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注目すべき海外メディアの日本報道(2014年7月4日)

投稿日 : 2014年07月04日

注目すべき海外メディアの日本報道

(6月17日~7月3日)

2014年7月4日

 

1.  新成長戦略と経済財政運営の基本方針について各国メディアが報道

6月24日、政府は新たな成長戦略と経済財政運営の指針「骨太方針」などについて閣議決定した。新成長戦略では、日本経済全体における生産性の向上、国や企業に女性登用を義務づける環境の整備、外国人材の活用のための技能実習制度の抜本的な見直しなどを目標に掲げた。また、骨太方針では来年度から数年で法人税の実効税率を20%台に引き下げることや、地域活性化に取り組む「地方創生本部」の新設、人口維持などを盛り込んだ。

 

閣議決定に先立ち、「第三の矢」の素案が16日の産業競争力会議で合意されたことを受け、フィナンシャル・タイムズ紙(英国)は、17日付でジョナサン・ソブル東京支局長による「安倍総理、成長促進に向け『第三の矢』を調整」、18日付でデビット・ピリング、アジア編集長による「安倍首相の第三の矢はどちらかというと1,000本の鍼のよう」を掲載した。また、19日には「日本は成長のために新たな戦略に挑む」と題する社説を載せた。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)も、22日付でジェイコブ・シュレシンジャー日本総局長による「日本経済が成長を目指す中で、安倍総理の『第三の矢』の的は易しくない」、翌23日付で「安倍首相、二度目の挑戦:『第三の矢』を射る」をそれぞれ掲載。25日には望月崇記者による東京発「日本、新たな成長戦略を発表」中道敬記者らによる「安倍首相の経済政策に日本市場は沈黙」を掲載した。また、26日には藤川恵記者による東京発「日本の投資家、企業に支払いを要求」を載せた。

 

通信社では、ロイター通信(米国)が24日付で梶本哲史記者らによる「日本の総理、経済活性化のために女性の登用を促す」「矢かダーツか、日本の安倍総理が最新の改革案を公表」、「日本の農業改革は詳細に欠ける、大改革の見込みはない」を配信した。また、AP通信(米国)は同日付で「日本、経済と国際競争力を取り戻すための戦略を発表」AFP通信電子版(フランス)は「日本、新たな経済再生計画を公表」をそれぞれ報じた。

 

その他、BBC電子版(英国)は24日付で「日本は法人税を30%以下に削減する計画を発表」を掲載。25日付では、ニューヨーク・タイムズ紙(米国)が田淵広子記者による東京発「安倍首相は日本の役員室を揺さぶろうとする」、ブルームバーグ電子版(米国)がイザベル・レイノルズ記者らによる「安倍総理はデフレ終了を宣言、成長戦略に疑問」を載せた。ノイエ・チューリッヒャー紙(スイス)も同日付で「日本は更なる改革を試みる:安倍首相の多数の矢」を掲載。ルモンド紙(フランス)は30日付で「日本は完全雇用へ、安倍総理にとって新たなテストに」を載せた。

 

2.   集団的自衛権、行使容認の閣議決定について各国メディアが報道

安倍内閣は7月1日の臨時閣議で、憲法9条の解釈を変更し、自国が攻撃されていなくても密接な関係にある国への攻撃を阻止する集団的自衛権の行使を容認することを決定した。臨時閣議後、安倍首相は首相官邸で記者会見を行い、その意義や必要性について説明した。戦後日本の安全保障政策を大きく転換することとなった今回の閣議決定に関して、各国メディアが報道した。

 

ロイター通信は、閣議決定の前日30日付で「安倍総理の安全保障体制の変更に批判多数」、1日付で「安倍総理:日本は湾岸戦争やイラク戦争のような戦争には加わらない」「戦後の平和主義から歴史的な一歩を踏み出す、他国に対する武力行使を承認」をそれぞれ報じた。AP通信も同日付で「憲法解釈変更後、日本は自衛隊をどう活用できるようになるのか」「日本の内閣、第2次世界大戦後から続く自衛隊の活動制限を緩和」を配信した。

 

フランクフルター・アルゲマイネ紙(ドイツ)は30日付で、カーステン・ゲアミス記者による「安倍総理による平和主義の離脱」を載せ、ニューヨーク・タイムズ紙電子版は1日付で、マーティン・ファクラー東京支局長らによる「日本、中国牽制のための自衛権の解釈変更を発表」を掲載した。2日付では、ウォール・ストリート・ジャーナル紙アジア版「日本の新しい防衛体制」と題する社説を載せた他、ワシントンポスト紙電子版(米国)が「日本の平和主義の終局のむこうに何があるのか」を掲載した。

 

アジアでは、中央日報日本語電子版(韓国)が2日付で「安倍首相の望み通り、戦争ができる日本」を掲載。人民日報日本語電子版(中国)も同日付で「外交部、集団的自衛権行使容認の日本は中国の安全を損なってはならない」、翌3日付で「日本の安保政策転換に国際社会の不安高まる」を載せた。

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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