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注目すべき海外メディアの日本報道【参院選特別版】(2013年7月22日)

投稿日 : 2013年07月22日

「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介しております。

 

注目すべき海外メディアの日本報道
参院選報道緊急調査
(7月21日~7月22日)

 2013年7月22日

 

 参院選での自公圧勝を各国メディアが報道

 

第23回参議院選挙が7月21日、投開票された。候補者は選挙区73と比例区48の121議席を争い、自民党は現行の選挙制度のもとで最多となる65議席を確保。自公両党で非改選を含めて参院の過半数を獲得した。一方、民主党は結党以来最少の17議席にとどまる惨敗を喫し、日本維新の会、みんなの党は改選議席を上回ったものの伸び悩んだ。共産党は12年ぶりに選挙区で議席を確保し、躍進を見せた。投票率は52・61%で前回を5・31ポイント下回り、戦後3番目の低さとなった。

 

各メディアは21-22日、以下のように自公の圧勝などを報じた(いずれも電子版。主に東京発)。

 

【米国】

 ■ニューヨーク・タイムズ紙 与党の参院選勝利 日本の変革の兆し(7月21日) マーティン・ファクラー東京支局長
率直に物事を語るナショナリストの安倍総理は日本のデフレ経済を再生させ、自衛隊を強化することを約束している。向こう3年までの両院の支配を確立したことで、参院選勝利は安倍総理にこの10年で最も変革の力のある指導者になるチャンスを与えた、と報じた。

 

■ウォール・ストリート・ジャーナル紙 安倍総理が目指す新たな戦後の日本像構築を得票が後押し(7月21日) 林由佳記者ほか
頻繁な首相交代と国会の行き詰まりを経て、日本が政治の安定を取り戻すことはほぼ確実であると論じた。

 

■ワシントン・ポスト紙 日本の連立与党 参院選快勝(7月21日) チコ・ハーラン東アジア総局長
両院を支配し、有権者から負託された力を安倍氏がいかに使うかが、今後長期にわたる日本経済の繁栄とアジアの近隣諸国との関係性を決めるだろうと指摘。

 

■CNN 日本の安倍総理 参院選勝利後、迅速な行動を約束(7月22日) 若月陽子プロデューサーほか
参院選での勝利を受け、日本経済の再生をはかる計画を早急に進めていくとの安倍総理の発言を報道。

 

【英国】

■フィナンシャル・タイムズ紙 日本の自民党 参院選で完全勝利(7月21日) ジョナサン・ソブル東京支局長、デイビッド・ピリング・アジア編集長(元東京支局長)
「アベノミクス」は日本で広く支持されており、自民党の勝利は予測通りだったと報道。多くの人は、安倍政権が憲法改正やイデオロギー的な問題に重点を置くよりも経済政策に専念することを望んでいるとした。

 

■インディペンデント紙 ナショナリストの安倍晋三総理の参院選圧勝は中国を落胆させる(7月21日) ディビッド・マクネイル記者
安倍総理はナショナリスティックな政策を推し進めることで、中国や韓国との関係を悪化させ、アジア太平洋地域を不安定化させる恐れがあるとの懸念を示した。

 

■デイリー・テレグラフ紙 参院掌握により 安倍晋三氏は日本改造への信任を勝ち取る(7月21日) Danielle Demetriou東京特派員
安倍氏の勝利により、この6年間で初めて与党が両院を支配し、小泉純一郎元首相が2006年に退任して以来初めての安定政権への準備が整ったと報じた。

 

■BBC 日本の選挙:安倍総理は勝利後安定政権を追求(7月22日)
参院選の勝利が、不安定な政治を終わらせ、安定政権を築くのに一役買うとする安倍総理の発言を伝えた。

 

【欧州(英国を除く)】

■フランクフルター・アルゲマイネ紙(ドイツ) 日本の首相は自らの党内からの異論におびえる(7月21日) カーステン・ゲルミス東京特派員
安倍総理は両院で過半数を得たが、圧倒的な勝利はリスクももたらしていると指摘。与党内には第3の矢が改革のターゲットとする分野のロビーグループと近い議員もおり、党内での対立が予見されるほか、終戦記念日の靖国神社参拝など外交面にも注目が集まると報じた。

 

■エル・パイス紙(スペイン) 安倍氏は日本の参院選で重要な勝利を収めた Jose Reinoso中国特派員
安倍氏の勝利は日本で長く待たれた政治の安定をもたらす一方、中国や韓国との関係を巡り、さらに注意深く行動する必要があると警告。憲法改正についても、国民の支持が十分ではなく慎重さが求められるとした。

 

【ロシア】

■ネザヴィシマヤ紙 安倍氏は日本の経済を復活させ、再軍備を進める(7月22日)
自民党の成功は、2007年の安倍氏の突然の辞職から、名誉を回復したことを示していると指摘。アベノミクスで経済は浮揚を見せており、成長を持続するには改革を進めなければならないが、両院の支配はそれに足る力を安倍氏に与えたとした。

 

■ノーボスチ通信 日本の与党は参院の過半数の議席を獲得(7月21日) 奈加キセーニヤ記者
ねじれ国会を解消すべく、日本の有権者は安定を選んだと形容。

 

【中国】

■新華社 日本の与党が参院選で勝利、経済を優先(7月22日)
「私の経済政策は正しい道であり、選挙での勝利は『アベノミクス』に対する有権者の答えである」との安倍総理の発言を報道。憲法改正については、改憲を支持する自民、維新、みんなの3党は参院の3分の2の議席を獲得するに至らなかったと伝えた。

 

■新華社 ニュース分析:自民党の参院選勝利は国会での行き詰まりを解消するが、懸念も引き起こす(7月21日) ジョン・デイ記者ほか
ねじれ解消の効果を報じた上で、自民党内での規制緩和への反対論が今後強まり、総理の改革への決意が弱まる可能性があるとの懸念も紹介。憲法改正を不安視する専門家の声を伝える一方、公明党が改憲に否定的な立場であることも報じた。

 

【韓国】

■朝鮮日報日本語版 「参院選:信任得たアベノミクス、次の壁は消費税引き上げ」(7月22日) 車学峰東京特派員
政治の安定がもたらされる可能性を論じた一方、来年4月に予定される消費税増税をターニングポイントとみて、安倍総理が経済面で失策を犯せば退陣圧力が強まるとする識者の声を伝えた。

 

■朝鮮日報日本語版 「参院選:自・公が安定多数確保、改憲論議深まる見通し」(7月22日) 車学峰東京特派員
憲法9条の改正を支持する自民、維新、みんなの3党は高い支持を得たが、参院の3分の2にはやや足りないと指摘。維新を「極右政党」と形容し、橋本徹共同代表の慰安婦発言にもかかわらず議席を伸ばしたと報じた。

 

■朝鮮日報日本語版 社説「安倍首相、次の選択は何か」(7月22日)
日本が軍隊を保持し、軍事的な権利を主張するには、二度と侵略を繰り返さないとの信頼を国際社会から勝ち取ることが必要だが、安倍総理は日本がかつて行った侵略戦争の否定もためらわない、と警戒感を示した。「安倍政権は時代の大きな転換期の真っただ中にあるという事実を忘れてはならない」と締めくくっている。

 

■中央日報日本語版 「<日本参院選>今後3年は“安倍天下”」(7月22日)
日韓基本条約締結から50周年の2015年まで、安倍政権の継続が予想されることから、「慰安婦犠牲者に対する(日本の)国家責任認定▲日帝強制徴用被害者の補償問題など各種懸案を解決しようという議論」が高まる可能性を指摘した。

 

■中央日報日本語版 社説「安倍首相の勝利、右傾化の白紙小切手ではない」(7月22日)
衆参両院の議席確保により、「白紙小切手を委任されたと考えるのは傲慢な錯覚」と報道。右傾化した政策を進めれば、世論からそっぽを向かれ、国際社会でも孤立するだろうと指摘し、安倍総理の靖国参拝についても近隣諸国の注目が集まっているとした。韓国、中国との関係を「どう解決するか悩むことを望む」と注文をつけた。

 

【オーストラリア】

■オーストラリアン紙 安倍晋三氏、日本での支配力を強める リック・ウォレス東京特派員
日本の有権者は、日本にかつての栄光を取り戻すため安倍晋三総理に両院での過半数を与えたと形容。

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