プレス・ブリーフィング(報告)

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実施日 : 2016年01月22日

報告: 「2016年の国内政治」星浩・朝日新聞特別編集委員

投稿日 : 2016年02月02日

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安倍政権4年目を迎えた2016年の国内政治について、朝日新聞の星浩・特別編集委員にお話し頂きました。同ブリーフィングには、ブラジル、韓国や欧米メディアの記者13名、各国の大使館員30名を含む計49名が参加しました。

 

まず星氏は、今年は波乱の幕開けであったとし、国内では例年より約2週間早く始まった通常国会召集後に発覚した甘利明経済再生大臣を巡る問題、国外では原油安や中国経済の減速、北朝鮮の核実験などを挙げました。

 

次に、現在の国内政治の課題について、(1) 3月に施行される予定の安全保障法制には根強い違憲論があり、今年春以降に裁判所での論争も予測されること、(2) アベノミクスについては、新3本の矢への評価が定まっておらず、株高と雇用条件の改善という過去3年の成果はあるものの、急激な株安が政権の打撃となっていること、(3) 消費税に関しては、2017年4月に予定される税率引き上げ時の複数税率を巡る批判が多く、国会での議論が予想されることの3点を指摘しました。

 

そのうえで今年の注目すべき政治日程について、1月24日の沖縄県宜野湾市長選挙、4月24日に予定される衆議院北海道5区補欠選挙、5月26・27日の伊勢志摩サミット、参議院議員選挙(7月10日予定)等を紹介しました。伊勢志摩サミットについては、IS等のテロ対策や世界経済の減速への対応が大きなテーマとなると予想されるが、これらに明確な回答を出すことは困難であるとの見方を示しました。

 

更に国内政治の今後の展開について、安倍政権にとって最も楽観的なシナリオは、好調な経済を前提に、甘利大臣の問題を乗りきって来年度予算が順調に成立、衆院北海道補欠選挙で自民党が勝ち、サミットでも成果を挙げ、衆参同日選挙に踏み切って3分の2以上の議席を獲得し、憲法改正を進めるというもの。最も悲観的なシナリオは、その逆の結果となり参院単独選挙で敗れ、安倍総理退陣もあり得る。3つ目は2つの中間で、甘利大臣の問題を乗り切るもののフォローの風は吹かず、そのまま参院選を迎えるというシナリオで、これら3つの可能性はそれぞれ3分の1と予測しました。

 

最後に星氏は、今年の政治は安倍総理と民主党の岡田代表の二人の政治リーダーの対決が特徴であるとし、二人は年齢も近く、出身も政治の名門家あるいは流通大手創業家の出身という恵まれた環境に育ったとの共通点があると指摘しました。

 

質疑応答では、野党と連携した市民連合が参院選で勝利する可能性、甘利大臣を巡る問題の今後の展望、憲法改正を選挙戦の争点として打ち出す時期等、多岐に亘る質問が挙がりました。

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