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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年6月7日)

投稿日 : 2013年06月07日

「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介し、できるだけオリジナルの記事(Web版)へのリンクも貼っております。

注目すべき海外メディアの日本報道
(5月27日~5月31日)

2013年6月7日

 

 1. 橋下氏の記者会見を各国メディアが報道

 

5月27日、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は、日本外国特派員協会で記者会見を開き、従軍慰安婦は「当時は必要だった」とした発言は撤回せず、「一つのワードが抜き取られて報道されたのが今回の騒動のきっかけだ」と語り、メディアによる誤報が原因だと主張した。
 28日付オーストラリアン紙(オーストラリア)はリック・ウォレス東京特派員の記事で、橋下市長の今回の会見は関係国を巻き込んで更なる波紋を呼ぶ恐れがあり、収拾しそうもないだろうと報じた。
 同日付、フランクフルター・アルゲマイネ紙(ドイツ)はカーステン・ゲルミス東京特派員の「橋下市長の2つの顔」と題した記事で、橋下氏は支持率が低下する一方である「日本維新の会」が再び注目を集めるため、日本の歴史修正主義の代表者として挑発的発言を繰り返していると報じた。
 同日付、ニューヨーク・タイムズ紙(米国)も田淵広子記者による東京発の記事で橋下氏は会見で慰安婦問題と日本軍との関係を否定する自らの解釈を述べることをいとわず、関係国から更なる反発を招いていると報じた。
 29日付、ル・モンド紙(フランス)はフィリップ・ポンス記者による東京発の記事で橋下氏は今回の発言で失墜したイメージの回復を図るべく、他国を引き合いにしながら日本を語ることで単に歴史否認主義を貫いている右派とは一線を画したと分析した。

 

2. アベノミクス関連報道

 

5月末日から続いている日経株価の乱高下を受けて、主要英米紙は安倍総理の経済政策「アベノミクス」の先行きに懸念を示した。
 28日付、ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は27日の日銀による金融政策決定会合の議事録の中で一部の日銀委員が2年で2パーセントのインフレ目標の達成は困難であると指摘したことを受けて、安倍総理と日銀が今後様々な問題に直面するだろうと報じた。
 29日付、フィナンシャル・タイムズ紙(英国)は「日本の回復への凸凹道」と題した記事で、日本が真にデフレ脱却を図るには金融操作や円安にのみ頼るのではなく日本に根付いた企業組織改編に取り組む必要があるものの、現在そのような試みが行われているかといえば非常に怪しいと指摘した。
 31日付、フィナンシャル・タイムズ紙(英国)は社説で日本の近隣諸国がアベノミクスの金融の波よりも実体経済への影響を懸念すべきであり、日本がデフレ脱却に成功し、国内主導型モデルを維持すれば、日本と周辺諸国の双方にとって利益となるであろうと報じた。

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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