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実施日 : 2009年10月15日

【プレスツアー】2009年10月15日:山梨プレスツアー~めざせ「CO2ゼロやまなし」~

投稿日 : 2013年08月22日

~クリーンエネルギーのふるさと めざせ「CO2ゼロやまなし」~

 

「ポスト京都」の枠組みを決める今年12月COP15を前に、鳩山総理は、2020年までに日本の温室効果ガスの排出量を「1990年比で25%削減」との目標を明言した。

 

そのような中、山梨県は、目標として2020年までに温室効果ガス排出量を「1990年比で24.4%削減」、長期ビジョンとして概ね2050年までに二酸化炭素の排出量と森林による吸収量が均衡する「CO2ゼロやまなし」を掲げ、その実現に向け、様々な取り組みを行っている。今回のツアーでは、「クリーンエネルギー先進県やまなしの実現」を掲げる同県の取り組みを取材する。
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今年12月7―18日、コペンハーゲンで国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が開催され、2013年以降の各国の温室効果ガス削減の枠組みが決定される。「ポスト京都」の枠組みを決める同会議を前に、現在、各国は自国の削減目標を公表し、地球温暖化に取り組む姿勢をアピールしている。

 

鳩山由紀夫新総理も、9月22日の国連での演説で、2020年までに日本の温室効果ガスの排出量を「1990年比で25%削減する」との目標を明言した。今年6月に麻生太郎前総理が公表した「2005年比15%削減(1990年比8%削減)」よりもはるかに高い目標設定であり、国内外から、地球温暖化対策の分野で日本が世界をリードする決意を示すものと高く評価する声があがった。他方、その野心的な数値目標が日本経済への影響を懸念する声も少なくない。目標達成と持続的経済成長の両立にはクリーンエネルギーの活用が鍵となるというのが、専門家らの一致した見方だ。

 

そのような中、富士山に代表される豊かな自然を有する山梨県は、今年3月に「山梨県地球温暖化対策実行計画」を策定。目標として2020年までに温室効果ガス排出量を「1990年比で24.4%削減」、長期ビジョンとして概ね2050年までに二酸化炭素の排出量と森林による吸収量が均衡する「CO2ゼロやまなし」を掲げ、その実現に向け、森林吸収源対策やクリーンエネルギーの普及促進など、様々な取り組みを行っている。

 

今回のツアーでは、「クリーンエネルギー先進県やまなしの実現」を掲げる同県の取り組みを取材し、鳩山新政権のもとで地球温暖化対策の新たな地平を目指す日本の将来を展望する。

 

 

1.山梨県

 

日本列島のほぼ中心、東京から西へ約100kmに位置する山梨県は、全国トップクラスの日照時間、県土の78%を占める森林、豊富な水など、豊かな自然環境を有している。

 

その特性を活かした自然エネルギーの利活用により、「低炭素社会の実現」と「経済活性化」の両立を果たすことを謳ったのが、今年6月に策定された「やまなしグリーンニューディール計画」。長い日照時間を活かした「太陽光発電」、豊富な水と急峻な地形を活かした「小水力発電」、豊な森林資源を活かした「木質バイオマス」のクリーンエネルギーの普及促進と、山梨大学と連携した「燃料電池」の技術開発の推進を目指す総合的な環境施策だ。

 

山梨県は、どのような手法で温室効果ガス排出量の「2020年までの1990年比24.4%削減」、長期的には「CO2ゼロやまなし」を実現していくのか。今回のツアーでは、2007年2月の知事就任以来、地球温暖化対策に積極的に取り組む横内正明知事にインタビューするとともに、「クリーンエネルギー先進県やまなし」実現の舵取りを担っている県環境創造課から県の新エネルギー政策についてブリーフを受ける。

 

 

2.小水力発電「元気くん1号」(都留市)

 

山梨県は豊富な水や標高差のある地形など水力発電の適地が多いが、県による奨励よりも早くから「小水力発電」に取り組んできたのが、県東部に位置する人口約3万人のまち、都留市である。

 

江戸時代から市民の生活に密着し人々に親しまれてきた「家中(かちゅう)川」が流れ、「水のまち」と呼ばれてきた都留市では、2002年度に「都留市地域新エネルギービジョン」を策定。その中で、当時はまだ新エネルギーとして認知されていなかった「小水力発電」を、市が取り組むべき新エネルギーとして取り上げた。

 

そして、市制50周年を迎えた2004年には、小水力発電の普及・啓発を図ることを目的に、また、水のまち都留市のシンボルとして、家中川に、木製下掛け水車による小水力市民発電所の建設を行うことを決定した。

 

市役所庁舎前に完成した水車「元気くん1号」の直径は6メートル。小水力発電所として最大20kwの発電能力を有し、市庁舎で使う電力の14%を供給するとともに、市民の環境意識の向上にも大きく貢献している。「元気くん1号」は、2006年度新エネルギー大賞((財)新エネルギー財団主催)、2007年度地域づくり総務大臣表彰などを受賞、注目を集めた。都留市では現在、「元気くん2号」の建設も進められている。

 

 

3.流水式小水力発電機「ストリーム」

 

天候への依存度が比較的高い風力・太陽光発電と比べ、水の流れを利用する水力発電は高い稼働率で安定した発電を得ることができる。しかし、従来のような水の落差を利用して水車やタービンを回す発電方式では、その発電施設は大掛かりなものとなるほかなかった。

 

その問題を解決し、水力発電の新たな可能性を開くものとして現在注目されているのが、東京のベンチャー企業シーベルインターナショナル社が開発した新型の流水式小水力発電機「ストリーム」

 

フロート型の水力発電システムを川に浮かべて、水流をエネルギーに変えるという全く新しいシステムであり、水の流れさえあれば工場、農業用水路など落差のない水路でも発電が可能なことから、水力エネルギーの新たな活用方法として国内外で広く注目を集めている。

 

今回のツアーでは、シーベル社の「ストリーム」展示施設(都留市)を訪れ、同社関係者から話を聞く。

 

 

4.清泉寮新館 木質バイオマス・ボイラー(北杜市)

 

八ヶ岳の中腹、標高1,400mに位置し、抜群の景観と豊かな自然を誇る清泉寮は、広大な敷地内に宿泊施設やレストラン、ジャージー牛170頭を飼育する農場などを有し、毎年70万人を超える観光客が訪れる、清里のシンボル的な施設。

 

1938年創設の同施設に、今年4月、環境教育などの拠点として新たに「国際研修交流センター(清泉寮新館)」がオープンした。その目玉が、自然と地域のエネルギーを活用することを目的として導入された、木質ペレットボイラー

 

森林県である山梨県にとっては森林保全に伴う間伐材など、木質バイオマスの活用が大きな課題の一つだが、ここでは、製材過程で発生する端材で作られた県産の木質ペレットを2機のペレットボイラーの燃料として用い、新館の給湯および暖房に活用している。ボイラー1機あたりの出力は240kw、今夏はペレットボイラーのみで必要熱量の87%程度を賄った。

 

(清泉寮に向かう途上では、間伐実施箇所の一つである甲斐東部木材団地(大月市)にも立ち寄る。)

 

 

5.大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究北杜サイト(北杜市)

 

山梨県の最北部に位置する北杜市(人口約5万人)は、日照時間日本一を誇り、内陸に位置し塩害対策が不要であることなどと相まって、太陽光発電に最適な自然環境を有している。

 

同市では、その恵まれた自然特性を活かしたクリーンエネルギーの利活用を促進するという観点から、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として、2006年度~2010年度の5カ年計画で、(株)NTTファシリティーズとともに、大規模太陽光発電システムの普及拡大に向けた実証研究を行っている。

 

研究の主目的は、天候等に起因する太陽光発電の出力の不安定性が送電系統に悪影響を与えないシステムの実現であり、合わせて各種の太陽光発電パネルの特性比較も行われている。

 

第1期工事は2007年度に完了。中央道沿いに広がる敷地には、太陽の移動に合わせて太陽光パネルの方位や傾斜角度を最適に変動させる追尾式の太陽光パネルなど、9カ国26種類約4200枚の先進的な太陽光発電パネル(600kW分)が設置されている。現在は、2010年の完成に向け、第2期工事中。最終的には出力2MW級の太陽光発電システムを完成する計画である。

 

 

【実施要領】

 

1. 日程案:

 

2009年10月15日(木)

 

07:30 日本プレスセンタービル発(借り上げバスで移動)
09:00-09:20 山梨県の地球温暖化対策ブリーフィング(於:都留市)
09:20-10:20 都留市小水力発電「げんき君1号」取材
10:30-11:00 シーベルインターナショナル社「ストリーム」取材
11:20-11:40 甲斐東部木材団地(大月市)
13:10-14:30 清泉寮(昼食、木質ペレットボイラー取材)
15:10-16:00 メガソーラープロジェクト北杜サイト取材
17:00-17:30 横内正明・山梨県知事との懇談
19:15 日本プレスセンタービル着

 

2. 参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

 

3. 参加費用: 1人3,000円(移動バス代、昼食費含む)
*お支払い方法、キャンセル料等については参加者に通知します。

 

4.募集人数: 先着10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。 

 

5.FPCJ担当: 矢野、菅原(Tel: 03-3501-3405)

 

6.備考: 写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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