注目すべき海外メディアの日本報道(2014年5月2日)
投稿日 : 2014年05月02日
注目すべき海外メディアの日本報道
(4月24日~4月30日)
2014年5月2日
1. 日米首脳会談の成果について各国メディアが報道
4月24日、東京・元赤坂の迎賓館で安倍晋三首相とオバマ米大統領による日米首脳会談が行われた。安全保障分野に関しては、オバマ大統領が会談後の記者会見で「尖閣諸島は日米安全保障条約5条の適用範囲内にある」と明言し、集団的自衛権の行使についても歓迎する立場を明らかにした。一方、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉については協議が整わず、会談後も協議を延長したが、大筋合意には至らなかった。会談成果を示す共同声明は、TPP交渉が難航したことに伴い、オバマ大統領の離日直前の25日午前に遅れて公表された。安全保障問題や、TPP交渉の展開について各国メディアが広く報じている。
首脳会談の内容について、ニューヨーク・タイムズ紙電子版(米国)は24日付でマーク・ランドラー記者らによる東京発の記事「オバマ大統領、日本と中東で挫折に苦しむ」を掲載。ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)は25日付で共同声明に関して、林由佳記者による「日米共同声明の5つのポイント」を載せた。
尖閣諸島を日米安全保障条約の対象としたことに関しては、AP通信電子版(米国)が24日付で「オバマ大統領は領土問題の平和的解決を求める」を報じ、AFP通信電子版(フランス)も同日付で「日本滞在中のオバマ大統領、尖閣諸島の安全保障条約適用を表明」、「オバマ大統領、東京にて中国との領土問題で日本支援を表明」をそれぞれ報じた。また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版も同日付で「オバマ大統領は安倍首相を支援」を掲載し、同サイト上で「東シナ海の領土問題:注意すべき理由」と題するビデオニュースを配信した。
これに対し、中国側からは反発の声も上がっており、新華社通信電子版/日本語版は、24日付で「釣魚島を『日米安保条約』適用対象とすることに断固反対 中国外交部」、28日付で「米日の中国駐在大使呼び厳重申し入れ 「米日共同声明」で中国外交部報道官」をそれぞれ掲載。人民日報電子版/日本語版も30日付で「米日共同声明に中国ネット民が反発『釣魚島を断固として守る』」を報じた。
TPP交渉に関しては、AP通信電子版が24日付、東京発「日米の経済連携協定交渉、合意できず先送り」を掲載。ロイター通信電子版(米国)は25日付でKrista Hughes記者によるワシントン発の記事「日米、TPPの新局面を用心深く進める」や、26日付でLinda Sieg支局員による東京発の記事「日本の高官、日米TPP協議は5月にもまとまりそうもないと発言」、5月1日付でJonathan Spicer記者によるニューヨーク発の「日本の高官、TPP交渉は進展しつつも隔たりが残る」の記事を掲載した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)は24日付で大辺 暢記者による「米国と日本は経済連携協定をまとめられず」や同記者らによる25日付「交渉が成立せずとも、日米はTPP協議を重視」を掲載した。
<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」