注目の日本報道

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注目すべき海外メディアの日本報道(2012年10月23日)

投稿日 : 2012年10月23日

1.日中関係

(1)ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)のチェスター・ドーソン記者とジェームズ・アレッディ記者は、「中国との対立が日本のGDPの上に垂れ込める」(10月12日付)で、尖閣諸島を巡る日中間の対立が、日本経済、アジア地域の成長、そして多国籍企業のグローバル・サプライチェーンにとって新たな潜在的脅威となりつつあると指摘するとともに、現時点では日本企業と日本経済への影響は限定的だが、この争いで失うものは中国よりも日本の方が大きいだろうとのエコノミストの見方を伝えた。
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444657804578052331690080520.html

 

(2)12日付のタイ・ラット紙(タイ)は、日中両国は尖閣諸島を巡り睨み合いを続けてきたが、日本政府は同諸島の民間からの買い上げを宣言することで、東シナ海に起爆剤を投げ込んだと指摘。その上で、在タイ日本大使館が公表した「尖閣諸島に関する3つの真実」(1.尖閣諸島は,歴史的にも国際法的にも日本固有の領土、2.日本政府による尖閣諸島の取得・保有は,「平穏かつ安定的な維持・管理」が目的、3.暴力はいかなる理由があっても許されるべきではない)の正当性について争うというのなら、中国は自らの主張を裏付ける証拠を提示すべきだと主張した。

 

(3)13日付の環球時報(中国)が掲載した王逸舟・北京大学国際関係学院副院長の論評「中国は海洋の争いに『創造性のある介入』を行うべき」は、今回の「釣魚島」(尖閣諸島の中国名)の領有権を巡る問題で、中国は力に力で応じる側面では備えができている一方、諸外国からの理解を得たり緊張を緩和する方法を提案したりするという「ソフトな」側面が不十分であることが明らかになったと指摘。「釣魚島」を巡る争いは、世界に中国の台頭に対する良いイメージを持たせるチャンスであるという点でも重要であり、中国が知恵と創造性を発揮して争いを解決すれば、世界の尊敬を集めることができるだろう、と述べた。
http://opinion.huanqiu.com/opinion_world/2012-10/3184936.html

 

(4)レ・ゼコー紙(フランス)のヤン・ルソー記者は、15日付の「日中両政府、関係の沈静化に向けて一歩」で、中国政府高官が11日に訪日し日中両国が対話を再開したと報じ、中国は強硬姿勢を取り続けることが自国にとって不利に働く可能性に気が付き始めたとの見方を示した。その上で、両国は徐々に対話に戻るだろうが、中国の新指導体制が決まる11月中旬までは冷たい関係が続くだろうとの見方が大勢であると伝えた。

 

2.日韓関係

(1)フィナンシャル・タイムズ紙(英国)のサイモン・マンディ記者とミュア・ディッキー東京支局長は、「歴史を共有することで引き裂かれる」(15日付)で、韓国から見れば、日本による竹島(韓国名「独島」)の島根県編入(1905年)は、自国の主権が奪われて行った1870年代以降のプロセスの一部であり、韓国人にとっては「独島」は自国のつらい過去の象徴であると指摘。「慰安婦」問題を巡る見解の違いが李大統領の「独島」上陸の背景となり、それがまた日本側には挑発と受け取られたことなどについて触れ、「歴史に対する理解が異なるので、日韓両国は誠実で親しい友人にはなれない」との韓国の日本研究者のコメントで結んだ。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/168b2af8-16b4-11e2-957a-00144feabdc0.html

 

3.日本経済

(1)アフテンポステン紙(ノルウェー)の15日付社説は、日本経済は高度成長以降20年間にわたり停滞し、日本は巨大な債務と人口減少に直面しているが、それでも失業率は依然低水準で維持されていることを指摘。積極的な財政出動による景気対策という日本政府の政策をEUや米国もモデルとすべきだと論じた。

 

4.福島第一原発

10月12日、東京電力は福島第一原子力発電所を国内外メディアに公開し、韓国メディア(共同取材班)は昨年3月の事故後初めて、同原発に入った。各社は、事故発生から1年7カ月が経過した現在の「立ち入り禁止区域」の風景や、懸命に続く収束作業の様子、同原発の高橋毅所長へのインタビューの内容などを大きく報じた。なお、今回の福島第一原発取材は、韓国メディアの要請を受けたFPCJが東京電力に対して働きかけたことにより実現した。

【テレビ】

KBS
http://news.kbs.co.kr/world/2012/10/15/2551524.html
MBC
http://imnews.imbc.com/replay/nwdesk/article/3158663_5780.html
SBS
http://news.sbs.co.kr/section_news/news_read.jsp?news_id=N1001430792
YTN
http://www.ytn.co.kr/_ln/0104_201210150405365891
チャンネルA
http://news.ichannela.com/tv/newsa/3/all/20121014/50101611/1
JTBC
http://article.joinsmsn.com/news/article/article.asp?total_id=9585648
【通信社】
聯合ニュース(動画)
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=104&oid=001&aid=0005872344
聯合ニュース(配信記事)
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=101&oid=001&aid=0005870440
【新聞】
朝鮮日報
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2012/10/15/2012101500051.html
東亜日報
http://news.donga.com/3/all/20121015/50106251/1
http://news.donga.com/3/all/20121014/50088030/1
東亜日報(日本語版)
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012101591178
中央日報
http://joongang.joinsmsn.com/article/aid/2012/10/15/9203274.html?cloc=olink|article|default
中央日報(日本語版)
http://japanese.joins.com/article/298/161298.html?servcode=A00§code=A00
韓国日報
http://news.hankooki.com/lpage/world/201210/h2012101421043622450.htm
ソウル新聞
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20121015002005
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20121015002006&spage=7
ハンギョレ新聞
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/555759.html
世界日報
http://www.segye.com/Articles/News/International/Article.asp?aid=20121014022506&ctg1=04&ctg2=&subctg1=04&subctg2=&cid=0101040400000
http://www.segye.com/Articles/News/International/Article.asp?aid=20121014022508&ctg1=04&ctg2=&subctg1=04&subctg2=&cid=0101040400000
京郷新聞
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201210142122225&code=970203
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201210142122275&code=970203
毎日経済
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?year=2012&no=665860

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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