プレスツアー(報告)

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実施日 : 2019年02月14日 - 15日

報告:袋井市プレスツアー

投稿日 : 2019年03月07日

2019年214日~15日、袋井市主催、FPCJ企画・運営でラグビーワールドカップ2019RWC2019)開催地である袋井市を取材するプレスツアーを実施しました。

 

ツアーには、英国、米国、フランス、中国、台湾、ベトナム、バングラデシュのメディアに、日本国内発行の英字紙を加え、計10名の記者が参加しました。参加記者たちは、RWC2019を約半年後に控えた袋井市の準備状況や、袋井市が誇る食育の取組、津波対策について取材しました。

 

◎このプレスツアーの取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。

 

 

 

1日目】

 

<エコパスタジアム>

 

記者一行は、RWC2019の試合会場となるエコパスタジアムを訪れ、冒頭に袋井市の担当者より市の立地や人口、主要産業など市の概要について聞きました。

 

続いて、施設を管理する小笠山総合運動公園エコパの担当者からスタジアムの準備状況について聞き、客席やロッカールーム、グラウンドなどを見学しました。

 

 

記者からは、日本の対戦相手となるアイルランドなど、世界トップクラスのチームの試合をホストすることになるがプレッシャーはないか、会場までのアクセスはどうか、などの質問が挙がり、担当者は2015年に行ったイングランドの試合を始めとする過去の実績について紹介するなどして準備は万全、と意気込みを語りました。記者は、その後、スタジアム最寄のJR愛野駅に設置されたラグビーボール型の巨大モニュメントも見学しました。

 

 

 

 

 

昼食は、江戸時代に袋井宿で食べられていたという卵料理を再現した「たまごふわふわ」を堪能。

袋井市観光協会の担当者にそのいわれについて聞きました。 

 

 

 

<袋井市の津波対策>

 

①ブリーフィング

袋井市 危機管理課の担当者より、袋井市の津波対策全般について説明を受けました。担当者は、全市民に配布しているハザードマップなどを見せながら、市内の避難施設の位置関係や市民への広報啓発の取組などについて説明しました。

 

記者は、今後30年以内に津波が発生する確率、海から1キロ範囲内に暮らす住民の世帯数、これまでに起きた過去最大の地震などに質問しました。

 

 

 

②海岸防潮堤 袋井市静岡モデル防潮堤整備事業

全長5.35kmに渡って防潮堤の工事が行われている海岸を訪れ、袋井市 都市建設部の担当者から市民の財産を守るための防潮堤建設について説明を受けました。

 

記者からは、市は津波や地震対策にいくら投資しているか、防潮堤建設にあたって市民から反対の意見はなかったのか、などの質問が挙がりました。また、コンクリートではなく盛り土と防災林で津波を防止するという発想がとても良いと思う、などの感想も聞かれました。さらに、RWC2019の観戦で袋井市を訪れるラグビーファンに向けて市の安全性を伝えるメッセージを市職員に求める記者もいました。

 

③江戸時代の命山


高潮の被害から住民の命を守るために江戸時代に作られた「中新田命山」を訪れ、袋井市 教育委員会の担当者から、当時の様子などについて話を聞きました。記者からは、江戸時代の命山は他の地域には残っていないというが何故か、ここは海から何キロ地点か、収容人数は何人くらいか、などの質問が挙がりました。

 

 

 

 

④平成の命山


先人の知恵を生かして東日本大震災後に建設された平成の命山の一つ、「湊命山」を訪れ、袋井市 危機管理課の担当者から、想定される津波の高さやその到着時間などについて聞き、備蓄品を視察しました。記者からは、備蓄品はどのくらいの頻度で入れ替えるのかなどの質問が挙がりました。

 

 

 

 

⑤津波避難タワー、あさば保育園による避難訓練

地域の津波避難計画の強化を図る中で2012年に完成したタワーを訪れ、隣接するあさば保育園の避難訓練の様子を取材しました。園の皆さんは、地震発生のアナウンスが流れると瞬時に机の下に潜り込み、ものの5分でタワーの上へと駆け上りました。記者たちはその速やかな避難の様子に驚きの声をあげていました。

 

避難訓練を主導する先生からは、同園では週1回の頻度で避難訓練を実施しており、年度初めに比べると園児もずいぶん素早く避難できるようになったとの話がありました。

 

 

 

 

<ヤマハリゾート葛城ホテル北の丸>

 

津波避難対策の取材を終えた一行は、宿泊先であるヤマハリゾート「葛城ホテル北の丸」へ。北の丸では、安藤社長の案内で客室やバンケットルーム、ヤマハの最高級オーディオセットが設置されたラウンジなどを視察しました。

 

視察後には、ベトナムTVがその美しい木造建築について社長に個別インタビューを行いました。社長からは、木造古民家を移築して建てられたホテルの経緯や建築上の特徴など、北の丸の魅力について説明がありました。

 

 

 

 

 

 

2日目】

 

<袋井市の食育・学校給食に関するブリーフィング>

 

袋井市立中部学校給食センターを訪れ、袋井市 教育委員会 おいしい給食課の担当者に、地場産物を活用した袋井市の学校給食などについて聞きました。

 

記者からは、市の学校給食は一元的に給食センターで作られているのか、一食における野菜の使用率など市独自の規定はあるか、食の西洋化が進んでいると言うが給食における和食と洋食の割合は、市の子供の肥満率は全国平均に比べてどの程度か、など多くの質問が挙がりました。また、春巻きやハンバーグを給食センターで手作りしている動画の紹介があり、一から作っているなんて驚いた、とても感心した、などの感想が聞かれました。

 

 

 

<チンゲンサイ農家>

 

給食食材にチンゲンサイを提供している農家を訪問し、地産地消の給食を支える生産者としての想いについて聞きました。

 

記者からは、何代目か、何棟のハウスを管理されているか、給食食材に使われることで気にかけていること、などについて質問が挙がり、日頃から新鮮さを大切にしているとの説明がありました。

 

 

 

 

<給食取材>

 

学校給食が作られる過程について学び、生産者を取材した記者一行は、いよいよ給食が子供たちの口に運ばれる様子を取材するため、袋井市立高南小学校を訪れました。

市の中学校生にデザインされたというカラフルな給食配送車が小学校に到着。給食室に運ばれる様子を撮影しました。

 

 

 

 

続いて、栄養教諭の先生から栄養教諭の仕事内容や学校給食の流れ(身支度、配膳、挨拶など)、指導の概要などについて説明を受けました。

 

記者からは、小学校における栄養指導の重要性について具体的に教えてほしい、子供たちから献立に対する要望があがってくることはあるか、などの質問の他、外国人児童の数と献立における配慮の有無、四季折々の日本の行事を取り込んだメニューなどにも話題が及びました。

 

 

 

4時間目の授業が終わり、子供たちによる給食の準備が始まりました。記者は、身支度から配膳まで取材し、続けて給食を前にした栄養教諭の先生による「もったいない」をテーマにした食事指導の様子も取材しました。

 

さらに、記者たちも児童のみなさんに交じって給食を食べました。記者たちは、どこから来たのか、どんな仕事をしているのか、など児童の皆さんからもたくさんの質問を受けていました。

 

 

 

 

食事の後は、代表の児童2人にインタビューを行いました。記者からは、給食は好きか、配膳の際に気にかけていることはあるかなどの質問の他、英語の授業やラグビーワールドカップに関する質問も挙がりました。児童からは、給食はみんながなるべく同じ量になるように気を付けている、綺麗に盛るようにしている、などの回答があり、ラグビーについてはタグラグビーをやって楽しかった!などの声が聞かれました。

 

 

 

 

<英語教育>

 

袋井市 教育委員会の担当者より、英語教育と清掃活動について説明を受け、英語の授業を見学しました。飲食店で好きなものを注文するロールプレイでは、児童のみなさんの元気な声が教室に響き渡っていました。

 

 

 

 

 

 

<原田 英之 市長インタビュー>

 

記者一行は、小学校を後にして袋井市役所へ。

原田市長からは、ラグビーワールドカップに向けた抱負について聞きました。市長は、「ラグビーが好きな人を増やすのが自身の役割」と語り、タグラグビーやラグビースクラム等のイベントについて紹介。各家庭で外国人訪問客をもてなす袋井版ホームステイの実施についても説明がありました。さらに、市長は、会期中には屋台でも気軽にクレジットカードで買い物ができる仕組みづくりを模索中であると、着々と進む準備の様子について言及しました。

 

記者からは、原田市長は2002年の日韓共催FIFAサッカーW杯も経験されているが、どのような点を今回のラグビーワールドカップで生かしていきたいか、袋井市では強豪の4試合が行われるが、どのくらいの訪問者数を想定されているか、地元の経済にはどのくらいの効果が期待できるか、など多くの質問が挙がりました。

 

 

 

 

 

 

◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)

 

 

1.ベトナムテレビ(ベトナム/テレビ)

1Quần thể kiến trúc gỗ cổ Kominka độc đáo của Nhật Bản (13:5416:20

(仮訳:VTV1 10時のニュース番組「ユニークな古民家 木造建築」)

https://vtv.vn/doi-song/quan-the-kien-truc-go-co-kominka-doc-dao-cua-nhat-ban-201902191029227.htm

 

2Thế giới hôm nay(7:20~9:39)

  (仮訳:VTV1 10時のニュース番組『世界の「いま」』津波避難訓練

https://vtv.vn/video/the-gioi-hom-nay-25-02-2019-353391.htm

 

2.経済日報(中国/新聞)

1)日本也推“光盘行动”(仮訳:日本が推進する取組「残さず食べよう」)

http://paper.ce.cn/jjrb/html/2019-02/24/content_384609.htm

 

2)防震防災(仮訳:防災)

https://www.iesdouyin.com/share/video/6661933863889128715/?region=CN&mid=6415857222269537025&u_code=15l4d16c9&titleType=title&timestamp=1551163074&utm_campaign=client_share&app=aweme&utm_medium=ios&tt_from=copy&utm_source=copy&iid=63749524606

 

3.The Japan Times(日本/新聞)

Fukuroi ready to welcome fans for Rugby World Cup

(仮訳:袋井市、ラグビーワールドカップに向けファンを迎え入れる準備は万全)

https://www.japantimes.co.jp/sports/2019/02/26/rugby/fukuroi-ready-welcome-fans-rugby-world-cup/#.XHjIFYj7TIU

 

4.The Guardian(英国/新聞)

Baked cod, miso and bok choy: unpacking Japan's healthy school lunches

(仮訳:たらのみそ焼きとチンゲン菜:健康的な日本の給食をひも解く)

https://www.theguardian.com/world/2019/mar/01/baked-cod-miso-and-bok-choy-worlds-healthiest-school-lunches-japan-kyushoku

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