プレスツアー(案内)

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実施日 : 2007年08月23日 - 24日

2007年8月23-24日 石川県主催「能登」プレスツアー

投稿日 : 2013年08月23日

「元気宣言、能登。」-能登半島地震からの復興へ

 

東京から1時間で能登に飛び、震災復興が進む輪島を訪ねます。素朴な自然景観、朝市、輪島大祭(キリコまつり)など、奥能登の伝統的な生活文化を体感すると共に、地震から偶然生まれた模様を活用した輪島塗、震災から3ヶ月を経て再開店した寿司職人さんを取材します。

 

 

 

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本年3月25日に発生した能登半島地震は、輪島市、七尾市、穴水町で石川県内観測史上最大の震度6強を記録するなど、県政史上未曾有の大災害となった。県では、迅速な救助・医療活動と能登の生命線である能登空港や能登有料道路の応急復旧などに全力を挙げ取り組み、その結果、交通インフラやライフラインの復旧も順調に進んでいる。

 

本ツアーでは、首都圏からのアクセスが容易になった能登空港を利用し、能登半島地震からの復興が進む輪島を中心に取材する。輪島は、一昨年、文化庁が「私の旅100選~日本の歴史と文化をたずねて2005」を募集した際、その大賞が輪島塗を含む日本の漆器産地を巡る「”japan”を訪ねる旅」となったことから、昨年、小泉前総理が訪問したところ。

 

今回は、奥能登の素朴な自然景観を堪能するとともに、全国的に有名な輪島の朝市や能登の夏の風物詩と言える豪華なキリコまつりを取材し、奥能登の伝統的な生活文化を体感する。また、震災から偶然生まれた模様を活用した輪島塗の新たな取り組みや、震災から3ヶ月を経て再開店した地元の寿司職人さんなど、復興へ向けた事例を取材する。

 

※当プレスツアーは石川県が主催し、輪島市のご協力を得て、フォーリン・プレスセンターが企画運営しています。

 

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1.白米(しろよね)の千枚田-日本の原風景

 

山すそから海へと落ち込む急斜面に小さな水田が幾何学模様を描いて階段状に無数に広がる棚田。その数は2000枚を超え、1枚あたりの平均面積は畳約3枚分と驚くほど小さい。狭くて機械が入れないため、農作業は人力だけで平地にある水田の3倍もの労力が必要。2001年1月国指定文化財名勝に指定され、昨年5月には小泉前総理が訪問し「絶景だ」とその美しさを絶賛した。今年から棚田オーナー制度を導入し、田植えや稲刈りには全国からオーナーが訪れて作業する。白米千枚田愛耕会が中心となって、美しい景観を守る取り組みが行われている。

 

2.輪島工房長屋

 

輪島塗は重要無形文化財として、世界でもその名が知られている。その堅牢さは、輪島産の珪藻土からできる「輪島地の粉」を下地に混ぜたり、木口に麻布を張り付けたりする、独自の工法によって生まれる。そのため製品を完成させるまで、少なくとも20工程100以上もの手数を要する。輪島工房長屋は、輪島塗の木地づくりから、漆塗り、蒔絵や沈金の各工房が集まった新たな交流施設。ここでは、以下の工房を中心に輪島塗の製作を見学しながら、職人に話をきく。また、輪島塗の絵付け技法である「沈金(ちんきん)」や「蒔絵(まきえ)」を体験する。

 

・木地工房・・・漆器づくりの最初の工程。普段はあまり目にすることの少ない木地づくりを見ることができる。ロクロ挽きでお椀などの木地をつくる「椀木地師」。極薄の木地は、明かりが透けて見えるほどに繊細である。
・塗師工房・・・輪島特産の珪藻土を蒸し焼きにした「輪島地の粉」を漆に混ぜて、塗り重ねることで、輪島塗はとても丈夫な漆器となる。「布着せ」や「地縁引き」などの細やかな配慮を積み重ね、上質の漆を何層にも塗り重ねることで、輪島塗の深い艶やかさ、永年の使用に耐える丈夫さが生まれる。

 

3.キリコ会館

 

能登地方の夏秋の祭礼には各町内からキリコと呼ぶ巨大な御神灯をかつぎだす習慣がある。キリコは「切子燈籠」のことで、神輿(みこし)渡御の夜道の灯りとして、前衛後衛をつとめる。
キリコ会館には、江戸時代に制作された輪島塗キリコなど20基を越す能登を代表するキリコ奉燈が常設展示されており、キリコの歴史や構造についての説明を受ける。

 

 

 

4.輪島大祭(キリコ祭り)

 

キリコが神輿(みこし)のお供をして道中を照らし、神様をお守りしながら漂い、乱舞する祭りを総称して「キリコまつり」と呼ぶ。能登では、7月初旬から10月中旬までの間に、百数十を超える地区でキリコまつりが行われる。8月末の4日間、輪島市内各地で行われる輪島大祭は、キリコ(奉灯)が乱舞し、大松明が燃え盛る能登の代表的な祭である。4地区の神社の祭礼が行われ、その盛大さは輪島一を誇る。神輿がキリコを従えて渡御したあと、若衆が火を付けられた柱松明の頂上にある3本の御弊を奪い合うところでクライマックスを迎える。

 

5.御陣乗太鼓

 

名舟町に古くから伝わる太鼓で、天正5年(1577年)上杉謙信の能登攻略の時、古老の一計で奇妙な面を付け、陣太鼓を打ち鳴らし上杉軍に奇襲をかけ敗走させたのが始まりと言われている。御陣乗太鼓の伝承は地元に生まれたものにしか資格がなく、地元の子供たちは週2回、大人は毎晩太鼓の練習をしている。

 

 

 

6.輪島朝市

 

輪島の朝市は、千年以上前の平安時代から神社の祭礼日などに生産物を持ち寄って物々交換しあっていたのが始まりだと言われている。町の一日は、朝市の「買うてくだぁー」の呼び声から始まる。午前8時ごろから始まる市には、鮮魚や野菜、干物、民芸品などの品をムシロや板台の上に広げた約200件もの露店が所狭しと並ぶ。朝市の露店の場所は親から子へ、子から孫へと何代も引き継がれて、野菜などは周辺農家のおばちゃん、活きのいい魚貝・海草は漁師町の女衆が売りに出ている。

 

 

 

7.震災復興事例「すし店再開」

 

能登半島地震で唯一の犠牲者となった宮腰喜代美さんの夫で、すし店を経営する昇一さんが地震後休業していた店の営業を再開した。再出発を決意した宮腰さんを取材する。

 

 

8.「震災から輪島塗に新彩」-稲忠漆芸堂

 

地震により輪島塗の製造過程でお椀の上塗りを乾燥させる乾燥風呂が停止したために今までにない新たな模様が生まれた。これまで輪島塗の加飾は蒔絵と沈金が主であったが、地震という現象のため偶然に新たな加飾の方法が見いだされ、現在は人為的に製造出来るようになっている。漆が半乾きのまま波のように垂れた独特の模様で、震災復興の願いも込め「新彩椀」として売り出されている。新技法を再現した坂本工場長のご案内で新彩椀が生まれた工房を訪ねる。

 

 

 

9.総持寺祖院-震源地に近く、地震の爪あとが色濃く残る

 

北陸きっての古刹。約700年前に開山した曹洞宗の大本山が明治時代に大半の伽藍を焼失。その後は、本山は横浜に移り祖院となった。総持寺祖院の位置する門前地区は震源地に一番近く、地震により大きな被害を被った地域である。同院の山門の下には復興を願うメッセージを記した屋根瓦が積まれている。瓦は老朽化した本堂の修復のため、参拝客が5年前から1枚1000円で寄進しており、裏に願い事を書くのがならわしだが、被災後は近隣住民や救援に駆けつける信徒が復興を祈願する文言を書き込むようになった。ツアーでは精進料理や座禅を体験する。

 

 

1)日程

 

DAY 1:  8月23日(木)

 

09:15     羽田空港集合
10:05     羽田発(ANA747)
11:05     能登空港着
11:40-13:00  輪島工房長屋、及び昼食
13:15-13:45  輪島市の概要説明(歴史、産業、生活文化等)
13:45-14:15  輪島市長会見
14:35-15:35  白米千枚田
15:50-16:35  キリコ会館
(輪島大祭 袖が浜のみこし入水神事 取材)
17:00頃     ホテルルートイン輪島着、チェックイン
18:30-19:30  石川県主催夕食懇親会
20:10-     キリコまつり、御陣乗太鼓 取材
(ホテルルートイン輪島泊)

 

DAY 2:  8月24日(金)

 

09:15     ホテル発
09:30-10:30  輪島朝市
10:35-11:35  稲忠漆芸堂(地震から生まれた新彩椀を取材)
11:45-12:45  寿司店を再開した「すし畔」宮腰昇一氏 取材
(輪島市内から震源地近くの門前町に移動)
13:10      総持寺祖院着
13:10-13:50   昼食:総持寺にて精進料理体験
13:50-14:50   総持寺祖院の地震被害等 取材
15:20      能登空港着
15:50      同発 (ANA750)
16:55      羽田空港着

 

2)FPCJ担当: 小泉和子 菅原順也

 

3)備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。 
(2)石川県、輪島市、及びFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。 

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