プレスツアー(案内)

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実施日 : 2005年10月31日 - 11月01日

白山プレスツアー

投稿日 : 2013年08月23日

『霊峰白山、大自然の脅威と水の恵み』

 

(2005年10月31日-11月1日)

 

標高2700メートルの白山(はくさん)は富士山、立山と並ぶ「日本三名山」の一つ。奈良・平安時代から都の人々にとって、初夏まで優雅に雪をいただくあこがれの「白い山」として歌にも詠まれ親しまれてきた。また、白山は古くから神としての象徴的な存在であった。「シラヤマさん」として親しまれる白山市内の白山(しらやま)ひめ神社は、全国に約3000社ある白山神社の総本宮として白山信仰の中心を担っている。

 

しかし、白山麓に暮らす人々にとって、白山はただ美しいだけの山ではなかった。「白山は今も年間15センチ動いている」といわれるように、土石流や洪水などの度重なる災害によって大きな被害を被ってきた。1934年7月には死者・行方不明者112名の大災害が発生し、市ノ瀬集落や白山温泉は20メートルの土砂に埋まった。こうした土砂災害から地域住民を守るため、70年以上にわたって砂防事業が行われている。世界共通語ともなっている砂防(SABO)だが、白山ではテクノロジーを駆使した最先端のSABO事業が進められている。また、白山からの水を市内の農地に供給している農業用水では、携帯電話のテレビ電話機能を活用した水門の開閉システムを地元企業が開発。大雨などの災害時には、より素早い対応が可能になる。

 

一方、霊峰白山がもたらす豊かな水の恵みは、地域を潤し様々な産業を育んできた。清酒作りなどの伝統を生かしながら、人々の知恵を絞った新たな取り組みも始まっている。昨年12月に「どぶろく特区」の認定を受けた白山市では、農家民宿の経営者が原料の米の栽培から醸造までを一貫して手がけ、自家製の濁り酒で客をもてなす。また、白山水系で生まれた日本酒「白山菊酒」の世界ブランド化を目指す動きも見られる。今年8月、市内酒造メーカー5社が酒の製造に使用する水や米、製法などの審査機構を設立、日本酒をWTO(世界貿易機構)の地理的表示に登録しようと動き出した。また、白山を源とする清流、手取川は本州で鮭の遡上が見られる数少ない川だ。また、サーモンフィッシングが認められている希少な川として全国から釣り人が集う。

 

ツアーでは、霊峰白山の雄大な自然に触れながら、その脅威との闘いの歴史と人間の知恵、そして豊かな「水」の恵みを享受しながら新たな試みに賭ける人々の姿を取材する。

 

白山市
http://www.city.hakusan.ishikawa.jp/top.jsp

 

取材内容

 

 

角光雄白山市長による記者会見

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白山市は1市2町5村が合併して、今年2月に誕生、石川県最大の面積(755キロ平米)と第2の人口規模(約11万人)を有する。角市長は、3月の市長選挙で初代市長に選出された。北は日本海から南は白山まで標高差2700メートルに広がる広大な自然環境と伝統文化を生かしたまちづくりを進める。角市長の会見場所は、白山中腹の獅子吼高原に広がる総合レジャー施設「パーク獅子吼」。大自然の中で、白山市の新たなビジョンを語って頂く。

 

白山砂防事業
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長さ19メートル、幅14メートル、高さ16メートル、重さ4,800トン。「百万貫の岩」と呼ばれる巨石は、白山麓を襲った70年前の土石流のすさまじさを物語っている。112名の死者・行方不明者を出した1934年の大災害で上流から3キロも流されてきたものだ。白山では、こうした土砂災害から地域を守るため、堰堤の設置や崩れやすい斜面の保護などの砂防事業が、国の直轄事業として70年以上にわたって続けられている。

 

土砂災害防止対策全般をさす用語である「砂防(SABO)」は世界共通語となっており、国際的な協力も模索されている。ツアーでは、2001年にオープンした「白山砂防科学館」を訪問し、毎年15センチは移動するといわれる“生きている”白山の姿と砂防事業の歴史について取材するとともに、「百万貫の岩」で自然の驚異を体感する。

 

手取川七ヶ用水 -携帯電話で水門制御-

 

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手取川七ヶ用水は、白山を源流とする手取川から水を引いて白山市や金沢市など周辺4市町を潤す農業用水。大雨の時などは周辺地域に水が溢れ出さないよう、水量に応じて水門を開閉する。用水を管理する手取川七ヶ用水土地改良区は、2001年から電話回線による集中管理システムを導入。さらに、緊急時により迅速な対応ができるように、地元の世界的なモニターメーカーのナナオと共同で今年6月、携帯電話のテレビ電話機能を使った水門の遠隔監視制御システムを開発した。水門に設置されたカメラ映像をNTTドコモの「FOMA」で見ながら水量を監視、携帯電話のボタン操作で水門の開閉を行う。

 

 

白山ひめ神社

 

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創立は今から2000年以上前、「しらやまさん」の呼称で多くの人々に親しまれている。全国にある3000余りの白山神社の総本山として白山信仰の中心を担っている。境内には霊峰白山からの地下水「白山霊水」が湧き出ており、周辺住民がくみに訪れる。ツアーでは山崎宗弘宮司から白山信仰について話を伺う。

 

どぶろく特区
古来から白山の清く豊かな伏流水を利用した酒造りが盛んな白山市が、昨年12月「どぶろく特区」の認定を受けた。旅館や民宿を営む農業者に限り、酒税法で定める雑酒製造の下限数量(年間6,000リットル)が撤廃され、自家製の濁酒で宿泊客らをもてなすことができるようになった。同市で農家民宿「獅子吼荘」を営む奥村栄二さんは、石川県工業試験場や地元酒造会社で実地研修を受け、今年3月に北陸三県で初めてどぶろく製造免許を取得、4月から自家製のコシヒカリを使って本格的な仕込みを始めた。そうして出来上がった奥村さんのどぶろく「ちんとろ」(地元の方言で「ほんのり頬が赤くなる」との意味)は地元でも好評。実は「祖父の代から続く下戸で、味見は妻にお任せ」だという奥村さんを訪ね、昔ながらの素朴などぶろく作りへの情熱を取材する。

 

 

日本酒の世界ブランド化戦略「白山菊酒」
「ワインのボルドーやシャブリ、ブランデーのコニャックのような地理的原産地表示を日本酒にも」。白山水系で生まれた日本酒の世界ブランド化を目指した動きが白山で起こっている。WTO(世界貿易機構)の地理的表示に日本酒を登録しようという機運が高まる中、国税庁は今年7月、現在定める国内の地理的表示の対象(現在はぶどう酒と蒸留酒のみ)に清酒を加える改正案を発表した。白山市内の酒造5社は8月1日、使用する水や米、製法などを審査する「白山菊酒呼称統制機構」を設立、「白山菊酒」というブランドを全国そして世界へと発信していく構えだ。
同機構の設立メンバーで1716年創業の小堀酒造は、より良い環境と水を求めて2001年、白山麓の森の中に吟醸酒専用の酒蔵「森の吟醸蔵・白山」を新設、大自然の中で環境にも配慮しながら21世紀の美酒を醸す。ツアーではこの酒蔵を訪ね、最高の酒造りと世界ブランド戦略について取材する。

 

「手取川」のサケ遡上 -本州でも希少なサーモンフィッシングができる川-
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石川県最大の河川「手取川」では、石川県水産総合センターがサケの孵化放流事業を1978年から続けており、毎年600万~800万尾を放流、1万~2万尾が毎年秋、手取川に戻ってくる。県では有効利用調査の目的で、6年前から抽選で選ばれた一般市民にサケ釣りを認めており、本州でも数少ないサーモンフィッシングができる川として、日本各地から釣り人が訪れる。水産総合センターで事業の概要について説明を受けるとともに、手取川でのサケ遡上を取材する。

 

 

実施要領

 

 

1.日程案:
[第1日目(10月31日)]
(移動は借上げバス)
08:45 東京・羽田空港発(ANA751)
09:45 小松空港着
10:45-11:30 白山ひめ神社
12:15-13:00 昼食
13:00-14:00 白山砂防科学館
14:15-15:15 百万貫の岩取材
16:30-17:30 角市長 記者会見
17:45-19:30 角市長主催夕食懇談会
20:00 かんぽの郷「白山尾口」着

 

[第2日目(11月1日)]
08:30 ホテル発
09:00-10:00 小堀酒造「森の吟醸蔵・白山」(白山菊酒)
10:30-12:00 手取川七ヶ用水
12:00-13:00 昼食
13:30-14:30 獅子吼荘(どぶろく特区)
15:00-16:30 石川県水産試験場(手取川サケ遡上)
17:00 小松空港 着
17:35 同発(ANA758)
18:40 東京・羽田空港着、解散

 

2.参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者
3.参加費用:1人15,000円(交通費、宿泊費、食事代含む)
4.募集人数:先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。
5.FPC担当:矢野(Tel: 03-3501-5070)
6.備考:
(1) 写真・TV撮影は担当者の指示に従ってください。
(2) FPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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