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注目すべき海外メディアの日本報道(2015年5月29日)

投稿日 : 2015年05月29日

注目すべき海外メディアの日本報道

(5月20日~5月25日)

 

平成27年5月29日

 

水族館に展示するイルカの追い込み漁について欧米メディアなどが報じる

日本動物園水族館協会(JAZA)は20日、加盟する約150団体による投票を行い、和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁止することを決めた。世界動物園水族館協会(WAZA=本部・スイス)が今年4月、追い込み漁は「残酷」で倫理規定に反するとしてJAZAの会員資格を停止し、改善されない場合は除名すると通告していた。太地町の三軒一高町長は翌21日、WAZAの批判に関わらず「追い込み漁は合法的な行為」だとして、今後も食用やJAZA非加盟団体向けに追い込み漁を続けることをあらためて表明した。追い込み漁は、2009年にオスカー賞を受賞したドキュメンタリー映画などを通じて国際的に知られ、反捕鯨団体などの批判の対象となっている。日本政府は、伝統的な漁について国際社会の理解を求めていくとしている。

 

太地町でのイルカ漁の実態やJAZAの荒井一利会長の会見について、欧米メディアが報じた。英国では、ガーディアン紙電子版が、20日付けで、ジャスティン・マッカリー東京特派員による「日本の水族館、太地のイルカを買わないことを投票で決める」を、BBC放送電子版が、21日付けで「日本の水族館、投票で太地のイルカを買うのをやめる」を掲載するなどした。BBCは、WAZAの決定に「国際的な反捕鯨団体の圧力があった」とする荒井会長の主張を紹介する一方で、水族館との取引がイルカ漁を採算のあうものにしていると批判する反捕鯨団体は、JAZAの決定を「イルカ漁の終わりの始まりになる」として歓迎していると報じた。

 

米国のメディアでは、CNN電子版が、「日本の水族館、太地町の追い込み漁で捕獲したイルカの入手禁止へ」(21日付)としてJAZAの決定に至る経緯を詳しく報じたほか、ロイター通信電子版が、20日付けで、エレイン・ライズ記者「日本の動物園、圧力受け陰惨な漁で捕獲したイルカの購入を断念」を東京発で掲載。また、AP通信は、「イルカ漁を国際問題にしようと反捕鯨団体がしていることにJAZAが屈服した」とする三軒町長の発言を引用し、「日本のイルカ漁の町、敗北にも反抗的」(20日付)と報じた。このほか、ワシントン・ポスト紙電子版は、上述のAP通信やガーディアン紙、ロイター通信の報道を引用し、「イルカ漁は続く、捕獲されたイルカの購入をやめると日本の動物園が投票で決めた後も」(21日付)を掲載した。

 

このほか、フランスのル・モンド紙電子版も、25日付けで、フィリップ・メスメール東京特派員による「日本の水族館 伝統的なイルカ漁に反対」を掲載した。

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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