実施日 : 2016年06月09日 - 10日
報告:長野プレスツアー
投稿日 : 2016年06月22日
長野県は、今年8月に上高地で山の日記念全国大会、9月に軽井沢でG7交通大臣会合の開催を控えています。そこで、日本を代表する山岳リゾート「上高地」の魅力と環境保全や安全な登山への取り組み、また健康長寿世界一を目指す同県の取り組みを取材するため、G7交通大臣会合長野県推進協議会事務局及び第1回「山の日」記念全国大会実行委員会主催、FPCJ企画協力によるプレスツアーを実施しました。
本プレスツアーには、中国、台湾、ベトナム、シンガポール、ドイツ、フランス、イタリア、デンマーク、米国の9か国/地域から11名の記者が参加しました。
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[1日目]
1. マイクロストーン株式会社
長野県佐久市の地元企業マイクロストーン(株)が開発した、歩き方をセンサーで計測してデータ化・分析し、健康長寿に活かす「THE WALKING(ザ・ウォーキング)」を取材しました。白鳥敬日瑚(のりひこ)代表取締役社長からは、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに全国に製品を普及させ、寝たきりゼロを目指す」という抱負を聞きました。その後、モデルがセンサーを付けて歩行した後、データをもとに体に負担の少ない歩き方を指導するデモンストレーションがありました。記者からは、競合他社と比較したときの「ザ・ウォーキング」の特徴、長野県民の歩き方への評価、日本人と外国人では歩き方は違うが、海外展開する際、歩き方の指導は現地に合わせたものにできるか、という質問が挙がりました。
2. 佐久総合病院(会場:佐久医療センター)
夏川周介名誉院長から、日本人や長野県民の長寿の要因、同院が始めた集団健診の歴史について説明を受けた後、リハビリセンターを見学しました。記者からは、長野県民の長寿の立役者とされる保健補導員が果たした役割、医師不足解消のため、政府は対策をとるべきと思うか、リハビリセンターではロボットスーツを取り入れているかといった質問が出されました。
3. 食生活改善推進員の活動(ぴんころ御膳等)、ぴんころ地蔵
佐久市長より、「佐久市を世界で最も健康的な町にしたい」という抱負を聞いた後、地域で健康的な食生活の普及を進めてきた食生活改善推進員(食改さん)の活動について聞きました。その後、「ピンピン(健康で長生きし)、コロリ(寝込まず楽に大往生する)」に由来する佐久市が考案した「ぴんころ御膳」を食改さんが調理する様子を撮影し、試食もしました。「ぴんころ御膳」は、減塩のための工夫が凝らされていることから、ある記者は、塩分の摂取過多が身体に及ぼす悪影響を栄養士に問いかけていました。
その後、地元の名ガイドの案内で、年間10~15万人の観光客が訪れるという長寿地蔵尊(ぴんころ地蔵)を訪れ、撮影しました。
4. ㈱小川の庄
長野市の西に位置する小川村の山深い集落にある株式会社小川の庄の「おやき村」を訪れました。権田公隆代表取締役から、同社では社員83人のうち、30人を65歳以上の高齢者が占め、定年がないため、希望する限り働き続けられることなどや、高齢者は郷土食であるおやき作りに慣れているので即戦力になることなどを聞いた後、おやき作りを体験したり、食したりできる囲炉裏のあるスペースへ移動しました。そこで、最高齢社員(92歳)の権田近芳さんなどを囲み、焼き立てのおやきを試食しながらインタビューを行いました。記者は、権田近芳さんには、仕事のやりがいや日本がどう変わったかと聞いていました。権田代表取締役には、高齢の社員が多いことをリスクと捉えないか、働き手を確保する上で人口減少を心配しているかといった質問を投げかけていました。
[2日目]
5. 上高地散策
松本市山の日記念大会推進室の加藤銀次郎室長より山の日制定の意義を聞いた後、雲一つない晴天に恵まれた一行は、ガイドの案内で上高地を約2時間かけて歩き、上高地の歴史、環境、自然に関する話を聞きました。途中、観光客にインタビューをしていた記者もいました。昼食の前には、上高地町会長から、地元住民でつくる「上高地を美しくする会」による清掃活動やマイカー規制を始めとする環境を守りながら観光客を受け入れるための地元の努力について説明を受けました。記者からは、山の日の記念大会開催地として上高地の観光客が増え、それによって環境が悪化することを心配しているか、外国人観光客が増えるとゴミは増えると思うか、観光客が減ったのはなぜか、山の日に期待することは何かといった質問がありました。
6. 株式会社ヤマレコ
「ヤマレコ」は日本最大級の登山専用コミュニケーションサイト。㈱ヤマレコの的場一峰社長から、登山記録の登録などのデモンストレーションを含む「ヤマレコ」の紹介や同社が取り組む「安全な登山」のための登山計画書作成・送信サービス「ヤマプラ」、長野県などと開発を進めている登山者の位置情報共有サービスについて聞きました。記者からは、類似ウェブサービスとの違い、プロの登山家による「ヤマレコ」の利用はあるかといった質問が出されました。