IOCバッハ会長来日、2021年東京オリパラ「観客入り開催にかなり自信」
投稿日 : 2020年11月20日
注目すべき海外メディアの日本報道
(11月16日)
IOCバッハ会長来日、2021年東京オリパラ「観客入り開催にかなり自信」
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定されて以降、初めて来日したトーマス・バッハIOC会長は、11月16日に菅首相と会談し、来年の東京大会開催の実現に向けた強い意思を共有するとともに、昨今のワクチン開発の進展などを踏まえて、観客を入れての大会開催に「かなり自信がある」と明言。米英主要メディアは、この発言を捉えて同日付で一斉に報じた。
【米国】
The Washington Post紙は、「ワクチン開発や実証実験から、IOCは、日本でのオリンピックは観客ありで開催、に自信」(Simon Denyer東京支局長他)との見出しを掲げ、バッハ会長は最近の新型コロナウイルスワクチン開発の進展や迅速なウイルス検査の改善、新型コロナ感染拡大後初の体操の国際大会の実施、及び満員の野球場での実証実験の成功などに触れながら、妥当な数の観客を入れての東京オリンピック開催に「かなり自信がある」と断言し、「世界は今暗いトンネルの中にあるが、来年のオリパラはその出口の光となり得る」と述べた、と報じた。
CNN電子版も、「IOCバッハ会長、観客入れての東京大会に『かなり自信ある』」(Yoko Wakatsuki記者他)と題し、バッハ会長は「有効なワクチンが、もし一つあれば、ポストコロナの世界において可能な限り通常に近い形で大会が進行されるだろう」と希望に満ちているとし、「開発は全世界において月単位で進んでおり、ワクチンが使用可能となることにかなり自信がもてる」と述べた、と伝えた。
【英国】
The Times紙は、「東京2020開催へ、しかし観客にはワクチンが必要かも」(Richard Lloyd Parry東京支局長)と題する記事で、バッハ会長は菅首相との会談で「我々は東京2020オリパラ成功に向け満身の決意と自信をもって連携した。大会と聖火をトンネルの出口の光とする」と語り、菅首相も「大会を人類がウイルスを制圧した証しとしたい」と述べたが、日本では東京やマラソンが行われる札幌を中心に、感染拡大第3波が襲来しており、英国に比べて感染・死者数は極めて少ないものの、これから開会式まで8か月の先行きは不透明だ、と報じた。
The Guardian紙も、「東京オリンピック:観客は延期された大会を観戦できる、IOC会長“自信あり”」(Justin McCurry東京特派員)との見出しで、タイムズ紙と同様に、バッハ会長と菅首相の自信と連携について伝えつつも、ファイザー社による有効なワクチン開発の発表はより従来に近いオリンピック開催への期待を高めたものの、来年7月の開会までに然るべき数の人々が接種できるか保証はない、と報じた。
BBC電子版は、「東京オリンピック:IOCバッハ会長、ファン観戦可能に『かなり自信』」
バッハ会長は、観客は来年の東京オリンピックを観戦することになる、ファンが到着前にワクチン接種できるようIOCとして最大限努力すると述べたとし、ファイザー社やビオン
テック社のワクチンが90%以上の予防効果を示したとの初期分析もあり、有効な新型コロナワクチンが来年中に使用可能となる希望もある、と伝えている。