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河野外相が語る日本外交

投稿日 : 2017年11月27日

河野太郎  x  池上彰 「河野外相に安倍外交を糾した」

文藝春秋11月号


河野太郎外相は『文藝春秋』でのジャーリスト・池上彰氏とのインタビューで、対北朝鮮政策について「ゴールは非核化」と明言し、現状は「対話」の前に「圧力」をかけ北朝鮮の政策変更を迫る段階であり、「(国連の)制裁決議を厳格に履行すれば徐々に効果は出てくる」と強調した。また、同外相は米国が日本の頭越しに北朝鮮の核を容認するような「取引」をするのではないかとの見方が一部に出ていることについて、「そんな心配はまったくない」と断言するとともに、米国が「核の傘」と呼ばれる自らの核抑止力を日本にまで拡大しており、「現時点で極めて日米隙がなくやっている」と述べた。一方で、「非核三原則」の見直しや修正論議が出ていることについても、米国が「拡大抑止を含む抑止力」を日本に提供しているので「それは必要ない」との認識を示した。

 

日中関係について、河野外相は〝戦略的互恵関係″の方向に着実に向かっているとした上で、「そろそろ新しいフェーズに入るべきだ」と主張した。また、中国の対北朝鮮政策については、「北朝鮮を野放しにしておくことは、中国にもマイナスではないか。中国としても国益の再計算が必要」と指摘した。

 

一方、河野外相は慰安婦問題でこじれている日韓関係について、韓国外交部がタスクフォースを立ち上げたことを挙げ、「日韓合意に至る経緯をきちんと国民に理解してもらった上で、合意を履行するためのものだと受けとめている」と強調した。また、父親の河野洋平元外相が19938月に発表した慰安婦問題に関する〝河野談話″について、「非常に有効な『資産』だと思います。これを使わない手はありません」と述べた。

 

このほか同外相は、政府開発援助(ODA)について、「効果のあるプロジェクトに絞るべき」と述べる一方で、各外交官が自ら飛び回り知恵も活かして日本の外交力を発揮するための外務省の「足腰予算」拡充に力を入れていく考えを示した。

 

中国語:https://fpcj.jp/en/j_views-en/magazine_articles_cn-en/p=59839

韓国語:https://fpcj.jp/en/j_views-en/magazine_articles_kr-en/p=60285/

 

 

写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

 

※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。         

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