第三次安倍改造内閣発足
投稿日 : 2015年10月09日
注目すべき海外メディアの日本報道
(10月7日~8日)
2015年10月9日
第三次安倍改造内閣発足を各国メディアが報じる
第三次安倍改造内閣が10月7日に発足した。政策の継続性と安定性を重視して19人の閣僚のうち菅義偉官房長官、麻生太郎財務大臣兼副総理、岸田文雄外務大臣など主要閣僚を中心に9人を再任。その一方で森山裕農林水産大臣、丸川珠代環境大臣ら9人が初入閣した。
各国のメディアが第三次安倍改造内閣について取り上げた。7日付AP通信(米国)の山口真理記者は「安倍氏内閣を改造、経済に集中するため新たに大臣を就ける」を掲載し、加藤勝信一億総活躍担当相のリーダーシップの下で、人口一億人の維持や少子高齢化等への対策を年内にまとめると安倍首相が表明したと報じた。また改造前に比べて女性閣僚は一人少ない、19人中3人となったと伝えた。7日付ロイター通信(米国)はリンダ・シーグ記者/竹中清記者/梶本哲史記者による「安倍首相、再び経済に注力し、主要ポストに盟友を残す」を掲載、内閣改造で主要閣僚を留任させ、安倍首相の人気を下げた安全保障関連法案成立後は経済に転じ、安全策をとったと報じた。また目玉政策でもある「一億総活躍社会」の実現に向けて新設された一億総活躍担当相には、加藤前官房副長官を起用したが、スローガンは戦時中の標語を想起させるとの批判もあると伝えた。8日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)は、ホンゴウ・ジュン記者による「翻訳に迷う 『一億人』大臣、アベノミクス2.0を牽引」を掲載、一億総活躍担当相の英訳について、AP通信は「一億」の表現を避け、また日本の毎日新聞、読売新聞英語版やジャパン・タイムズ紙が異なる表現していると述べ、首相官邸の暫定的な呼び方を紹介しつつ、混乱ぶりを報じた。8日付新華通信社日本語電子版(中国)は謝絶記者が「第3次安倍改造内閣が発足」を掲載、馬平記者の写真とともに主要閣僚が留任し、9人が初入閣したと伝えた。また薛天依記者が東京発の論評で「安倍新内閣は厳しい試練に直面している」を掲載。国内政治、経済及び隣国との関係など厳しい情勢を前に安倍新内閣は試練に直面しているとのアナリストの意見や、「新3本の矢」は実質的な効果を上げることは困難との経済学者の見解を紹介。外交面では、米国との同盟関係を強化したが隣国との関係改善に対し実質的で効果的な措置を講じていないため大きく進展することはないと述べた。8日付朝鮮日報日本語電子版(韓国)の金秀恵東京特派員が「第3次安倍改造内閣、タカ派色鮮明に」との見出しで、内閣改造でさらにリーダーシップを強化し、自らのカラーを明確に示したと伝えるとともに、新設ポストに就任した加藤一億総活躍担当相が安倍首相に近い人物としつつその経歴を紹介した。
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外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」