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注目すべき海外メディアの日本報道(2014年1月9日)

投稿日 : 2014年01月09日

注目すべき海外メディアの日本報道

(12月27日~1月6日)

2014年1月9日

 

1. 安倍総理の靖国参拝を巡る報道が年末年始にかけても続く

前号で紹介の通り、昨年12月26日の安倍晋三総理による靖国神社参拝は海外でも広く報じられた。各国主要紙による社説・論説を含め、関連報道は年末年始にかけても続いた。また、日本大使による駐在国現地紙への反論投稿も複数確認された。

 

英国では、30日付フィナンシャル・タイムズ紙谷口智彦内閣審議官による投稿記事「靖国には集団的記憶のみが祀られている」が掲載された。同紙は、1月2日付でデヴィッド・ピリング・アジア編集長の「靖国参拝を控えることは、安倍総理にとって謝罪のための一つの方法となるだろう」も載せた。1月2日付デイリー・テレグラフ紙は、劉暁明在英国中国大使による「中国と英国は共に大戦に勝利:日本が侵略の過去に向き合うことを拒否すれば、国際平和に深刻な脅威をもたらす」を掲載。6日付で、林景一在英国日本大使による反論投稿「中国はアジアのヴォルデモート卿になるリスクを冒している:日本は平和と民主主義にコミットしており、靖国参拝はそれを変更するものではない」も掲載した。劉大使による寄稿が日本を人気映画「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート卿に例えたのを受け、林大使も中国を同じキャラクターに例えて批判。これを受け、6日付インディペンデント紙「中国と日本の大使、靖国訪問を巡ってヴォルデモート発言で応酬」を載せた。

 

米国では、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が12月27日付で論説「安倍晋三総理の靖国攻勢」を掲載。28-29日付で東京発のGeorge Nishiyama記者による「安倍総理、米国に対し両刃の剣を振るう」も載せた。12月28日付ワシントン・ポスト紙は社説「余計な挑発:戦争を記念する場所を訪れることで、日本の総理は地域的緊張を高める」を掲載。ニューヨーク・タイムズ紙は、論説「日本の危険なナショナリズム」を掲載。1月5日付で、同論説に対する草賀純男在ニューヨーク日本総領事の反論投稿「日本は靖国参拝を擁護」も掲載した。

 

この他、12月31日-1月1日付リベラシオン紙(フランス)は東京発のアルノー・ヴォルラン記者による「日本のタカ派、安倍総理による攻勢」を掲載。12月28日付オーストラリアン紙(オーストラリア)は、社説「安倍晋三総理の無益な靖国参拝」を載せた。ストレイツ・タイムズ紙(シンガポール)は、12月31日付で関永堅東京特派員による「安倍総理の靖国神社参拝は右傾化を確信させる」を載せたほか、1月3日付で社説「悲しくも、靖国問題はわだかまりの種のままである」も掲載した。同日付ビジネス・タイムズ紙(シンガポール)は、アンソニー・ローリー東京特派員による「今年、『アベポリティクス』が『アベノミクス』を脅かす」を載せた。

 

 

 

 

2.   米主要紙、沖縄県知事による名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を報じる

沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題に関し、仲井真弘多同県知事は、昨年12月27日、政府が申請していた移設先の同県名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認した。知事説得に当たっては、政府が、2014年予算において沖縄振興費として3460億円(前年度比14%増)の計上を認めたほか、安倍総理が同県駐留米軍の縮小に向けた新たな措置を申し出るなどしていた。

 

1996年4月の日米両国による合意以降、同基地返還が長く膠着状態にあったことを踏まえ、米国主要紙もこの度の知事承認を「進展」と報じた。ワシントン・ポスト紙は、27日付でアーネスト・ロンドーニョ記者およびチコ・ハ-ラン記者による「米軍基地移転、日本での障害をクリア」を載せたほか、28日にも両記者によるソウル発の記事「沖縄県知事、米海兵隊航空基地の移設を承認」を掲載した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、27日付で東京の大辺暢記者による「沖縄県知事、米軍基地移設への道を切り開く」を載せたほか、1月3日には「沖縄での勝利」と題する論説も掲載。ニューヨーク・タイムズ紙も、12月27日付で東京発の田淵広子記者、Thom Shanker記者による「沖縄米軍基地移設の取り組み、承認を得る」を載せたほか、1月6日には社説「沖縄問題、新たに一歩前へ」を掲載した。

 

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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