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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年9月27日)

投稿日 : 2013年09月27日

注目すべき海外メディアの日本報道

(9月13日~9月22日)

2013年9月27日

 

1.   米英メディアが防衛・日中関係に関する日本政府閣僚インタビューを掲載

 

9月19日付フォーリン・ポリシー誌電子版(米国)に、尖閣諸島問題、防衛省と中国軍との意思疎通、防衛省の予算増額、憲法改正などに言及した小野寺五典防衛大臣インタビューが掲載された。また、22日付サンデー・タイムズ紙(英国)は「日本は雷(いかづち)を振りかざす」と題して世耕弘成内閣官房副長官インタビューを掲載。「日本側には事態をエスカレートさせるつもりはなく、冷静に対処しているが、中国は挑発的行為を行っている」などと同氏発言を伝えた。

 

 

 

2.  エネルギーを巡る日本での新たな動きを各国メディアが報道

 

21日付エコノミスト誌(英国)は、「エネルギーを巡る苦闘」と題する記事を掲載。日本で唯一稼働していた大飯原発が定期点検のために停止したことを受け、安倍総理は電気業界や官僚、学術界、重工業界からの原発再稼働申請を聞き入れたいであろうが、既存の原発の幾つかが活断層の上に建設されているとの問題、福島原発での汚染水問題、世論の反対があり、道のりは平坦ではないと指摘した。また、日本では2011年以降、制度改革により、再生可能エネルギーを扱う企業が3倍にも増えるなど、原発以外での長期的エネルギー供給に備えていると伝えた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)も、18日付でピーター・ランダース記者、根岸真由美記者による大阪発の記事震災後の日本、従来型の電力離れが進行」を掲載。東日本大震災後の日本では、従来の電力会社への反発から、多くの世帯が水素燃料電池、太陽光パネルを利用した自家発電を始めており、日本は、今や従来の電力供給網・ビジネスモデルを覆す実験場として世界をリードしていると伝えた。

  

ノルウェーのアフテンポステン紙の13日付別紙マガジンは、石油に次ぐエネルギー源として注目される海底資源「メタンハイドレート」を取り上げた記事の中で、今年初めに、渥美半島南部にて、日本の科学探査船「ちきゅう」が海底から採取したメタンハイドレートから天然ガスを産出することに成功したことを紹介。日本は2000年代当初より天然ガス資源探査に巨額を投じてきたが、福島原発事故以降、原発回避の必要性もあり、更にその活動が強化されたと伝えた。17日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)掲載のヘンリー・フォンテーン記者による札幌発の記事「『燃える氷』の潜在能力を解き明かす」は、北海道で行われている日米の科学者によるメタンガス研究を紹介。安全かつ経済的に活用できるようになれば、メタンハイドレート含有の堆積物は、特に日本のように資源が限られている国々にとって豊富な燃料資源になると指摘した。

 

   

 

3. 米英メディア、日本を代表する経営者の死去を報じる

 

9月17日、トヨタ自動車の豊田英二最高顧問が100歳でこの世を去った。また、19日には任天堂の山内溥前社長が85歳で亡くなった。

 

豊田最高顧問については、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)が18日付で「トヨタのグローバル化における舵取り」と題する記事を掲載。同氏が推し進めた「カイゼン」(継続的な改良)はトヨタによる効率的生産の基礎となり、同社を世界最大の生産台数を誇る自動車メーカーへと導いたとその功績を称えた。同日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)掲載の田淵広子記者による東京発の記事も、トヨタが日本国内で自動車生産の最前線へと乗り出し、後に海外展開するに当たっての同氏の功績を紹介した。

 

山内氏については、9月20日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「花札」の小さな製造業者だった任天堂をスーパーマリオやドンキーコングといった世界的ゲームの生産メーカーへと変貌させたと功績を紹介したほか、同日付ニューヨーク・タイムズ紙東京発の記事「日本のゲーム変革者」を掲載した。同日付ワシントン・ポスト紙は、任天堂を巨大なビデオゲーム・メーカーへと育てた功績に加え、山内氏が、1990年代にスポンサーを得られずにフロリダへの移転を迫られていたシアトル・マリナーズに出資し、同球団を救ったとも紹介。英国でも、20日付でタイムズ紙、デイリー・テレグラフ紙インディペンデント紙が同氏死去を報じた。

 

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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