注目すべき海外メディアの日本報道(2014年6月5日)
投稿日 : 2014年06月05日
注目すべき海外メディアの日本報道
(5月29日~6月4日)
2014年6月5日
1.米中韓等のメディアが拉致被害者の再調査に関する日朝間の合意を速報
5月29日、日本政府は、日本人拉致被害者の安否の再調査について北朝鮮と合意したと発表。また、調査の進展を見つつ、独自の制裁の解除や人道支援について検討するとした。
中国の新華社通信英字電子版は、平壌と東京の両都市から本件を即日、報道。東京からは、「北朝鮮、日本国民の拉致問題について再調査」と報じた。韓国でも、同日、主要テレビ局のKBSが「日朝、拉致問題の再調査に合意…日本の独自制裁も解除」と報じるなどした。また、朝鮮日報日本語電子版が、31日付で車学峰・東京特派員による「対北制裁:日本が解除すれば国際的な包囲網有名無実化も」を載せたほか、中央日報日本語電子版も6月2日付で「朝・日合意を歓迎する=韓国」と題するコラムを2回のシリーズで掲載した。
米国でも、ニューヨーク・タイムズ紙が30日付でマーティン・ファクラー東京支局長の「北朝鮮、日本人拉致被害者の消息を調査へ」を載せたほか、同日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙も、アレクサンダー・マーティン記者による「北朝鮮と日本、関係改善に向けて合意」を報じた。
2.各国メディア、シャングリラ・ダイアローグでの安倍首相基調講演等を報じる
5月30日、安倍首相は、シンガポールで開催された第13回シャングリラ・ダイアローグの開会関連行事の中で基調講演し、アジア太平洋地域が平和と安定を確固たるものにするためにも「法の支配」が特に重要であると強調した。会議ではヘーゲル米国務長官も演説し、南シナ海での最近の中国での行動について一方的などと非難。会議最終日には、中国の王・軍副総参謀長が日米両国による対中批判について激しく反論した。
現地メディアは、基調講演を前に早くも記事を掲載。30日付で、ストレーツタイムズ紙が関永堅・東京支局長による「安倍首相、“ASEANにアピール”」を載せたほか、ビジネスタイムズ紙も、アンソニー・ローリー東京特派員による「安倍首相、安全保障政策について“心強いメッセージを発信”」を掲載した。中国語紙の聯合早報は「安倍首相、中国に対抗すべくASEANを仲間に引き入れようとする」と題する東京発の記事を載せた。
基調講演後は、31日付でトゥデイ紙が「安倍首相、日本が地域の安全保障上より大きな役割を果たす計画を示す」を掲載。ストレーツタイムズ紙も「いかなる国も自国だけで平和を確保することはできない:安倍首相」と報じたほか、ビジネスタイムズ紙、聯合早報も、それぞれ「安倍首相:日本はアジアの平和を確たるものとすべく、手助けする」、「安倍首相、ASEAN各国の海域の防衛を支援」を載せた。6月1日には、サンデータイムズ紙(ストレーツタイムズ紙日曜版)が「シンガポールは日本の平和促進への意欲を歓迎」、「ASEANにおける安倍首相の政策は中国を不安にさせるものではない」と題する両記事を載せた。
BBC電子版(英国)は、5月30日付で「シャングリラ・ダイアローグ:日本の安倍首相が安全保障の役割を強調」を掲載。同日付フィナンシャル・タイムズ紙電子版(英国)は、「安倍首相、中国と係争中の国々への支援を表明」を載せた。同日付ワシントン・ポスト紙電子版(米国)は、「日本の安倍首相、中国の力が増す中、アジア太平洋の安全保障においてより大きな役割を果たすと約束」を掲載。ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、日米両国に対する中国の反論を受け、6月1日付で「中国が日米を扇動的と非難」と報道した。2日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、社説「シャングリラでの不協和音」を載せた。オーストラリアのフェアファックス・メディア社各紙(キャンベラ・タイムズ紙、シドニー・モー二ング・ヘラルド紙、ジ・エイジ紙など)は、安倍首相の講演について、30日付で「オーストラリア、アジアでの安全保障上の役割を強化するとの日本の首相の発表を受け入れる」と題する記事を載せた。また、中国の新華社通信英字電子版は、6月4日付で「中国、米国と日本の“干渉”を非難」と題する記事を掲載した。
<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」