プレスツアー(案内)

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実施日 : 2007年01月01日

東京スーパーエコタウン プレスツアー

投稿日 : 2013年08月25日

- ゴミの山から宝の山へ 循環型社会の構築を目指す東京の挑戦 -

 

実施日:2007年1月19日(金)

 

 

羽田空港に隣接する東京臨海地区(江東区、大田区)。東京都は、国の都市再生プロジェクトの一環として、2002年から廃棄物問題の解決と新たな環境産業の育成と循環型社会への変革を目的に、スーパーエコタウン事業を開始した。現在、中央防波堤内側埋立地ではガス化溶融等発電施設とPCB 廃棄物処理施設、大田区城南島では建設廃材や食品廃棄物リサイクル施設等、8施設が稼動している。

 

都内で一年間に排出される産業廃棄物は2350万トン(2002年)に上るが、その最終処分の多くを千葉、埼玉、栃木等の近隣県に依存している。一般廃棄物の最終処分場が限界に達しつつあると同時に、60~70年代の建築物が次々と建替えられ、建設廃材等の急増が懸念されるなど、廃棄物は東京の緊急課題となっている。

 

エコタウンは、政府と地方自治体が連携して各地の事情に合わせてリサイクル産業を育成し、廃棄物を再資源化して別の産業向けに転用し、ゴミゼロ型の地域を目指す事業。1998年に制度化され、現在、全国で26地域が指定されており、FPCツアーでもこれまで北九州や富山のエコタウンを取材した。

 

東京スーパーエコタウンでは、産業廃棄物の最終処分量を削減するため、投入する生産要素をすべて使い切り、究極的には廃棄物を出さずに再資源化することを目指している。そのため、廃棄物を徹底的に解体・破砕・選別し、そこから再生可能な原材料やパーツを回収したり、工程で発生する熱や電気を自然エネルギー源として活用する高度なリサイクル技術が駆使されている。各施設とも、防臭、防塵、防音等の衛生・環境面の配慮が行き届き、またリスクマネジメントの観点から安全対策や情報公開体制を整えており、クリーンで先進的な次世代型のリサイクル工場だ。

 

今回のツアーでは、東京臨海リサイクルパワー株式会社(廃プラスチック類や医療廃棄物を発電燃料として再利用)、高俊興業株式会社(建設現場から排出される混合廃棄物のリサイクル率重量比93%を誇る)、株式会社リーテム(自動販売機や銀行ATM等の廃電子機器のリサイクル)、バイオエナジー株式会社(食品廃棄物をメタン発酵させたバイオガスを発電に利用)の四社を訪問し、都が都内における処分率の向上と最終処分量の削減を目指し、廃棄物問題の解決に取り組む現場を取材する。廃棄物が「ゴミの山」から「宝の山」として蘇えり、リサイクル産業を「廃棄物を回収する静脈産業」から「資源を供給する動脈産業」へと変貌させる可能性をさぐる。
*企画協力: 東京都、東京臨海リサイクルパワー株式会社、高俊興業株式会社、
株式会社リーテム、バイオエナジー株式会社
取材内容

 

 

【写真1】(株)リーテム PCモニター解体作業
【写真2】東京臨海リサイクルパワー(株)クレーン操作室
【写真3,4】高俊興業(株)ダンピングヤード

 

 

1. スーパーエコタウン事業についてのブリーフィング (東京都環境局廃棄物対策部)
>> Link
2001年3月、都知事より国に対して提言した「首都圏再生緊急5ヵ年10兆円プロジェクト」において「首都圏スーパーエコタウン構想」が示され、国はこれを「都市再生プロジェクト」の一環として決定。都は02年から東京臨海部の都有地を活用し、民間を主体とする廃棄物処理・リサイクル施設の整備を進め、昨年8月までに第一次公募の8施設全てが稼動を開始した。民間事業者の選定については、循環型社会への貢献、安全性の確保・環境配慮、地域との交流・情報公開、先進的技術等の条件を課している。今後は城南島において第二次事業を展開し、高技術/効率で健全なリサイクルビジネスの発展を促す。

 

 

2. 東京臨海リサイクルパワー株式会社 スーパーエコプラント(江東区中央防波堤)>> Link
東京電力、荏原製作所他3社の共同出資により設立され、2006年8月より稼働開始した。廃プラスチックや建設廃材等の産業廃棄物、及び感染性医療廃棄物の2種類の廃棄物処理を行う。汚泥、廃プラスチック、紙・木・繊維屑、動植物製残渣等の一日の最大処理能力は550トン。 灰は高熱によりスラグ化する(一日約50トン発生)ため建設資材として再

 

利用される。感染性医療廃棄物は一日に最高100トンの処理が可能。専用の焼却炉で確実に焼却され、廃熱を発電に利用しており、これは日本で始めての試みである。産業廃棄物処理で出る廃熱とあわせて23,000kWの発電を行い、経済産業省

 

「新エネルギー等発電施設」に認定されている。

 

3. 高俊興業株式会社 東京臨海エコ・プラント(大田区城南島)

 

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1978年、それまで産業廃棄物収集運搬業を営んでいた高橋俊美現社長が創業。98年に操業開始した産業廃棄物中間処理施設「市川エコ・プラント」を機軸に、2004年12月から東京スーパーエコタウンに進出した。再資源化が困難な建設系混合廃棄物等を受入れている。「廃棄物は製品である」をモットーとし、徹底した選別と破砕技術、そして「ヒト」と「機械」の調和を図りながら90%以上のリサイクル率を達成している。産業廃棄物及び一般廃棄物の処理量は一日928トン。工場周辺に高さ10mの防風壁を設置、工場内には従
業員の健康に配慮した独自の集塵システム(集めた粉塵も再資源化)を導入し、地域や人にとってクリーンで安全な施設となっている。また、廃棄物の収集運搬も自社で行い、ドライバーの安全教育・管理にも力を入れている。

 

4. 株式会社リーテム 東京工場(大田区城南島)

 

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1909年に廃鉄処理業者の中島商店として茨城県水戸市で創業、1993年に4代目の中島賢一現社長が当時としては珍しかったパソコンのリサイクルを開始した。「廃棄物を分離・分解することによって製品にする」、「廃棄物の焼却処分を推進しない」を基本姿勢とする。2005年7月に稼動を開始した東京工場では、使用済みの鉄系複合材及び電気・電子
機器類、情報通信機器類(廃ATM機、たばこ自販機等)を受入れ、分解、選別した後、それぞれに応じた処理を行い、原料を回収している。破砕処理された処理品は、全て原料として出荷することが可能なため、ゼロ・エミッションを達成している。現在、2007年内の本格稼動を目指して中国・上海市郊外の江蘇省太倉に工場を建設中。現地日本企業からの産業廃棄物処理拠点のみならず、中国はじめアジア諸国における新たなリサイクルモデルを構築したい考え。

 

 

5. バイオエナジー株式会社 城南島食品リサイクル施設(大田区城南島)

 

>> Link
首都圏のホテル、スーパー、コンビニエンス・ストア等から収集・運搬された食品廃棄物を365日24時間体制で受け入れる。一日の処理能力は110トン。2001年の「食品リサイクル法」施行がきっかけで事業を開始しスーパーエコタウン事業に応募、城南島のリサイクル施設は06年4月から稼動している。固形状のものは、まず、強力な「破砕機」にかけて微細化される。次に「選別機」で廃プラスチックなどの不適物を取り除き、メタン発酵の原料となる廃棄物を貯留し、「発酵槽」で「メタン発酵」を行い、メタン発酵によって発生した「メタンガス」は、「燃料電池」と「ガスエンジン」を組み合わせた「コージェネレーションシステム」に利用され、「電気」と「熱」のエネルギーを生み出している。総発電量は一日24,000kW(2400世帯分の電力に相当)で、その3分の2は本年1月16日より東京電力に売電、3分の1を自家利用する。経済産業省より「新エネルギー等発電施設」に認定されており、売電時に一般の電気と比較して3円の付加価値がつき約7円で売電される。年間のCo2削減効果は約5000トン。

 

実施要領

 

 

【写真5】(株)リーテム 手選別作業
【写真6】高俊興業(株) 混合廃棄物手選別室
【写真7,8】バイオエナジー(株)外観、電気をつくる生ゴミ

 

1.日程:1月19日(金)
07:40 日本プレスセンタービル前集合
07:50 同発(借上げバスにて移動)
08:20 東京臨海リサイクルパワー(株) (中央防波堤)着
08:30-09:10 スーパーエコタウン事業についての
ブリーフィング:東京都環境局
09:10-10:40 東京臨海リサイクルパワー(株)
スーパーエコプラントの概要 説明、及び視察
10:40 同発(バス移動)
11:00 高俊興業(株) (大田区城南島)着
11:00-12:30 東京臨海エコ・プラントの概要説明、及び視察
同発(バス移動)
12:40    (株)リーテム(大田区城南島)着
12:45-13:30 事業概要説明、及び昼食懇談
13:30-14:00 東京工場視察
同発(徒歩移動)
14:10 バイオエナジー(株) (大田区城南島)着
14:15-15:10 城南島食品リサイクル施設の概要説明、及び視察
15:15 同発
16:00 日本プレスセンタービル着、解散

 

2.参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者
3. 参加費用:1人2000円(バス、昼食代含む)
*お支払い方法、キャンセル料は、追って参加者にご連絡します。
4.募集人数:先着順15名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が15名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定
することがあります。
5.FPC担当:メディアリレーションズ課 小泉、深澤(Tel: 03-3501-5070,3405)
6.備考:
(1)写真・TV撮影は担当者の指示に従ってください。
(2)東京都、東京臨海リサイクルパワー(株)、高俊興業(株)、(株)リーテム、
バイオエナジー(株)、及びFPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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