日本赤十字社:国際的ネットワークを生かし、原子力災害への備えを強化します
投稿日 : 2012年05月17日
国際的ネットワークを生かし、原子力災害への備えを強化します
~「原子力災害対策にかかる赤十字会議」が閉会 ~
IFRC会長・日本赤十字社社長の近衞忠煇は「原発は安全という神話は崩れ去り、不測の事態には限られた関係者だけで対応できるという考えは、大きな間違いであったことも明らかになった。想定よりはるかに多くの一般市民や機関が巻き込まれ、影響を受ける地域は広範囲に及び、対応を要した事項は多岐にわたり、対応に要する時間は数十年と長く、影響を心配する動きは国境を越えて世界にまで広がる。赤十字は、そうした前提に立って、他の自然災害、技術災害と同様に原発事故への備えもしておく必要がある」と挨拶し、改めて世界の人々と共に原発事故への対応を強化する必要性を訴えました。
■原子力災害対策にかかる赤十字会議での議論概要
平成24年5月14日~16日に日本赤十字社 本社(港区芝大門)で開かれた本会議には、原発保有国のみならず、16の国と地域の赤十字社・赤新月社、IFRC、赤十字国際委員会(ICRC)など、59人が集い以下の事項に合意しました。
・赤十字は、原子力エネルギー利用の賛否に関わらず、今後も起こりうる人道問題として、中立な立場から原子力災害対策に取り組む。
・本対策は原発事故に限ったものではなく生物・化学物質災害への対策とも関連させる。
・互いにノウハウを共有していくため赤十字内外のネットワークとの連携を重視する。
・既に各国で行っている災害対応の延長線上に原子力災害対策を位置づける。
・IFRCに原子力災害対策専門担当者を配置する。
・上記担当者を中心に、①災害対策=赤十字の職員やボランティアの知識・技術・装備の向上、地域住民への啓発など ②災害対応=避難所や屋内避難者へのサービスなど ③復興=こころのケア、健康モニタリングなど ④全フェーズにおける保健医療支援や、情報提供など。
以上の分野において今後具体的に取り組む準備をすすめます。
これらの取り組みの具体的成果は、2013年秋に開催される次回IFRC総会で報告される予定です。
■お問い合わせ先
日本赤十字社 企画広報室 松本・鈴木 TEL 03-3437-7071