントを張るというしんどいことはしなくていい。美味しいところ同士を組み合わせたスマートなアイディアだなと思いました。

 

でも、まだまだやれることがあるのではないでしょうか。いわゆる「民泊」という、観光客が個人家に泊まるという動きがあります。私も、アメリカ人のモデルを最初に自宅に迎えたとき、靴を脱がずにいきなり部屋の中まで入っていかれて驚いたことがあります。法整備などを含め、課題も多いといわれていますが、世界に様々な習慣があることに体で触れるのは、異文化を理解していく上では良いのではないでしょうか。

 

~ 日本人であることを誇りに思う ~

 

FPCJ:最後に、寛斎さんにとって、日本とはどのような国でしょうか。

 

山本寛斎氏:私は、日本人であることをすごく誇りに思っています。国としていいか悪いかを大雑把にいうと、いい国だと思います。 

 

この間、出勤途中に、ユニクロの柳井正社長に偶然会いました。ユニクロは最初のころ、「下着はいいけど、上着にするのは恥ずかしい」などと、いろいろ言われました。でも、今そんなこと言う人はいないですよね。これは、日本では面白いことが出きるということです。充実したことが出きるということです。それを追いかけることが出きる日本は、素晴らしい国だなあ、命をほめたたえている国なのだなあ、と思います。

 

今の私の仕事は、簡単に言ってしまえば、イベントがらみのスケジュールが全てです。そのイベントをやるかやらないかは、自分の心が決済しています。だから、ものすごく自由なのです。つい先日、草月流のいけばな展に行きました。勅使河原茜さんが指導者ですが、この人の仕事が猛烈にいいのです。作品はよし、組織もよし、向いている方向が、私が「よしやるぞ」と思っているのと同じ方向を向いている。こんなに興奮して帰ったことはないですね。自分のイベントの世界にも、いい影響になります。私は今、「イベントをやる」ということだけに集中しています。

 

FPCJ:寛斎さんのあふれる情熱が伝わってきました。次回のイベントも楽しみにしております。本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

 

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山本寛斎氏プロフィール

デザイナー/プロデューサー。1944年生まれ。ファッション・エディターズ・クラブ賞、第7回日本イベント大賞 審査員特別賞、第7回 東京クリエイション大賞 国際賞、グッドデザイン賞、ブルーリボン賞ほか、受賞多数。東京ファッションデザイナー協議会設立幹事、ロシア国際人道救助協力基金海外顧問などを務める。「上を向いて。」(祥伝社、2012年)、「熱き心」(PHP新書、2008年)など著書も多数。

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バックナンバーはこちらから!

[第1回] 山本寛斎氏インタビュー

[第2回] 山本寛斎氏インタビュー

 

 

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