元米兵事件に対する抗議集会を開催
投稿日 : 2016年06月24日
注目すべき海外メディアの日本報道
(6月19日~6月20日)
2016年6月24日
元米兵事件に対する抗議集会を開催
米軍属の男が沖縄県うるま市の日本人女性を殺害、遺棄したとして逮捕された事件から1カ月、事件に抗議する「被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」が19日、那覇市内の陸上競技場で開かれた。大会では日米両政府に対し、事件への抗議や在沖縄米海兵隊の撤退、日米地位協定の抜本的改定を求める決議を採択した。主催者は約6万5000人が参加したと発表した。 (写真:ロイター/アフロ)
AP通信電子版(米国)は、影山優理記者が19日付で「沖縄で大規模抗議集会、殺人事件を受けて米軍基地に反対する」を東京発で掲載。1995年の米兵による少女暴行事件後に、「二度とこのような事件を繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えられなかったのは、知事として痛恨の極み」との翁長雄志沖縄県知事の大会での発言を伝えた。また「米軍基地に対する沖縄の憤りは続くだろうし、基地移設計画は延期されるだろう」とのテンプル大学教授の見方を紹介した。ロイター通信電子版(米国)のティム・ケリー記者/笠井哲平記者は那覇発20日付で「日本人女性殺害事件後、沖縄で数千人が米軍基地への反対訴える」を掲載。抗議集会は日米両政府と沖縄県の関係を悪化させ、米軍普天間基地移設計画の実現を脅かすものだと報じた。また在沖米海兵隊トップのニコルソン中将がロイターの取材に対し、米政府は沖縄本島の訓練地帯の一部を来年返還する用意があるが、これは1972年の沖縄返還以降の最大の返還になると述べる一方、東シナ海における中国の活動を抑制したい日米両政府にとって沖縄本島を含む南西諸島は安全保障上の戦略的重要性が増していると伝えた。ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、20日付でジョナサン・ソーブル記者の「大規模集会、沖縄の米軍基地撤去を要求」を東京発で掲載。主催者によれば沖縄の米軍基地に反対するデモとしてはこの20年間で最大規模であると報じ、翁長知事は米軍プレゼンス縮小のために広範な政治連合を築こうとしているが、米国との関係強化に努める保守派の安倍首相が率いる日本政府に反対されていると伝えた。
BBC電子版(英国)は19日付で「沖縄で反米軍抗議集会」を掲載。大会に寄せた被害女性の父親のメッセージを伝えるとともに、大会では米海兵隊撤退を要求したと報じた。20日付フィナンシャル・タイムズ紙(英国)のレオ・ルイス東京特派員は東京発で「沖縄住民、女性殺害を受けて米軍基地の存在に抗議」を掲載。抗議集会は、安倍首相が、緊張する日米関係と沖縄の内政の双方のかじ取りを試みる中で直面する困難を浮き彫りにしている、と報じた。また沖縄はアジアにおける米軍の軍事プレゼンスの礎であるが、沖縄では米軍基地に対する不満が高まっており、今回の事件は県民の怒りを再燃させたと伝えた。AFP通信電子版(仏)は、20日付でダニエル・ルシンク記者が「沖縄で大規模な抗議集会が開催」を那覇発で掲載。沖縄では米軍関係者による度重なる事件・事故の発生により県民の怒りが高まっていると伝えるとともに、「米軍基地がある限り、こうした事件は再発するだろう」との集会参加者の声を伝えた。また東京での抗議集会では米軍の問題は沖縄だけではく日本全体の問題だとの声も聞かれたと報じた。
アジアでは、20日付新華通信社日本語電子版(中国)が吴寒冰記者による「日本・沖縄、東京の2ヶ所で数万人規模の集会、在日米軍の残虐な暴行に抗議」を那覇発で掲載。民衆が米軍属による残虐な暴行に抗議すると同時に、東京でも約1万人が国会議事堂前で集会を開き、米軍の沖縄からの撤退や日米地位協定の抜本的改正を求めたと報じた。また県民大会の現場では参加者がプラカードを掲げたり、抗議のスローガンを声をそろえて大声で叫んだりしていたと伝えた。
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