プレスツアー(報告)

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実施日 : 2008年09月26日

報告(動画):2008年9月26日【新潟市プレスツアー(イネ原料バイオエタノール)】

投稿日 : 2013年08月23日

食料自給率63%を誇る日本の米どころ“田園型政令市”新潟が食とエネルギーの安全保障に取り組む -「米粉」利用の普及と「イネ原料バイオエタノール」開発-

 

 

■コメでエネルギーの地産地消を目指す-イネを原料とするバイオエタノール(2008年9月26日)  

 

 

アメリカではトウモロコシ、ブラジルではサトウキビと、世界各地で農産物を原料とするエタノール製造が盛んに行われており、様々な議論も呼んでいるところだが、日本では新潟が主力農産物の米を活用し、原料イネの栽培から、エタノール精製、エタノール混合ガソリンの販売まで一貫して行う実証事業に取り組んでいる。

 

「JA全農にいがた」が事業主体となり、新潟市は県などと共に地域協議会を設立して同事業を支援する。今年度は、エタノール原料イネとして、食用稲の1.5倍の収穫量を持つ多収穫種「北陸193号」を地元農家の協力を得て栽培し、新潟東港に今年末完成予定のエタノール製造プラントでバイオエタノールを精製、隣接する全農新潟石油基地においてガソリンに混合し、2009年3月ごろ地域内のJAガソリンスタンドで供給される予定。

 

多収穫イネの栽培量は2250トン、バイオエタノール製造量は1,000KLが目標。休耕田を活用し、非主食用の米を使用することで国内の水田農業を守る「生産調整」にも役立つ形だ。

 

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篠田昭 新潟市長

 

新潟はエネルギーでも、昔、石油天然資源が日本では一番とれたという歴史があります。その新潟市で今クリーンエネルギーづくりの動きが始まっています。全農にいがたのバイオ燃料のプラントが動き出します。

 

全農にいがた バイオエタノール製造プラント(コープケミカル新潟工場)

 

バイオエタノールもお酒をつくる方法と同じ方法です。
コメはでんぷんですので、最初の小さな二つのタンクで、90度で、コメの粉を液化します。
次の大きな二つのタンクでこれを糖化、糖にかえます。
次の黄色い階段のついているタンクで、発酵します。
連続で、製造するので、日本酒よりはアルコール濃度が低い、8%程度の発酵で終わります。
もろみ塔といいます。だいたいアルコール40%、焼酎グレードになります。 80%くらいまでアルコールを濃縮します。精留塔、蒸留塔で。
脱水膜という膜を通すことによって、アルコールを更に99.5%まで濃縮します。
1週間につくったバイオエタノール、だいたい22キロリットルをタンクに積んで、燃料基地に送りだします。

 

 

JA全農にいがた 石山嗣 バイオエタノール専任課長

 

こちらがバイオエタノール用の原料となる北陸193号です。
いっぱいコメがとれる多収穫イネです。
今紹介した稲を300ヘクタールの面積で今栽培をしております。
10月に刈り取りを致しまして、約2300トン、収穫する予定です。

 

日本では約260万ヘクタールの水田面積があります。
そのうち約40%はコメが作れません。
コメを作れない田んぼを放置しておきますと、荒れてもとの田んぼに戻せなくなります。
私どもは本当に食糧危機が訪れた時に、その水田をいつでも水田として使えるように、維持しておきたいと思っています。

 

コメを原料としたバイオエタノール混合ガソリンの販売は世界初です。
日本の目標は2030年に600万キロリットル製造することです。
その目標に向かって、今、取り組んでおります。

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