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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年3月8日)

投稿日 : 2013年03月08日

「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介し、できるだけオリジナルの記事(Web版)へのリンクも貼っております。

 

注目すべき海外メディアの日本報道
(2月26日~3月5日)

2013年3月8日

 

 1.米英主要紙が次期日銀総裁候補への黒田氏指名を評価

 

安倍総理が日銀の次期総裁候補に黒田東彦・元財務官を指名したことについて、米英主要紙は概ね好意的な記事を掲載した。3月4日付フィナンシャル・タイムズ紙(英国)社説は、黒田氏の起用はデフレからの脱却を目指す安倍総理の大胆な意向を示すものと指摘。金融緩和によってインフレを起こしデフレ脱却を目指すという政策が失敗する危険について指摘しつつも、何も手を打たずこれまでどおり現状を維持することの方が更に危険だと論じた。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、エレノア・ワーノック記者、フレッド・デボラック記者による2月26日付の東京発の記事で、デフレからの脱却には、投資家や経済界、消費者に、日銀はそのためにはどんなことでもやると確信させる必要があると指摘。黒田氏には、エコノミストとしての力と同じ程度に、一般大衆の心を動かす「心理学者」としての力も求められるとした。また、翌27日付の同紙アジア版社説は、為替介入が効果を発揮するには政府と日銀の協力が不可欠であり、財務省出身の黒田氏は、日本も為替レートに基づく新たな金融レジームを実行に移していくために選ばれたと指摘。その上で、大胆な金融緩和がもたらす帰結は不透明だが、少なくとも安倍総理がデフレ脱却を政権の最重要課題に据えたことは正しい選択であり、もし総理が円相場の安定と構造改革を実現できれば、日本は経済停滞から脱することができるかも知れないと期待を示した。

 

2.安倍総理の外交姿勢に評価が分かれる

 

ストレーツ・タイムズ紙(シンガポール)は、2月27日付社説で、日米首脳会談での安倍総理の尖閣問題を巡る発言について、現実主義的で道理にかなったものと高く評価。一方、中国に対しては、尖閣諸島を巡る日中間の争いにおいて、米国が太平洋地域における自らの基盤強化を目的とするような介入を行わない限り、過度な苛立ちは避けるべきと諭した。

 

このように安倍氏の現実主義路線を評価する記事が多い中で、2月28日付エコノミスト誌(英国)は、今回安倍総理が示した現実主義路線はあくまで表面的なものだった疑いがあると指摘。米国政府は、自民党が今夏の参院選で勝利した場合、安倍総理がタカ派の姿勢をより露わにし、日中関係が悪化することを懸念していると報じた。

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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