プレスツアー(報告)

一覧に戻る

実施日 : 2016年02月17日 - 18日

報告: 三重県・東紀州プレスツアー

投稿日 : 2016年04月08日

伊勢志摩サミット三重県民会議が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力して実施した三重県へのプレスツアー第二弾は、海と山の自然に恵まれた三重県南西部の東紀州に焦点をあて、林業と水産業の特色ある取り組みと世界遺産の熊野古道伊勢路を取材しました。本プレスツアーには、米国、カザフスタン、フランスの3か国から4名の記者が参加しました。

第二弾のツアー案内はこちら
ツアー中に現場からお届けしたレポートはこちら

 

<1日目>

1. 速水林業

DSC00974

東紀州北部の紀北町で林業を営んでいる速水亨氏より、高い作業効率を追求し、高品質な木材を生産する同社の取組について説明を受けました。また、速水氏の案内で、法隆寺の次回改修時に使用されることを目指して育てているヒノキや出荷用の木材を裁断する様子を撮影しました。記者は、「政府や自治体からの補助金がなければ日本の林業は衰退すると思うか」、「バイオマス燃料の需要は高まっているか」、「原油価格の下落は木質ペレットの生産・販売に影響を及ぼすか」と質問。速水氏は、様々な工夫を凝らすことで更なるコストダウンを図り、海外とも競争できる力を付けていくことが必須であり、森林を維持管理するためのファンドの設置や都市部の木材市場の開拓など、停滞している日本の林業を前進させるための新しい取組が鍵になると回答しました。

 

 

2. 熊野古道センター

DSC01016

熊野古道センターコーディネーターの橋本博氏より、伊勢神宮への参拝を終えた人々が熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)にお参りするために歩いた熊野古道伊勢路と、それを含む世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」全般について詳細な説明を受けた。また、同センターに展示されている熊野三山の巡礼(熊野詣)を描いた2つの曼荼羅を見ながら、熊野詣は、階級、性別、年齢関係なく、希望する全ての人に広く開かれていたことが特徴であるとの説明を聞きました。記者からは「熊野詣が一番盛んだった時期はいつか」、「年間何人くらいが巡礼していたか」との質問が挙がりました。また、主に東紀州産のヒノキで造られた同センター内の香りの良さに記者は驚いていました。

 

 

3. 松本峠

伊勢神宮から熊野速玉神社(和歌山県)を目指した旅人にとって伊勢路最後の峠である松本峠を、熊野古道語り部友の会の中井大弼氏の案内で歩きました。中井氏から、松本峠の石畳は江戸時代に仕事を求めてやって来た石積職人によって舗装され、松本峠を含む熊野古道伊勢路は参詣道であると共に人々の生活の道であったという説明を受けました。記者は、「伊勢から松本峠まで歩くとどのくらいの時間がかかるか」や、「現在は巡礼を目的に歩く人はいるか」といった質問を投げかけていました。

4. 花の窟神社

日本最古の神社と言われ、世界遺産でもある花の窟神社を一日目の最後の取材先として訪れました。宮司の山川均氏の神社の紹介を受け、記者からは「伊勢路を歩いた参詣者もこの神社に参拝したか」、「日本一長いとされるしめ縄の長さはどのくらいか」等の質問が挙がりました。

5. 夕食交流

各取材先の関係者や東紀州の各自治体の首長、伊勢志摩サミット関係者らも出席した夕食交流会で、記者は、東紀州の食材を使用した料理に舌鼓を打ちながら、参加者と歓談しました。また、会場に多数設置された各自治体の紹介ブースを巡り、それぞれの特徴を学びました。

 

DSC01041 DSC01048 DSC01053

 

 

<2日目>

DSC01062

6. 早田漁師塾

人口わずか156人の早田町では、町の活性化に取り組む「ビジョン早田実行委員会」が4週間にわたる漁師体験・研修プログラム「早田漁師塾」を実施しています。記者はまず、朝の漁を終えて港に戻った同塾の卒業生にインタビューをし、「以前はどのような仕事をしていて、なぜ漁師になりたいと思ったか」、「早田漁師塾を経て、漁師への憧れは強まったか」といった質問を投げかけました。ビジョン早田実行委員会長の岩本芳和氏や同委員会の運営に携わる地域おこし協力隊の石田元気氏からは、同塾実施の背景や活動内容の説明を受けました。記者は、「漁業を観光につなげる試みはあるか」、「漁師塾の受入れ人数が少ないのはなぜか」などと問いかけました。

 

7. 尾鷲物産(株)

ブリの養殖・加工・出荷・販売を手掛け、海外輸出の業績も伸ばしている水産加工業者、尾鷲物産株式会社を訪問しました。同社による事業説明の中で、「養殖に力を入れているのは、天然ブリの漁獲量が激減しているからか」という記者からの質問に対し、代表取締役社長の小野博行氏は、天然ブリは7、8年前から増加傾向にあり、今年は暖冬の影響により漁獲量が少ないと回答しました。その他、今後の事業展開や働き手の確保について聞く質問も挙がりました。ブリを顧客の注文に合わせて必要な部位別に加工する工場の視察では、機械導入の背景や衛生管理に関する質問も多く出されました。その後、一行は漁船に乗り、生簀から水揚げされたブリの活け〆や、餌やりの様子を取材しました。

IMG_0143 DSC01097

 

DSC011008. 株式会社ディーグリーン

mogcook(モグック)というブランド名で、離乳食作り用に加工した魚の通信販売を行う株式会社ディーグリーンの立花圭氏から、モグックの独自性を中心に事業の説明がありました。記者は、売り上げや課題、海外展開の予定、政府や自治体からの支援について質問を投げかけました。モグック利用者のお母さんへのインタビューでは、「なぜモグックを利用しているか」、「子供の成長に合わせて、離乳食用食材以外に販売してもらいたい商品はあるか」等の質問が挙がりました。

 

 

 

9. 三重県知事インタビュー

DSC01111

鈴木英敬知事からのプレゼンテーションの後、記者からは、「三重県には、自動車などの製造工場が多いが、労働力としての外国からの移民の受入れについてどう考えるか」、「10月に鈴鹿サーキットで行われるF1日本グランプリへの意気込みはいかほどか」、「伊勢志摩サミットの経済効果はどのくらいを期待するか」、「三重県が特に力を入れている産業は何か」といった質問が出されました。それぞれの質問に対し、知事は、三重県は10万人あたりの在日外国人数が全国3位であり、移民を受け入れる土壌は既に整っていること、F1日本グランプリについては、鈴鹿地域の自治体と一体となってモータースポーツの魅力を積極的に発信し、昨年以上の盛り上がりを期待していること、新たな産業として、ヘルスケア産業に特に力を入れており、県内の病院と連携して取組んでいることの説明がありました。

 

 

-------

■今回のプレスツアーに基づく記事は、以下のリンクよりご覧いただけます。
※更新:2016年4月14日

 

24KZ(カザフスタン/テレビ)

タイトル(仮訳):日本、漁師と水産加工業者の確保が喫緊の課題(ロシア語)

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信