実施日 : 2023年04月10日 - 11日
報告:「長崎プレスツアー」
投稿日 : 2023年05月02日
2023年5月にG7長崎保健大臣会合が開かれるのを前に、長崎の魅力を世界に発信するためのプレスツアーを実施しました。「感染症研究、被ばく医療、離島・へき地医療-世界の保健医療課題に最前線で挑む、日本における西洋医学伝来の地・長崎-」をテーマに、長崎市内と五島列島の福江島(五島市)を訪れた今回のツアーには、韓国、ベトナム、トルコ、ドイツ、イタリア、フランス、米国のメディアから、計9名の記者が参加しました。
※本ツアーは、G7長崎保健大臣会合推進協議会が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。
※取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。
【1日目】
長崎市の学芸員から、江戸時代に日本で唯一欧州に開かれていた出島の歴史や、日本における感染症や西洋医学の歴史と長崎の関わりなどについて説明を受けました。
<長崎大学熱帯医学研究所、高度感染症研究センターBSL-4施設>
長崎大学熱帯医学研究所を訪れ、長崎と感染症の歴史や、世界の感染症との戦いにおける同研究所の貢献について説明を受け、記者からはSARSや新型コロナに関する研究成果についてや、G7保健大臣会合に期待していることは何かなどの質問があがりました。その後、感染症研究の中核拠点として2021年に完成した高度感染症研究センターの高度安全実験施設(BSL-4施設)を施設外から視察しました。
<長崎原爆資料館>
資料館関係者の案内のもと、館内視察を行いました。記者たちは、放射線による人体への影響を含む被爆の実相について説明に耳を傾け、展示や映像を興味深く視察していました。
<長崎大学原爆後障害医療研究所 高村昇教授取材>
高村昇教授から、放射線が人間の健康に与える影響や、原爆被爆者医療の経験を基にしたチョルノービリや福島での住民の医療支援について説明を受けました。
<出島メッセ長崎>
G7長崎保健大臣会合の会場となるMICE施設、出島メッセ長崎を視察しました。コンベンションホールや屋上などを実際に見ながら施設を回り、記者からは、施設の稼働状況や主な利用者などについての質問があがりました。
最後に、稲佐山に登り、一日巡った長崎市内を一望し、「世界新三大夜景」に認定された美しい夜景を視察しました。
【2日目】
<長崎大学離島医療研究所、及びモバイルクリニック事業>
早朝から五島列島福江島にジェットフォイルで移動し、長崎大学離島医療研究所の医師から、長崎の離島医療の現状と課題、それを解決するための遠隔医療の取組について説明を受けました。五島市が2023年1月に始めた、診療所のない地域に医療機器を備えた専用の巡回車両を派遣し、医師がオンラインで診察する「モバイルクリニック」事業の取材では、五島市関係者や離島医療研究所の医師から話を聞いた後に実際の車両を使ったデモンストレーションを視察し、記者たちはオンライン診療に対する住民の反応や、予算、医療人材の確保についてなどを質問していました。
五島列島で医薬品や日用品を、ドローンを使って配送している、そらいいな株式会社を訪れ、事業の概要について説明を受けた後に、ドローンの離発着や荷物の医療用医薬品をパラシュートで落とすデモンストレーションを視察しました。記者たちは極めて速いスピードで離陸し、自動で荷物を投下、基地に戻ってくるドローンの様子を見て驚いた様子で、消費者が負担する配送料や、五島以外の国内の離島・へき地での事業展開の予定などについて熱心に質問していました。
4ヘクタールの土地に1万本以上の藪椿が生育する五島の椿株式会社の椿農園を訪れ、五島列島に古くから自生してきた椿を使ってスキンケア化粧品や食品を製造・販売し、地域活性化を目指す「五島の椿プロジェクト」について取材しました。記者たちは、五島に自生する椿の花から化粧品や食品の製造に使われる酵母を発見するまでの秘話や、大阪から故郷の五島にUターンしたという椿農園の管理人の若者の話に、熱心に耳を傾けていました。
◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)
Arab News Japan(サウジアラビア)
4月10日 「A-Bomb Museum director wants G7 leaders, Putin to heed horrors of nuclear weapon」(原爆資料館館長、G7首脳やプーチン大統領に核兵器の恐ろしさを知ってほしいと願う)
4月24日 「Nagasaki to host G7 Health Ministers meeting」(長崎、G7保健大臣会合を主催)
4月24日 「長崎、G7保健大臣会合を主催」(日本語版)
韓国経済新聞(韓国)
4月13日 「100㎞ 밖에서 "간호사, 맥박 어떤가?"…日, 인구 5만 노인섬의 기적"」(100キロ先から「看護師さん、脈拍はどう?」...日、人口5万人の高齢者が多い島の奇跡)
Vietnam Television(ベトナム)
4月19日 「Nhật Bản khám bệnh di động ở các đảo xa」(日本が離島での移動診療を実施)
東亜日報(韓国)
4月20日 「[글로벌 현장을 가다]모니터 보며 진료-드론으로 약품 배송… 낙도 의료공백 메운 日」([グローバル現場を行く]モニター見ながら診療・ドローンで医薬品配送、離島の医療空白を埋める日本)
Anadolu News Agency(トルコ)
6月15日 「Japonya'da siparişler evlere gökten iniyor」(日本では、注文した商品が空から家庭に届けられる)