プレスツアー(案内)

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実施日 : 2022年11月17日

埼玉・秩父プレスツアー

投稿日 : 2022年10月20日

埼玉・秩父プレスツアー


<実施日:2022年11月17日(木)/ 主催:埼玉県>



【取材テーマ】

・水際対策緩和から1か月、動き始めたポストコロナ観光戦略:インバウンドに照準

・東京至近、自然・歴史・衣食住・娯楽など豊かな観光素材をもつ埼玉県の魅力

・秩父の伝統を未来へ:地域の新たな活力を創造する女性、若者たち

 


 10月11日、政府は新規入国者数の上限を撤廃し、個人旅行やビザなし渡航を解禁するなど水際対策を大幅に緩和した。観光業界や自治体は、昨今の円安の効用も視野に、訪日外国人観光客(インバウンド)の回復に期待を寄せる。国連世界観光機関によると、世界の外国観光客数は202215月に19年の半分の水準まで戻っている。また、日本政策投資銀行等がアジア、欧米豪の消費者を対象に実施した調査「次に旅行に行きたい国・地域」の首位が日本であることが示すように、日本訪問への潜在的な需要は高まっている。19年には3100万人超が日本を訪れていたこともあり、「コロナ前に着実に増えていた訪日外国人観光客を取り戻したい」と埼玉県は意気込む。

 

 メガシティ東京に隣接した交通至便な埼玉県は、都市生活機能と豊かな自然をあわせもち、訪日外国人観光客が日本旅行に求める「都市に滞在しながら自然や文化、娯楽などの様々な活動や体験を楽しむ」といったニーズに応える多様な観光資源をもち、コロナ前は65万人(2019年)を超える外国人観光客が訪れており、早期のインバウンド回復には優位な位置にあるといえる。なかでも、都心から最新型特急で約80分の秩父は、秩父山地や長瀞渓谷をはじめ美しく雄大な自然を擁する景勝地だ。毎年12月初旬に開催される夜祭はユネスコ世界無形文化遺産にも指定されており多くの観光客で賑わう。また、秩父三社(秩父・宝登山・三峯神社)は関東屈指のパワースポットとして注目を集める。

 

 その秩父で今、自然や伝統の新たな価値を活用した体験型の観光資源が生み出されている。例えば、秩父産織物の着物を着てまちなかの散策を楽しみ、古民家を改装したレストランで秩父産食材を使ったフレンチに舌鼓、同じく古民家を改装したホテルに泊まって世界の愛飲家が絶賛する稀少な秩父産ウイスキーのグラスを傾け、翌日は山あいの歌舞伎のまちに足を延ばす-このような地域の素材をくまなく五感で体験する滞在も可能だ。また、この新たな取組では、地域の素材を再発見して磨きをかけ発信する女性や若者たちが様々な役割を担っている。


 本ツアーでは、水際対策の大幅緩和から一か月が経ち、ポストコロナへと社会経済活動が移行するなか、コロナ禍で落ち込んだ観光産業の再生に向けて取り組む埼玉県の観光事業者と埼玉県の観光の新たな魅力を取材する。

 

 

取材内容】


1.秩父銘仙(ちちぶ・めいせん)

~養蚕と織物で栄えた秩父の名品。染め、機織りを体験し、レンタル着物でまち歩き~

 

 江戸時代から養蚕業が盛んで、絹の産地として長い歴史をもつ秩父で生まれた絹織物「秩父銘仙」。先染め・平織りで表裏がなく、表が褪せても裏を使って仕立て直しができ、長く着られることから多くの人々に広まった。2013年に国の伝統的工芸品に指定されている。

 秩父の織物産業は明治時代中頃から昭和初期にかけて最盛期を迎えたが、高度成長期に入って産業技術の機械化に労働力を奪われ、さらに工場大量生産のあおりをうけて、分業家内制手工業の地元生産者は衰退の一途をたどった。かつて500余りあった生産業者は現在、秩父銘仙協同組合に所属する11のみである。こう話すのは、秩父で創業100余年の織物会社である寺内織物株式会社の代表取締役の寺内秀夫(てらうち・ひでお)氏だ。同社工場には埼玉県伝統工芸モデル工場として昔ながらの設備や機器がそのまま保存されている。

 現在は、秩父銘仙協同組合が中心となり、旧埼玉県繊維工業試験場の趣ある建物を活用し、製作工程や伝統技法を継承しながら織物の魅力を発信する拠点として「ちちぶ銘仙館」を運営している。伝統的な染めや機織りを学ぶ実習プログラムを主催し、今年4月から女性9名が取り組む。さらに、来館者にも短時間で体験できる機会を提供している。

 色や柄が華やかな「秩父銘仙」は大正時代からおしゃれな普段着として女性に愛用されてきたが、洋服が普及するにつれ、和服は次第に日常生活から遠ざかっていった。2019年から、「秩父銘仙」のレンタル店「イロハトリ」を営む関川亜佐子(せきかわ・あさこ)代表は、30歳を過ぎてそれまで勤めた企業を退職、地方で伝統工芸に携わりたいと、秩父銘仙のPRを担当する地域おこし協力隊として東京から秩父に移住。銘仙の製作を学んだ後、秩父銘仙を気軽に着る文化を取り戻そうと奮闘している。最近はメディアで取り上げられることも増え、ネットで調べて訪れた観光客が銘仙を着て秩父のまちを散策したり、地元住民が七五三や成人式の際に利用するなど徐々に広がりをみせている。「ゆくゆくは販売もしたい。そして、製作を任せられる後継者を育成したい」と、関川さんは「イロハトリ」と「秩父銘仙」の将来像を描く。

 

◆本ツアーでは、「ちちぶ銘仙館」を訪れ、埼玉県伝統工芸士として活動する寺内秀夫氏の案内で、秩父銘仙の製造工程を見学し、その歴史と伝統技法について説明をうける。その後、「イロハトリ」を訪問し、関川亜佐子氏から「レンタル銘仙」事業の立ち上げや今後の展望、秩父銘仙の魅力などについて話を聞く

 

 


2.分散型古民家ホテル&レストラン「NIPPONIA 秩父 門前町

~大正・昭和の歴史的建物を居心地よくリノベーション。感性が目覚める滞在体験~

 

 今年8月、秩父のまちなかに溶け込めるような場所にオープンした。明治元年から昭和初期に建築された築100年超の煙草店や薬局などの古民家3棟を計8室の宿泊施設と、レストラン・カフェに再生させた分散型宿泊施設だ。客室の仕様はすべて異なり、たとえば、1868年に建てられた「マル十薬局」敷地内にある蔵をメゾネット・タイプの一棟貸しに設えた一室にはホテルで最も広いヒノキのお風呂がある。ところどころ廊下の壁には秩父銘仙のタペストリーがさり気なく掛けてある。

 レストランでは、都心の人気フレンチビストロを手掛ける女性シェフが料理を監修、地元の食材をふんだんに使った五感に訴える創作フレンチが供される。モノトーンのユニフォームに身を包み、きびきびと働くスタッフは地元で暮らす女性たちだ。「なかには東京から移住した人もいる」と話すのは大久保雄介(おおくぼ・ゆうすけ)副支配人。自身は秩父出身でありながら現在は東京在住で、秩父には週に数日通っている。

 「NIPPONIA」は株式会社NOTE(本社:兵庫県)が取り組むまちづくり事業で、自然とともにある暮らし、歴史や伝統に育まれた生業は未来の日本にとって貴重な資産となるとの信念のもと、日本各地に点在して残されている古民家を、客室や飲食店、または店舗としてリノベーションを行い、その地域に根付く食や生活文化、歴史を体感できる複合宿泊施設として再生し、訪れる人々と地域の人々との出会いを創出している。

 

◆本ツアーでは、四季折々の自然、夜祭など秩父の観光の魅力について、秩父地域おもてなし観光公社・井上正幸(いのうえ・まさゆき)事務局長から、また、歴史的価値のある古民家を宿泊・飲食施設に再生する事業について、「NIPPONIA 秩父 門前町」を運営する株式会社秩父まちづくり・竹内則友(たけうち・のりとも)取締役から説明を受けた後、ホテル客室を視察する。また、レストランで地元の食材を堪能しつながら昼食をいただく

 

 

 

 

3.株式会社ベンチャーウイスキー 秩父蒸留所

~世界のウイスキー愛飲家を魅了する「イチローズモルト」の聖地~

 

 「先日、欧州に出張した際、(円安もあって)『日本に行きたい』という声をあちこちで聞きました」と話すのは(株)ベンチャーウイスキーのブランドアンバサダーとして活躍する吉川由美(よしかわ・ゆみ)氏だ。もともと「バーテンダーになりたかった」吉川さんは帝国ホテルにてバーテンダーとして勤務した後、ウイスキーの魅力に目覚め、スコットランドで2年修行、帰国して2013年に日本で唯一のウイスキー専業メーカーである(株)ベンチャーウイスキーに加わった。19年には日本人として初めて、英国ウイスキー専門誌が選ぶ「ワールドウイスキー・ブランド・アンバサダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。若者の酒類消費を喚起する動きについては、「ウイスキーの消費は3050代が中心。若者が将来自分もカッコよくウイスキーが飲みたいと思える文化をつくることが大事」だという。

 2000年の蒸留を最後に閉鎖された羽生蒸留所(埼玉県羽生市)の創始者の孫である肥土伊知郎(あくと・いちろう)氏は、廃棄予定だったウイスキー原酒に将来性を見出して引き取り、04年に地元秩父で(株)ベンチャーウイスキーを設立した。社長の名前を冠した代表作「イチローズモルト」シリーズは、国内のみならず、フランス、英国、米国、台湾、シンガポールをはじめ海外の愛飲家を魅了し、世界最高峰のウイスキーの品評会「ワールド・ウイスキー・アワード」では5年連続世界最高賞を受賞している。

 秩父蒸留所は、夏は高温多湿、冬は朝晩の気温が氷点下にいたる厳しい自然のなかにあるが、その過酷な気候がウイスキーの熟成に奏効すると言われ、短期間の熟成でもフルーティーでバランスの良い風味に仕上がっている。仕込みには大血川渓谷の程よい軟水を使い、大麦は、英国、ドイツ産に加え、最近では埼玉県産も使い始め、少量ながら自社製麦(せいばく)も開始した世界的に珍しい国産ミズナラ材で作られた8基の発酵層とスコットランドに特注した2基の蒸留器で、スコッチウイスキーの伝統製法に習ってウイスキー造りを行い、秩父の風土が生み出す個性的なウイスキーを知る喜びを世界に届けることをモットーとする。

 また、ウイスキーの熟成に必要不可欠な樽も自社製の樽工場で製造、修理加工を行っている。樽工場は同社を含め日本に5つしかない。じっくりと2030年の時間をかけて成長するウイスキーの豊かな風味は樽職人の技と情熱によって醸成される。

 

〇株式会社ベンチャーウイスキー紹介動画

https://youtu.be/A9B70Vb3Xko

https://youtu.be/ZhiGnIXd2d8

 

◆本ツアーでは吉川由美氏から、秩父の自然や水、自社製樽が醸成する個性的なウイスキー造りや「イチローズモルト」誕生のエピソードなどについて聞くとともに、秩父蒸留所を視察する。また、樽工場では、秩父を含む国産ミズナラ材で50年余り使う樽を年間100体造る樽職人の永江ケンタ(ながえ・けんた)氏からウイスキーの熟成にかける思いをきく。

 

 

【写真提供:(株)ベンチャーウイスキー】

 

 

4.小鹿野歌舞伎

~役者から裏方まで、町じゅうが歌舞伎一座。郷土の伝統芸能継承の主役は中学生~

 

 人口約1万人の小鹿野町(おがのまち)に伝わる小鹿野歌舞伎は約220年前、江戸で修業を積んだ初代坂東彦五郎が帰郷後近所の若者に歌舞伎を教えたことに始まる。その後小鹿野を本拠地に芝居一座が引き継がれ、明治・大正時代に秩父の歌舞伎の最盛期を作った。昭和以降、映画やTVなど娯楽の多様化により一座芝居の活動が衰退したが、文化財保護の気運が高まるなか、1973年に小鹿野歌舞伎保存会が結成され、その後、埼玉県指定無形民俗文化財の指定を受けた。

 小鹿野町では町内の常設舞台や祭り屋台(山車)で1年を通して子ども歌舞伎や若手歌舞伎、女歌舞伎などのさまざまな歌舞伎が行われ、役者から裏方の大道具、小道具、義太夫、三味線にいたるまで、すべて地元住民が手掛ける。「町じゅうが役者」と呼ばれるほど歌舞伎が町民の生活に浸透している。地元での年6回の定期上演に加え、県内外でも公演を行っており、2018年にはロシアのウラジオストクでも公演を行った。

 現在町内に6カ所歌舞伎の本拠地があり各地で伝承が行われている。その中でも特色があるのが町立小鹿野中学校生徒有志でつくる「鹿中歌舞伎座」だ。役者だけでなく三味線の演奏や化粧など裏方すべてを中学生が担う全国でも珍しい一座で、伝統芸能の伝承者としても期待が集まる。小鹿野中学校では、総合的な学習の時間で2年生全員が小鹿野歌舞伎保存会の指導を受けるほか、月2回程度放課後に、学年の枠を超えて希望者が歌舞伎を習える取組を始め、現在1年~3年生23名が所属する。現在は1119日~20日の第50小鹿野郷土芸能祭での公演に向けて稽古に励んでいる。

 

◆本ツアーでは、小鹿野歌舞伎の魅力を伝える展示施設「小鹿野歌舞伎さろん」で小鹿野町教育委員会の肥沼隆弘(こえぬま・たかひろ)主査から小鹿野歌舞伎の活動概要などの説明を受けるとともに、吉岡章(よしおか・あきら)小鹿野中学校校長から同校における取組、また保存会関係者から継承への課題などについて聞く。その後、小鹿野中学校の「鹿中歌舞伎座」の稽古を見学し、演者である中学生にインタビューする。


 

【写真提供:小鹿野町教育委員会】


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【実施要領】


1.日程:

2022年11月17日(木)

 

2.スケジュール:

※日程は、天候等の理由により後日予告なしに内容を変更することがあります。また、新型コロナ感染状況の推移等により、ツアーの開催を延期または中止させていただくことがありますのでご理解をお願いします。

 

07:00             日本プレスセンタービル発

09:00-10:50 秩父銘仙(ちちぶ銘仙館、イロハトリ) 

11:00-12:30 古民家ホテル&レストラン「NIPPONIA 秩父 門前町」      

13:00-14:45 ベンチャーウイスキー秩父蒸留所       

15:15-17:15 小鹿野歌舞伎    

17:45-18:15 月の石もみじ公園ライトアップ(自由撮影)

20:15 頃   日本プレスセンタービル着

 

3.参加資格

外務省発行外国記者登録証保持者

 

4.参加費用

2,000円 (日本プレスセンタービル発~同ビル着、昼食代を含む)

お支払い方法、キャンセル料等については、参加者にご連絡します。


5.募集人数

10名(各社ペン1名またはカメラ1名、TVは1社2名まで)

※申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

6.FPCJ担当

山田、小泉(E-mail: ma@fpcjpn.or.jp)

 

7.新型コロナウイルス感染症に関する対応について

参加者は、本ツアー開始前の検温、ツアー中のマスクの着用、手洗い・アルコール消毒など、主催者の指示に従ってください。

 

8.備考

(1)本ツアーは埼玉県が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が運営を担当しています。

(2)参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

(3)本ツアー中に発生した事故や怪我・病気、トラブル等について、埼玉県及びFPCJは一切の責任を負いかねます。参加者は個人の判断・責任において、必要に応じ旅行傷害保険等に加入して下さい。

4)写真・TV撮影に関しては、担当者の指示に従ってください。

(5)ツアーの様子を記録した動画・写真・記事を、埼玉県やFPCJのホームページやSNS等に掲載することがありますので、予めご了承ください。

 

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     【写真提供:埼玉県】

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