実施日 : 2008年11月20日
報告(動画):2008年11月20日【「東京都・新型インフルエンザ対策訓練」プレスツアー】
投稿日 : 2013年08月23日
■東京都総務局 総合防災部 近藤力也・情報統括担当課長
世界中のどこかでいつか必ず起きるといわれている「新型インフルエンザ」ですが、東京で発生しますと、1万5千人が死亡するという見積もりがあります。
236万人が医療機関に駆け込んで、医療機関もパニックになる、 社会機能が維持できなくなるのではないかという想定のもとに、様々な対策を講じてきているところです。
■東京都庁 防災センター 新型インフルエンザ対策訓練
訓練開始。
(東京ニュース)
11月13日、WHOはX国で新型インフルエンザの発生を確認以来、国はX国からの帰国者等に対し、成田空港などの4空港と、横浜港などの3つの港に限定し、検疫体制を集中し、・・・
(危機管理監)
第一回感染症対策本部会議を開きます。 11月13日、WHOはX国で新型インフルエンザの発生を確認、各国へ通報しました。練馬区とテレビ回線がつながっています。練馬区保健所長から報告をお願いします。
(練馬区役所 練馬区健康危機管理対策本部)
疑い患者さんは、練馬区在住の53歳の会社員の男性です。 東京感染症アラートを発動し、感染症指定医療機関である都立豊島病院へ患者を搬送致しました。
■東京都庁 防災センター・情報司令室 新型インフルエンザ対策訓練
(第一回感染症対策本部会議開催から3日後の状況想定)
(声:総合防災部 近藤力也・情報統括担当課長)
パンデミックに移行した段階で、フェーズ6Bの対策に移ります。
本日の訓練はこのフェーズ6Bを焦点においたものです。
(知事コメント)
8時30分からの知事の記者会見では、始めに知事コメントが発表されました。
「新型インフルエンザが予想を超えて感染拡大していることから、感染症法に基づく、患者に対する入院勧告措置を解除し・・・」
(東京都から各市町村自治体への通達) 伝達します。新たな確定患者が急増したことから・・・
(声:総合防災部 近藤力也・情報統括担当課長)
新型インフルエンザに感染して、重症、重篤な症状を呈している患者さんたちをどのように扱っていくかという医療体制の問題。
社会機能がパニックに陥りますので、その中でライフライン機能をいかに維持、確保するかという施策。
様々な企業の活動を感染が拡大しないように自粛してもらう、このためにどうするか。このような問題を検討するのが本日の訓練の趣旨です。
■東京都 参与(防災担当) 志方俊之氏
大きな地震の時でも、パンデミックでも、テロでも、同じチームが対応します。スペシャライズしたチームはありません。ですから、起こったことに対してそれぞれ対応しますので、いろいろな脅威を想定しなければなりません。
今回のようなインフルエンザは、どのような状態になるか想像できない。 演習をやることによって、少しづつ一番適切な解決策に近づける。
◎東京都の災害用備蓄
東京都が持っているのは300~400万人分、都内市町村自治体もある程度の食料と水を保持しています。しかし東京都の人口は1200万人です。
すべての人々の分を供給することはできませんから、個人個人で備えてもらわなくてはなりません。
◎緊急事態に対応する法体系
新型インフルエンザの場合は、災害対策基本法的な、自然災害に近いような事で対応すると思います。
通常の時の法体系で緊急時のことをやらなければならない。要するに日本には緊急事態の特別な法律というのはありません。
何故ないかというと、憲法の中に緊急事態という言葉はひとつも出てきません。
だから法体系を作ること自身がたいへんです。新しい状況が出た時にこういう法律がなければならないと思っても、憲法に規定されていないのでなかなかつくれない。
◎日本の非常時への備え
日本は、準備について、頭の中ではかなり先進的ではあります。 先進性からいくと、皆が一生懸命取り組もうとしている気持ちは合格点、60点です。
しかし、どれだけの薬を準備しているかとか、そのような緊急の生産能力や、法律の改正などの面では、40点にもならないでしょう。不合格ですね。