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注目すべき海外メディアの日本報道(2015年4月17日)

投稿日 : 2015年04月17日

注目すべき海外メディアの日本報道

(4月 8日~4月13日)

平成27年4月17日

 

1.高浜原子力発電所の再稼働差し止めについて、欧米主要メディアなどが報じる

福井地裁は14日、関西電力が再稼働を目指していた高浜原子力発電所(福井県)3・4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定を出した。2基は原子力規制委員会(規制委)の新しい基準による審査に合格し、11月の再稼働を目指していたが、樋口英明裁判長は、新基準は「合理性がない」とした。法的に即効力がある仮処分により、再稼働が差し止められるのは初めて。関電は異議申し立てをするとしているが、今後の司法判断で仮処分が取り消されないかぎりは再稼働できない。政府は「再稼働を進める方針に変更はない」としている。

 

この決定について欧米の主要メディアが報じた。以下に紹介する報道では、2011年以降、日本で稼働可能な原発すべてが運転を停止しており、今回の動きは「安倍政権のエネルギー政策への深刻な打撃である」と報じるとともに、再稼働に反対する人々の声や関電の主張を交えて伝える記事が見られた。

 

米国のメディアでは、14日付けで、ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版が、岩田万理記者「日本の裁判所 原発2基の再稼働を差し止め」を、ロイター通信日本語電子版が、「福井地裁、高浜原発再稼働禁止の仮処分 新規制基準『安全確保せず』」をそれぞれ福井発で掲載。ニューヨーク・タイムズ紙電子版が、ジョナソン・ソブル記者「日本の原発 裁判官の命令で閉ざされたまま」を、AP通信社(米国)が、山口真理記者「日本の裁判所 原発2基の再稼働計画を却下」を、それぞれ東京発(14日付け)で報じた。

 

また、イギリスでは、タイムズ紙電子版が、14日付けで、リチャード・ロイド・パリー東京支局長「環境保護主義者が日本の原発に対する差し止め命令に勝利」を、フィナンシャル・タイムズ紙が、翌15日付けで、稲垣佳奈記者「安倍総理の原子力に関する野望に打撃 法廷が原子炉再稼働を差し止め」をそれぞれ東京発で載せた。このほか、フランクフルター・アルゲマイネ紙電子版(ドイツ)が、14日付けで、パトリック・ヴェルター記者「原発再稼働につまずき」を東京発で、ル・モンド紙電子版(フランス)が、同日付けで、「日本:裁判所が原子炉の再稼働に反対」を載せるなどした。

 

2.日米防衛ガイドラインの見直しについて米国やアジアのメディアなどが報じる

4月末に新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)がまとめられるのを前に、中谷元・防衛大臣は8日、来日したカーター米国防長官と会談し、改定作業を精力的に進めることで一致した。見直しは、現行の指針が決定された1997年以来18年ぶり。新指針では、自衛隊と米軍の役割分担、武力攻撃には至らないグレーゾーン事態への対処の強化、宇宙やサイバー空間での協力拡大などが盛り込まれる。

 

次に紹介する米国の報道では、中国による東シナ海や南シナ海における動き及び軍事力拡大への懸念を伝える報道が見られた。ロイター通信社は、8日付けで、デビッド・ブルンストーム記者、竹中清記者による「米国防長官、アジアの領土問題による軍事化に警鐘」を、ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版は、同日付けで、フェリシア・シュヴァルツ記者「米、中国の軍事施設を警戒」を、ワシントン・ポスト紙(米国)は、9日付けで、ミッシー・ライアン記者「新たな防衛規定は米軍を助ける多岐にわたる権限を日本に与える」をそれぞれ東京発で掲載した。

 

一方、アジアの報道には、日米協力の拡大に懸念を示す報道などが見られた。中央日報日本語電子版(韓国)は、9日付けで「米国防長官『韓日米は将来に目を向けるべき』…韓国メディア『日本に肩入れ』」を、朝鮮日報日本語電子版(韓国)は、9日付けで「『過去より将来』日本寄りの姿勢見せる米国」を載せた。また人民日報日本語電子版(中国)は、13日付けで、「日米が防衛協力指針改定を加速 民意の軽視と日本メディアが政府批判」と報じた。

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

 

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