プレスツアー(報告)

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実施日 : 2015年12月07日 - 08日

報告:三重県プレスツアー

投稿日 : 2016年02月10日

伊勢志摩サミット三重県民会議主催、FPCJ企画・運営によるプレスツアーを実施し、来年にサミット開催を控えた三重県のさまざまな地域の魅力を探るツアーの第一弾を行いました。現代に伝わる忍者の文化や、社会的課題と向き合い、特色ある農業ビジネスに取組む経営者を取材しました。本プレスツアーには、中国、韓国、ロシア、米国、ドイツの5か国・地域から11名の記者が参加しました。

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1日目>

1.        伊賀の里モクモク手づくりファーム  

記者一行はまず、食と農の体験施設として県内外から人気を集めているモクモク手づくりファームを訪れました。モクモク手づくりファームで作られた野菜、ウィンナー、パンなどが味わえるPaPaビアレストランで昼食をとりましたが、早々に切り上げて来場者にインタビューを始める記者の姿もありました。その後、モクモク手づくりファームの始まりとなったログハウスの前で、代表取締役社長の松尾尚之さんからソーセージの手づくり体験を通して豚肉に付加価値をつけ、事業拡大に至った経緯を聞きました。松尾社長は、記者から、「TPPのような貿易の自由化の動きは、モクモク手づくりファームにとってチャンスになるか、悪影響を及ぼすか」と問われた際、「私たちのやり方を理解し商品を買ってくれるお客さんがいるので、心配していない」と回答しました。

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2. 伊賀流忍者博物館

海外でも広く知れ渡っている忍者について取材をするため、伊賀流忍者博物館を訪れました。まず、忍者を学術的に研究する講座を持つ三重大学の山田雄司教授と久松眞名誉教授から忍者の世界と食について説明を受けました。山田教授は、戦うことを目的とした肉体的強さよりも、情報収集するための優れた知恵を有していることが忍者に必要な要素であったことを記者に伝えました。久松名誉教授からは、保存性と栄養価に優れた忍者の携帯食である兵糧丸について説明を受け、実際に味見をしました。記者からは、伊賀と甲賀の忍者の違い、忍者が海外の要人護衛などの任務にあたる職種に影響を及ぼした可能性、中国や韓国より東南アジアの観光客が多い理由を問う質問が挙がりました。その後、忍者屋敷に移動した記者は、からくり屋敷の仕掛けを使った迫力あるパフォーマンスや、最後の忍者の弟子である清本泰志さんによる忍術の実演を視察・撮影しました。

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3. 夕食交流会DSC00239

一日目の取材を終えた記者は、各取材先の対応者や市からの代表者、サミット関係者との夕食交流会に参加しました。名張市の旅館、山水園で、取材先で生産されたものをはじめとする地域の食材を使った料理を堪能しました。翌日訪れる取材先の方に事前に話を聞く記者や、地域の魅力について記者に紹介する市長やサミット関係者の姿がありました。

 

 

 

 

2日目>

4. アグリー農園

障がい者の就労機会や、農業の担い手不足を解決する「農福連携」に取組むアグリー農園を取材しました。代表の井上早織さんから、主婦という立場から安心して食べられる野菜の生産を目指し農業を始めたことや、障がいを個性として尊重するアグリー農園のさまざまな取組みについて説明を受けました。続いて、記者たちはビニールハウスへ赴き、実際に障がい者を含む従業員が働いている様子を撮影し、インタビューを行いました。井上さんへ個別でインタビューした記者は、障がい者が農業に携わることの利点や、今後の展望について質問を重ねました。

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5. 木の子の里・錦生生産センター

DSC00108高齢化が進む名張市の錦生で、地域の人々の生きがいや雇用を生み出していくことを目的に設立された木の子の里・錦生生産センター。会長の冨山修さんは、「この地域でできることを探していた時に、きのこがたくさん採れることに目をつけた」と記者にきのこ栽培を始めた理由を説明しました。きのこは、廃校になった小学校の給食棟を改装して作った施設で栽培を行うほか、地域の家庭でも栽培してもらい、センターがそれを買い取る独自のスタイルで生産しています。実際に自宅できのこを育てている生産者は、「人とのつながりや、きのこを育てる喜びがある」と感想を伝えました。その後、栽培現場を視察し、シイタケやシメジなどの栽培方法や事業展開について冨山さんにインタビューを行いました。

 

 

 

6. うれし野アグリ株式会社

DSC00371先進的なシステムを導入したビニールハウスでミニトマトを生産しているうれし野アグリ株式会社を訪れました。同社は、辻製油、浅井農園、三井物産の3社による合弁会社で、辻製油で使い切れない木質バイオマス工場の蒸気エネルギーをミニトマトのハウスで活用し、浅井農園のトマト生産や三井物産の海外輸出のノウハウを取り入れた農業ビジネスを展開しています。取締役の浅井雄一郎さんは、「高い生産高を誇るオランダのシステムを導入しているが、日本では味にもこだわらないとミニトマトは売れない」とし、独自に開発した甘さが売りの「キャンディ」という品種を紹介しました。試食した記者は「甘くておいしい」と驚きの声をあげていました。

 

 

 

7. 三重県知事インタビュー

DSC00406ツアーの最後に、鈴木英敬知事へインタビューを行いました。記者は2日間の取材を振り返り、「障がい者雇用や6次産業化に取組む農業経営者を取材したが、これは県の事業として行っているのか」、「TPPは県全体にどういった影響を与えるか」といった質問を投げかけました。障がい者雇用に対する回答では、知事になってから一番力を入れた事業だとし、障がい者雇用率を全国の都道府県内で最下位から20位まで上げた実績を記者に紹介しました。また、サミット関係ではテロ対策や海外メディアへの取材対応、伊勢の観光PRについて問う質問が挙がりました。

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