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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年5月2日)

投稿日 : 2013年05月02日

「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介し、できるだけオリジナルの記事(Web版)へのリンクも貼っております。

 

注目すべき海外メディアの日本報道
(4月25日~5月1日)

2013年5月2日

 

 1. 米国主要紙が「侵略」の定義を巡る安倍総理の国会答弁に関連し、引き続き記事を掲載

 

安倍晋三総理が4月23日に国会で、「侵略」の定義は国によって異なるとの趣旨の答弁を行ったことに関し、米国主要紙が引き続き記事を掲載した。27日付ワシントン・ポスト紙社説は、これまで安倍総理は、TPP交渉に参加するために米農家等の所属政党の強力な利益団体に立ち向かい、防衛費拡大については慎重な形で表明するなど、日本経済の改革・成長を優先し、ナショナリスト的な言動を控えて来たが、この度の国会での発言により、これまでの進展を全て危機にさらしているようだと指摘した。更に、韓国および中国の激しい怒りはもっともであるとした上で、歴史を直視する能力の欠如は「合理的」な目標にも影響を与えうるとも指摘。中国や北朝鮮の防衛費や強引な振る舞いに鑑みて、安倍総理が日本の防衛力の近代化を目指すことには妥当な理由があるが、戦前の帝国への郷愁を持っているように思われれば、国内の改革を進め、疑念を抱く近隣諸国を安心させる同氏の能力は失墜すると論じた。26日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙は関口陶子記者による記事「安倍総理、近隣諸国の神経を逆なで – 戦時期の『侵略』を疑問視」を掲載。安倍総理の国会答弁について、先だって行われた閣僚の靖国神社参拝に対し反発を示した近隣諸国との関係を一層悪化させていると報じた。記事はまた、総理秘書官が総理の公式フェイスブックページに、閣僚・国会議員の靖国参拝の権利を熱心に訴えた総理の24日の国会答弁の動画を掲載したことも紹介。安倍総理は最近までナショナリスト的見解を殆ど隠し、経済問題に重点を置いてきたが、ここに来て、高い支持率とインターネット上の支持層に励まされ、個人的なアジェンダに焦点を当てようとしているように見えると指摘した。

 

2. 日銀の2015年度物価上昇率予測について、米仏主要紙が報道

 

4月26日、日銀が半年に一度の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を発表し、2015年度の物価上昇率は1.9%程度との見通しを示した。リポートは、景気回復による需給バランスの改善や輸入物価の上昇、大規模な金融緩和による予想物価上昇率の更なる上昇を見通しの理由に挙げたが、一方で、それらの要因の不確実性にも言及した。27・28日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、Tatsuo Ito記者等による東京発の記事で、日銀は、物価上昇という野心的な目標の実現には2年以上要する可能性があることを認めたと報道。同日付で同紙に掲載された別の記事「日銀のインフレゲームが延長戦へ」は、日銀によるインフレ目標達成の期限修正は、日本のデフレ脱却が依然として困難であることを暗に認めていると見られるが、より大きな問題は、金融緩和策がどのように家計所得と消費に浸透するかであると指摘した。また、28・29日付ル・モンド紙(フランス)の記事は、黒田総裁は日銀の金融措置がもたらす効果に自信を示したが、アベノミクスの効果に関するエコノミストの意見は分かれていると指摘。政府は今夏に新たな成長戦略を示す予定であり、雇用の柔軟性を高める改革が求められているとした。

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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