プレスツアー(報告)

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実施日 : 2016年09月12日 - 14日

報告:九州(熊本・鹿児島)プレスツアー

投稿日 : 2016年10月31日

4月に2度にわたり震度7の地震に見舞われた熊本県。熊本地震からの復興にむけて歩みを進める熊本県の現状と火山の恵みと共に生きる鹿児島県指宿市の取組を取材するプレスツアーを実施しました。

本プレスツアーには、韓国、中国、香港、台湾、イタリア、ドイツ、米国の7カ国/地域から10名の記者が参加しました。

 

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<1日目>

1.益城町 

 熊本地震で甚大な被害を受けた益城町を訪問し、同町役場関係者の案内により地震の被災状況を取材しました。記者は「益城町全体の復興に係る費用はどのくらいか」、「補正予算は足りるのか」と言った質問を町役場関係者に投げかけながら、地震によって全壊や半壊した家屋や地割れした道路などを写真に収めていました。

 

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2. 南阿蘇村 

(1)  ペンション「ティンクナ」経営者 森尾寛昭氏へのインタビュー

 南阿蘇村を走る299号線沿いにバスを停め、記者は地震の被害を受けたペンションを背景に、ペンション経営者の森尾寛昭氏へインタビューを行いました。記者は森尾氏から2回の地震が起きた時の様子を詳細に聞き、「被害状況とペンションを修理するまでに係る費用や期間はどれくらいか」、「ペンション経営を南阿蘇村で再開する予定なのか。それとも別の場所に移るのか」等、様々な質問を投げかけました。森尾氏は「今回の地震を受けてペンション経営を一生の仕事として続けていきたいと強く感じるようになった。将来に向けて不安はあるが早くペンションを再開させ、お客さんの喜ぶ顔が見たい」との心境を語りました。

 

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(2)  南阿蘇村 仮設住宅

 南阿蘇村長陽運動公園仮設団地を訪れ、南阿蘇村役場建築課担当者より南阿蘇村の仮設住宅について概要説明を受けると共に、同団地の仮設住宅の入居者へのインタビューを行いました。記者からは「仮設住宅の耐震性は問題ないのか」や、「仮設住宅に入居できる期間は法律で2年と決まっていが、実際に仮設住宅が役割を終えるまでどのくらいの時間がかかりそうだと感じるか」などの質問が出ました。

 

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 (3)  カフェ「ティッペル」

 熊本地震の後、復旧作業員にペンションの部屋を貸し出しながら、カフェの営業を再開した小山さん親子を取材しました。毎年雑貨の買い付けにドイツを訪問している小山さん一家に対して記者は「ドイツからの支援はあったか」や、「被害があったペンションの修理費に公的な補助は出るのか」などの質問を投げかけました。

 

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3.株式会社 阿蘇ファームランド

 阿蘇ファームランドに到着した一行は、増田康二営業統括部長、企画広報部の森山千鶴支配人の案内で、熊本地震によって地滑りを起こした山の様子を展望台から視察しました。その後、熊本地震発生時の様子や、ファームランドが避難者を受入れるに至った経緯についてお話しを聞きました。記者は、被災者が一部ドームハウスに留まる一方で観光客向けに施設の営業を再開するうえで気を付けている点や、海外からの観光客への影響について質問が上がりました。また、記者は軽量かつ耐震性に優れたドームハウスを仮設住宅として利用する可能性や、海外でのドームハウスの需要、輸出の可能性、新たなビジネスチャンスについても質問を挙げ、ドームハウスにも高い関心を示していました。

 

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4.阿蘇坊窯

 阿蘇の火山土壌を使って作品を作る陶芸家山下太氏の窯を訪問しました。記者から自信作は何かと聞かれた山下氏は、阿蘇のカルデラと阿蘇山をイメージした土鍋を紹介。記者は、地震発生当時の様子や山下氏が陶芸家を目指したきっかけなどについて聞きながら、山下氏が陶器を作っている様子も撮影しました。

 

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5.阿蘇プラザホテルDSC03548

 阿蘇観光協会の会長などを務める阿蘇プラザホテルの稲吉淳一社長より、熊本地震による観光業などの地元経済への影響について話を聞きました。稲吉社長は、阿蘇に滞在していた観光客に被害はなかったことが不幸中の幸いであったと振り返りながら、「阿蘇は危ないから行ってはいけないという噂があるが、内牧温泉は元気に営業している。外国の観光客がいち早く阿蘇に戻ってきてくれたことに感謝している」と記者に語りかけました。

 

 

 

<2日目>

6.蒲島郁夫・熊本県知事インタビュー 

 記者は熊本地震からの復興の現状と課題、熊本地震から学んだ教訓、海外からの支援について蒲島知事に話を聞きました。蒲島知事は、震災発生時から事態が刻々と変化する中、被災者の希望に沿った対応を迅速に施すことに注力してきたと振り、初動の重要性を訴えました。また、蒲島知事は、「本格的に復興を進めていく中で、被災者の痛みを最小限にしながら、在任期中に課題を乗り越え、熊本県の創造的復興を目指したい」と意気込みを語りました。インタビュー終了後には、熊本県のPRマスコットキャラクターのくまモンも登場しました。

 

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7.熊本城

(1)城彩苑 

 お土産屋や飲食店が軒を連ねる城彩苑で営業を再開した飲食店関係者より震災当時の様子や震災後の客足について聞きました。記者は、熊本地震直後の客足の影響や城彩苑の売上、ふっこう割の効果等について質問を挙げました。

 

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(2)熊本城

 熊本城総合事務局の梅田雄介氏による案内で、熊本地震と度重なる余震により甚大な損傷を受けた熊本城を取材しました。記者はビデオやカメラで熊本城の姿を撮影しながら梅田氏の話に耳を傾け、「熊本城全体の修復はいつまでの完了を目指しているか」、「熊本城の修復に一口城主制度を活用する予定はあるか。外国人や海外に住む人からの支援も受け付けているのか」、「地震発生後に熊本城を初めて見たとき、どんな思いだったか」といった質問を投げかけました。また、震災の爪痕が残る熊本城の櫓や全壊した石垣を背景に立ちレポートを行う記者もいました。梅田氏は、「子供のころから熊本城を見て育った。2回とも地震発生後すぐに点検に来た。倒壊した石垣を目にした時、言葉も出なかった。」と当時の心境を振り返りました。

 

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8.経済産業省九州経済産業局および九州観光推進機構によるブリーフィング

 熊本駅から九州新幹線で鹿児島県指宿市に移動した後、経済産業省九州経済産業局の川原昌喜投資交流促進課長および九州観光推進機構の高橋誠本部長より、熊本地震の経済への影響と九州観光復興への道のりについて説明を受けました。記者からは九州に生産工場を置いている日本の主要自動車メーカーや電気機器メーカーの被害状況、業種毎の回復状況、復興割引制度の詳細とターゲットにしている人数、政府の二次補正予算による経済刺激策、熊本地震による観光客への影響についてなど多岐に亘る質問が挙がりました。

 

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<3日目>

9.指宿市関係者による概要説明 DSC03781

 指宿市商工水産課の上田和成氏と観光課の加治仁氏より、火山の恵みを受ける指宿市の特徴や主な産業、観光について説明を受けました。記者からは、台湾、香港、韓国、中国からの観光客の割合、地熱発電量、火山灰土壌がサツマイモやオクラの栽培に適している理由などについての質問が出ました。

 

 

 

 

10.ヘルシーランド露天風呂「たまて箱温泉」  DSC03776

 指宿市営の日帰り露天風呂「たまて箱温泉」を営業時間前に訪問しました。指宿市の上田氏より同温泉の人気は利用者の口コミで日本中に広まり、今や年間7万人が来場する日帰り温泉となったとの説明を聞き、記者は驚きの声を挙げていました。

  

 

 

 

 

 

 

 

11.指宿酒造株式会社

 薩摩焼酎を製造する指宿酒造会社を訪問し、上川床浩行常務兼工場長の案内でサツマイモの処理から、米麹造りの様子や薩摩焼酎の原酒が出来上がるまでの過程を視察しました。説明を受けた後の質疑応答で記者は、蒸留に使用したサツマイモの残りカスの活用法、薩摩焼酎の年間出荷量、若者の焼酎や日本酒離れの傾向と焼酎生産への影響、海外輸出量などについて尋ねました。

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  12.いまむら養殖有限会社

 ウナギの養殖に温泉水を活用した養殖場を営む、いまむら養殖有限会社を訪問しました。今村寛信社長の案内で養殖場を視察しながら、記者からは「温泉を利用することでどれ程のコストが節約できるのか」や、「養殖から出荷までどのくらいの時間を要するのか」、「温泉がウナギの養殖に適しているのか」、「稚魚の価格の高騰がどのくらい経営に影響しているか」などの質問が出ました。

 

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13.サツマイモ栽培農家

 指宿酒造株式会社へ薩摩焼酎造りの原料となるサツマイモを生産している栽培農場を訪問しました。記者はサツマイモ栽培に適した火山灰土壌の特徴について説明を受けながら、サツマイモを収穫する様子を視察、撮影しました。

 

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14.砂蒸し温泉、山川製塩工場跡 

 3日間の九州プレスツアーの締めくくりに、山川製塩工場跡と砂むし温泉を取材しました。現在も地下から噴出する蒸気と温泉が湧き出る山川製塩工場跡を撮影しながら、砂むし温泉のある浜辺に移動しました。指宿市の上田氏より砂むし温泉の効果について説明を受けた後、記者は、砂の中に埋まるユニークな入浴法で世界的に知られている砂蒸し温泉の様子を撮影しました。

 

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