プレスツアー(案内)

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実施日 : 2022年10月17日 - 18日

「福島イノベーション・コースト」プレスツアー

投稿日 : 2022年09月30日

「福島イノベーション・コースト」プレスツアー

~先端技術開発と新たな産業集積で「浜通り」の復興を~



 福島県は、2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故により甚大な被害を受けました。とりわけ太平洋沿岸部(浜通り地域)では、今もなお多くの住民が避難を余儀なくされています。

 その一方で、避難指示の解除が進み、公共交通の復旧、商店や病院の開設など復興は着実に進んでいます。

 そうしたなか、浜通り地域に新たな産業基盤を構築しようとする国家プロジェクトが「福島イノベーション・コースト構想」です。「廃炉」「ロボット・ドローン」「エネルギー・環境・リサイクル」など6つの主要プロジェクトを推進するため、ロボット・ドローンの開発実証拠点として世界に類を見ない「福島ロボット・テストフィールド」を核としたロボット関連企業の集積、教育・人材育成、交流人口の拡大、情報発信などに取り組んでいます。

 このツアーでは、震災と原発事故により失われた産業を回復させるため、新たな産業を産み出そうとする取組を取材いただけます。



取材内容】

(1)「福島イノベーション・コースト構想」についてのブリーフィング

 福島イノベーション・コースト構想の実現に向けて、「廃炉」、「ロボット・ドローン」、「エネルギー・環境・リサイクル」、情報発信拠点(東日本大震災・原子力災害伝承館)等の拠点整備や研究開発の推進のプロジェクトを具体化して進めています。

 

◆福島イノベーション・コースト構想の概要やプロジェクトの目的、具体的な取組等について、福島イノベーション・コースト構想推進機構(福島イノベ機構)の担当者から説明を受ける。

 

 

 

(2)東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)

 20203月に避難指示が解除された双葉町の中野地区復興産業拠点に、同年9月「東日本大震災・原子力災害伝承館」がオープンしました。展示や語り部の講話を通じて、複合災害の経験を教訓として未来に残し、復興や防災につなげるための拠点施設としてその役割が期待されています。

 

館内を視察し、東日本大震災及び原子力災害の被害の実相を後世に伝えつつ、災害からの復興を進める福島の「いま」について取材する。

※本プレスツアーでは、展示鑑賞のみとなります。

 

 

 

(3)福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町)

 20203月、浪江町に、再生可能エネルギー由来の電力を利用した世界最大級の水素製造装置を擁する、「福島水素エネルギー研究フィールド(略称:FH2R)」が開所しました。敷地面積は約22万平方メートル、その8割を占める太陽光パネルで発電した電力を主に用いて水を電気分解して、水素を取り出しています。1日の水素製造量は、一般家庭約150世帯の1カ月分の消費電力に相当します。FH2Rで作られた低炭素水素は、21年に開催された東京2020大会期間中、選手のリラクゼーションハウスや宿泊棟の一部、大会関係車両などの燃料としても使われました。

 現在、「道の駅なみえ(浪江町)」、「あづま総合運動公園(福島市)」および「Jヴィレッジ(楢葉町)」には、水素を使用しCO2を出さずに電気と熱を生み出す燃料電池(コージェネシステム)が設置され、発電された電力は、照明や空調など施設の一部で利用されています。

 このように浪江町は、水素エネルギーの利用を推進するとともに、企業による水素関連のさまざまな実証プロジェクトを積極的に受け入れて、「水素の地産地消」を目指しており、水素社会実現に向けた先駆けの地となり、企業や若い世代を呼び込むことも目指しています。

 

◆FH2Rを訪問し、世界最大級の水素製造能力をもつ研究フィールドを取材するとともに、水素利活用の取組や今後の事業展開について、プロジェクトマネジメントを担当する新エネルギー・産業開発技術総合開発機構(NEDO)関係者から話を聞く。

【写真提供:新エネルギー・産業開発技術総合開発機構】



 












 

(4)なみえスマートモビリティ(浪江町) 

 浪江町は、2021年から、町で暮らす人や町を訪れる人の移動に関する課題を解決するため、日産自動車と協働してオンデマンド配車サービス「なみえスマートモビリティ」の実証実験を行っています。この取組は、浪江町内全域の移動を活発にし、地域の活力を生み出す交通手段として期待されています。利用登録者は、町内のいたるところにあり、スマホアプリで確認できる「バーチャル停留所」に車を呼び出すことができます。JR浪江駅、道の駅なみえ、浪江町役場など町の主要拠点7か所にはデジタル停留所が設置され、利用登録なしでも利用できます。車は朝8時から午後730分まで(木曜、金曜、土曜は午後930分まで)運行し、利用者が呼び出してから数分で到着します。また他の乗客との相乗りも可能で利用者は2060代が中心で、多くの人が日常や仕事の足として利用しています。

 

◆日産自動車総合研究所の宮下直樹(みやした・なおき)氏から実証実験の成果や今後の課題について聞く。また、JR浪江駅周辺でデジタル停留所を視察するとともに、実際に配車サービスを利用者の声を聞く。

 

 

 

 

 

 

【写真提供:日産自動車株式会社】









 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(5)JAEA楢葉遠隔技術開発センター(NARREC

 NARRECは、福島第一原発の廃炉作業で必要不可欠な遠隔操作ロボットに関する研究開発・実証試験を行う施設として2016年4月に運用が開始されました。施設内部には、原子炉建屋内の様子を正確に再現し、実体験に近い感覚を得ながら廃炉作業計画をシミュレーションすることができるバーチャルリアリティシステム(VR)が整備されています。試験棟の要素試験エリアには、原子炉建屋内に存在する様々な階段を再現できるモックアップ階段や水温や水質を変えることのできるロボット試験用水槽などそれぞれの環境に合わせた試験設備が整っています。廃炉作業では、高放射線下で人に代わって作業を行うロボット等の遠隔技術が活用されており、今後も除染やデブリの取出しに向けた作業への更なる技術の活用が期待されるとともに、遠隔操作分野の訓練など人材育成の一端も担っています。

 

◆作業計画をシミュレーションすることができるバーチャルリアリティシステム(VR)を実際に体験する。また、実際にロボットが原子炉建屋内を想定した設備で操作されている様子や冷却水などで水没した建屋内を想定した水中ロボット試験用の水槽を視察する。

※当日実施されている実証試験内容によって、取材可能なエリアが変更する可能性があります。また、写真撮影に一部制限があります。

 


【写真提供:日本原子力研究開発機構】

 

 

(6)福島ロボット・テストフィールド(RTF

 20203月に全面開所したRTFは、東西約1,000m、南北約500mの敷地内 に、「無人航空機エリア」、「インフラ点検・災害対応エリア」、「水中・水上ロボットエリア」、「開発基盤エリア」が整備されています。物流、インフラ点検、大規模災害などに活用が期待されるドローン、災害対応ロボット、自動運転ロボットなど陸・海・空のフィールドロボットの開発を加速する上で求められる実証試験・性能評価機能を兼ね備えた、世界に類を見ない開発実証拠点です。RTFのある南相馬市は、企業誘致や人材育成にも力を入れており、研究室には様々なスタートアップ企業や大学の研究室が入居し、先端技術の研究、ロボット産業振興や人材育成、そして地域の活性化に貢献しています。

 

◆震災や原子力災害で失われた浜通り地域の産業回復の拠点として、また最先端技術の開発、発信の最重要拠点であるRTFが設立された背景や施設・機能などについて説明を受けるとともに、施設内を視察する。

【写真提供:福島ロボット・テストフィールド】









 

 

 

 






(7)ロボコム・アンド・エフエイコム株式会社

 南相馬市は2017年に南相馬をロボットのまちとする、「南相馬ロボット振興ビジョン」を策定しました。ロボット関連企業の集積による新たな雇用創出や地元製造業の活性化に向けて、福島ロボット・テストフィールドを設置する等様々な取り組みを推進しています。ロボコム・アンド・エフエイコム株式会社は、復興工業団地立地企業第1号として、最先端技術・設備を導入した工場を建設し、20216月から本格始動しました。 

 同社は、ロボットと周辺機器を一体化することでシステム構築の手間を軽減するロボットパッケージの製造、販売を手掛けているほか、大型部品や特殊品の受注加工、3次元プリンターによる造形サービス、技術者育成サービスなども展開しています。

 南相馬工場は、「カーボンニュートラルを実現するエネルギーマネジメント」「販売から生産設備まで連動した生産システム」「生産を停止させない工場のネットワークセキュリティ」などに取り組み、デジタルとリアルの融合により実現した24時間完全無人化ラインを備える、次世代型モノづくりの基幹工場として稼働しています。

 

◆南相馬工場での最先端DXの取組について、説明を受けるとともに、工場内を視察、また数多くのロボット(製造加工機器)を備えた展示場を取材する。

【写真提供:ロボコム・アンド・エフエイコム株式会社】
















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【実施要領】

1.日程:

2022年1017日(月)~18日(火)

 

2.スケジュール:

※日程は、天候等の理由により後日予告なしに内容を変更することがあります。

 

1日目】          

07:12-08:30 東京駅-郡山駅 (やまびこ123号)
10:30-12:00

「福島イノベーション・コースト構想」ブリーフィング、

東日本大震災・原子力災害伝承館 訪問 (双葉町)

12:00-13:00 昼食
13:50-15:30 福島水素エネルギー研究フィールド (FH2R) (浪江町)
15:40-17:00 なみえスマートモビリティ (浪江町)
18:15 宿舎着 (Jヴィレッジ、楢葉町)
19:00-20:00 夕食交流会

 

2日目】

08:30 宿舎発
09:00-11:30 JAEA楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)(楢葉町)
12:45-13:30 昼食
13:45-15:00 福島ロボット・テストフィールド (南相馬市)
15:15-16:45 ロボコム・アンド・エフエイコム株式会社(南相馬市)
19:16-20:48 福島駅-東京駅(やまびこ156号)

 

3.参加資格

外務省発行外国記者登録証保持者

 

4.参加費用

5,000円

(全行程交通費、宿泊費(12食)含む)

※お支払い方法、キャンセル料等については、参加者にご連絡します。

 

5.募集人数

15名(各社ペン1名、カメラ1名、TV12名まで)

※申し込み人数が15名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

6.FPCJ担当

広報戦略課 石角・濵田

Tel: 03-3501-5251E-mail: sc@fpcjpn.or.jp

 

7.新型コロナウイルス感染症に関する対応について

参加者は、本ツアー開始前の検温、ツアー中のマスクの着用、手洗い・アルコール消毒など、主催者の指示に従ってください。また、次の事項に該当する場合はご参加いただけません。

1)本ツアー参加前に検温を実施し、37.5度以上の発熱が確認された場合

2)本ツアー実施日直前14日間以内に、発熱や咳、喉の痛みなど風邪の症状、嗅覚や味覚の異常、倦怠感や息苦しさ、体が重く感じる、疲れやすい等体調に異変を感じたことがある場合

3)本ツアー実施日直前14日間以内に、新型コロナウイルス感染症陽性とされた方と濃厚接触がある場合

4)同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる場合

5)本ツアー実施日直前14日間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航歴または当該在住者との濃厚接触がある場合

 

8.備考

1)本ツアーは公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が運営を担当しています。

2)参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

3)本ツアー中に発生した事故や怪我・病気、トラブル等について、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構及びFPCJは一切の責任を負いかねます。参加者は個人の判断・責任において、必要に応じ旅行傷害保険等に加入して下さい。

(4)一部取材場所で撮影制限があります。写真・TV撮影に関しては、担当者の指示に従ってください。

5)ツアーの様子を記録した動画・写真・記事を、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構やFPCJのホームページやSNS等に掲載することがありますので、予めご了承ください。

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