実施日 : 2009年03月16日 - 17日
報告:2009年3月16~17日【福岡プレスツアー】
投稿日 : 2013年08月24日
市場開放や農業従事者の高齢化など、日本の農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、海外市場にチャンスを求め、輸出に果敢に挑む福岡県の農業を取材するツアーを実施し、ドイツ、イタリア、英国、中国、韓国、シンガポールなど8か国・地域から10名の記者が参加しました。
16日、福岡県に到着後まず、福岡県とJAグループの共同出資によって昨年12月に設置された「福岡県農産物通所株式会社」の渡辺宏社長より、福岡県の農産物輸出への取り組みについて概要をご説明頂きました。その後、アジアでブランドを確立しつつあるイチゴの「あまおう」を開発した「農業総合試験場」を訪問しました。同試験場では、「あまおう」の開発に加え、戦略的なブランド化を日本国内外で進めている他、海外輸出のためのイチゴの鮮度保持の研究を基に長距離出荷が可能な出荷容器の開発に取り組んでいます。記者は、熱心にその取り組みを取材しました。また、同試験場では「あまおう」の試食もでき、記者は「あまおう」の大きさ、赤さ、糖度の高さに驚いているようでした。
次に、「あまおう」の産地である八女市にも足を延ばし、パッケージセンターやイチゴの生産農家「樋口農園」を訪問しました。「樋口農園」は、立ったままイチゴを栽培できる「高設栽培」という手法を導入している他、市場で付加価値を付けるため「天敵栽培」を行って使用農薬の低減を行っています。3世代目の若手経営者から、若者をひきつける農業の魅力について話を聞きました。しっかりと「樋口農園」の経営理念や将来の展望を考えている若手経営者の話に記者は高い関心を持って取材していました。
17日は、早朝熊本県の県境に近い大牟田市で、こんにゃく製造業社「石橋屋」を訪問しました。職員は13人ですが、石橋歩社長がご自身で海外に出向き市場を開拓し、今では世界11か国にこんにゃくを輸出しています。記者は、不況にもひるまず、海外市場の開拓に挑戦し続ける社長の情熱を目の当たりにし、熱心にペンを走らせていました。その後、高級茶「八女茶」の生産でも全国的に知られる奥八女にある「星野村」の「星野製茶園」を訪問しました。ヨーロッパなどへの輸出の取り組みや若者向けの新商品の開発、農家の経営状況などについて熱心に取材しました。
午後は、「八女中央大茶園」を訪問し、小高い丘一面に広がる福岡県内最大の茶畑を見学したのち、老舗蔵元の株式会社篠崎を訪問しました。日本の麹文化を世界に伝えるべく、海外市場への同社製品の普及に関する取り組みなどを熱心に取材しました。